サンコーテクノ Research Memo(2):コンクリート構造物向けのあと施工アンカーで特許を取得し成長

2018年7月12日 15:32

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記事提供元:フィスコ


*15:32JST サンコーテクノ Research Memo(2):コンクリート構造物向けのあと施工アンカーで特許を取得し成長
■会社概要

1. 沿革
サンコーテクノ<3435>は1964年、建設用鋲打ち銃、アンカー、工具などの販売を目的に三幸商事株式会社として設立した。翌1965年にはコンクリート向けのあと施工アンカー製品である「オールアンカー」の実用新案登録を行い、生産を開始した。これは現在まで続く長寿製品となっている。その後製品ラインアップの拡充を図る一方、1988年にタイに生産子会社を設立した。また2004年、ドリル製品群の強化と拡大を図るため、石原機械工業(株)(現 (株)IKK)を子会社化した。

同社は事業の多角化に積極的で、様々な事業に進出してきた。そのなかで2003年に子会社化した(株)スイコーは、そのセンサー技術をもとにアルコールチェッカーやプリント配線板などの製品へと展開して現在に至っている。また海外進出では2011年にベトナムにタイ現地法人の子会社(同社本体の孫会社)を設立した。ベトナム国内の販売拠点であり、タイ子会社とともに東南アジア圏での販売拡大を担っている。

証券市場には2005年6月にジャスダック(JASDAQ)証券取引所に上場した後、2015年5月に東京証券取引所市場第2部に上場し、現在に至っている。


6子会社2関連会社でグループを構成。ファスニング事業と機能材事業の2事業を展開
2. 事業の概要
同社グループは同社本体のほかに子会社6社、関連会社2社で構成されており、ファスニング事業と機能材事業の2つの事業を展開している。

同社は中期経営ビジョン『S.T.G VISION 2020』に取組んでいるが、その一環で2016年3月期に組織変更を行った。そこでは工事部門をファスニング事業の中に取込み、後述するように、営業体制の変更や「エンジニアリング本部」の創設に道を拓いた。また、機能材事業においても、製品ごとに開発・製造・販売を一気通貫で行う体制とし、経営のスピード向上を図った。

セグメント別の構成は、ファスニング事業が売上高の79%、営業利益の80%を占め、同社の主力事業となっている(2018年3月期実績ベース)。機能材事業には、後述するようにアルコール検知器や電子基板関連など、ファスニング事業とは需要構造が異なるものや潜在成長性が高いものが含まれており、中長期的に同社の安定成長性や成長性の拡大に寄与することが期待されている。

(1) ファスニング事業
木造の構造物に何かを取付ける際はネジや釘が使用されるが、コンクリート構造物にはそれらは使えない。代わって使用されるのが同社の主力製品であるあと施工アンカーだ。あと施工アンカーやネジ類などを総称して工業用ファスナーと言い、ファスニング事業の名称はここに由来する。

ファスニング事業は、1)金属系あと施工アンカー、2)接着系あと施工アンカー、3)各種工事関連、の3つのサブセグメントからなる。

金属系アンカーは同社の主力製品で、ファスニング事業の約70%を占めている。同社は1965年に「オールアンカー」の実用新案登録を取ったことに象徴されるように、金属系アンカーで成長を遂げてきた。一方、接着系アンカーはアンカーの固定に接着剤を用いるタイプだ。接着剤は外部調達となるため、金属系アンカーとはビジネスモデルが若干異なる。

国内市場におけるポジショニングは、同社は金属系アンカーでは市場シェア約50%を握るトップ企業であり、また接着系アンカーをも交えたあと施工アンカー市場全体でも約40%の市場シェアを有するトップ企業となっている。

各種工事関連は、あと施工アンカーをはじめとする締結技術を応用した各種構造物の耐震補強工事の施工管理及び部材供給を行う耐震補強事業と、ソーラーパネル設置に際して施工管理と部材供給を行う太陽光発電関連事業の2つで業容拡大を実現してきた。近年では太陽光発電関連の工事が急減し、代わって、土木・インフラ関連が増加している状況にある。

アンカー製品の生産は、主に国内の野田工場と、タイの生産子会社の2ヶ所で行っている。タイの生産分は大部分を国内に輸入して日本で販売しているが、一部は東南アジア市場でも販売している。原料の鋼材については、国内工場は日本で、タイ工場はタイで、それぞれ調達している。同業他社が海外工場で安価な現地調達の鋼材を使用して製造し、国内に輸入しているのに対し、同社は国内生産に強いこだわりを持っている。製造コストの面では不利になるが、トップ企業としてのブランド力と品質への信頼性を武器に、ディスカウントすることなく他社よりも割高な価格でありながらもトップシェアを維持できている。この点に同社の強みが表れていると弊社では考えている。

(2) 機能材事業
機能材事業は、1)電動油圧工具、2)アルコール検知器関連、3)電子基板関連、4)FRPシート関連、の4つのサブセグメントからなっている。過去は製品ラインアップがもっと多かったが、市場性や成長性、シェア等の観点から、絞り込みを進めて現在の姿に至っている。

電動油圧工具は子会社のIKKが製造するもので、鉄筋カッターやベンダーなど様々な種類がある。電動油圧工具は北米や東南アジアなど世界中に輸出されている。工具本体の耐用年数は長いが、鉄筋カッターの刃などは消耗品であり、ストック型ビジネスの一面もある。

アルコール検知器関連の主たる用途はタクシー会社や運送会社等におけるドライバーのアルコール測定用だ。検知精度向上を目指して接触燃焼式から燃料電池式に転換するなど、製品開発を続けている。また2015年3月にはクラウド型点呼サービスを開始している。電子基板関連は、スイコーが手掛けている。プリント配線板の受注生産が主となっており、アルコール検知器関連とのシナジーや、IoT分野への参画が期待されるところだ。

FRPシートはUV硬化樹脂を用いたガラスファイバー強化シートだ。現場で貼付け、紫外線ランプや太陽光で簡単に硬化して作業を終了できる点が評価されて販売が伸びている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)《MH》

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