鉄道事業者、「暴力行為防止ポスター」で啓蒙 17年度の暴力件数は56件減少

2018年7月12日 17:24

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ポスターのイメージ。左が駅構内用、右が列車内用 。(画像: 発表資料より)

ポスターのイメージ。左が駅構内用、右が列車内用 。(画像: 発表資料より)[写真拡大]

 JR6社や日本民営鉄道協会加盟の各社など85社局は、7月13日より、共同で制作した暴力行為防止ポスターを駅構内や列車内に掲出する。

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 この取り組みは、駅や列車内における駅係員や乗務員など鉄道係員への暴力行為や、利用客同士のトラブルによる暴力行為に対し、各鉄道事業者が連携して防止を呼びかけるもの。暴力行為件数の減少を図り、利用客がより安全に、安心して鉄道を利用できる環境を実現していくことを目的としている。ポスターの制作にあたっては、警察庁および国土交通省からの後援を受けている。

 ポスターの掲出期間は7月13日(金)から9月12日(水)までの2カ月間。今年は『つい、カッとなった。人生、ガラッと変わった。』をキャッチコピーとして、暴力行為が決して他人事ではないということを訴求。ポスターでは、人物をシルエットで表現することで自身が加害側にも被害側にもなり得る点を強調している。ポスターの掲出枚数は駅構内で約7,100枚、列車内は約6万2,700枚を予定している。

 大手私鉄各社やJR6社合わせて34社局の集計によると、2017年度に発生した暴力件数は656件と、前年度の712件からは56件減少した。

 減少の要因については、「警察官の巡回や警備員の配置」「駅係員の研修等の取り組み」「監視カメラの駅構内・車内への設置」などに加えて、「全国の鉄道事業者による啓発ポスターの掲出」が挙げられている。ニュースや新聞などで鉄道係員に対する暴力行為の現状が広く認知されたことも要因として考えられる。(記事:M_imai・記事一覧を見る

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