缶チューハイの人気が急上昇、購入頻度で第三のビール・発泡酒を上回る

2018年7月12日 22:24

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「キリン氷結ストロング」。(c) 123rf

「キリン氷結ストロング」。(c) 123rf[写真拡大]

 最近のお酒事情だが、ビール大手5社発表の2017年のビール系飲料の出荷量は前年比2.6%減の4億407万ケース。ビールは13年連続で減少中だが、その一方で飲みやすく値段が安価な高アルコールの缶チューハイの売れ行きが好調だ。

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 フィールド・クラウドソーシング事業を展開するソフトブレーン・フィールドは、レシートと購買理由を紐づけたサービス「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy」(POB)のアンケートモニター(男女40代~50代中心)を対象に、缶チューハイに関する調査を実施した。

 まずは普段お酒を自分で購入して飲むと回答した男女1983名に、最もよく購入するお酒のジャンルを質問。「ビール」(25.2%)、「缶チューハイ」(19.9%)、「第3のビール」(16.4%)、「焼酎」(9.8%)、「発泡酒」(6.5%)、「日本酒」(4.3%)、「ウウイスキー」(3.3%)、「缶入りカクテル」(3.2%)の順だった。

 減少傾向にあるビールを、近年は「缶チューハイ」が猛追。缶チューハイは手頃な価格で購入できる「第三のビール(16.4%)」や「発泡酒(6.5%)」よりも多いのだ。また「缶チューハイをもっともよく購入する」との回答者は、女性が約6割を占め、男性よりも多かった。年代別では、男性が30代~40代、女性が20代~30代が多い傾向となった。

 次に、缶チューハイの飲用歴別に、缶チューハイの好みの度数を調査。チューハイの好みの度数の平均は、「4度~7度」(47.3%)が最も多く、「8度~9度」(25.1%)、「1度~3度」(20.3%)と続いた。 缶チューハイの好きなフレーバーは、第1位「レモン」(53.2%)、第2位が「グレープフルーツ」(50.1%)、第3位が「桃」(33.7%)、第4位は「ぶどう(33.2%)」、第5位が「オレンジ(28.9%)」、缶チューハイの味はフルーツ系の人気が高い。

 POB会員のレシート枚数からみる缶チューハイの売れ筋だが、第1位が「キリン 氷結」、第2位が「サントリー 196℃ストロングゼロ」、第3位が「サントリー ほろよい」だった。

 缶チューハイの躍進の背景には、2017年6月の酒税法改正に伴う安売り規制によるビール離れがある。さらに近年は、安く酔える高度数の缶チューハイが各社から販売され、売れ行き好調だ。今後は居酒屋などで「とりあえずビール」ならぬ「とりあえずチューハイ」という言葉が飛び交うかもしれない。(記事:久保圭大郎・記事一覧を見る

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