広島大、銀河系最大級の連星「りゅうこつ座エータ星」の高エネルギー粒子を観測

2018年7月5日 12:03

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「りゅうこつ座エータ星」可視光 ハッブル宇宙望遠鏡(NASA提供)

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 「りゅうこつ座エータ星」は、太陽質量の90倍と30倍の恒星からなる銀河系でも最大級の連星である。この連星が、太陽フレアの1万倍以上の高エネルギー粒子をまき散らしている様子が、世界で初めて観測された。

【こちらも】史上初めて観測された恒星間天体、小惑星ではなく彗星だった

 研究に携わったのは、広島大学大学院理学研究科の高橋弘充助教、アメリカNASAゴダード宇宙飛行センターの濱口健二研究員ら、日本とアメリカ他の国際共同研究グループである。現状世界で唯一、硬X線(X線とガンマ線の間のエネルギーをもつ電磁波)を撮像する能力を持ったアメリカの観測衛星NuSTARが利用された。

 研究グループは、硬X線により4年間に渡って複数回、りゅうこつ座エータを観測した。NuSTARは、1万電子ボルト以上の硬X線を集光することが可能である。

 8年前、フェルミ・ガンマ線衛星のデータ解析から、強力なガンマ線がエータの付近から到来していることが判明した。そのようなガンマ線が放出されるためには、ほぼ光速近くまで加速された超高エネルギーの粒子が必要となる。そのような粒子を作り出す激しい活動現象は、ブラックホール、中性子星のような高エネルギー天体ならばいざ知らず、りゅうこつ座エータのような「普通の星」では予期されないことであった。

 フェルミ衛星はガンマ線の飛んでくる角度の分析の精度があまり良くないため、近くに未知の高エネルギー天体が存在している可能性があった。だが、今回のNuSTARによる観測では、その硬X線がエータから来ている可能性が非常に高いことを、極めて高い位置精度によって突き止めることができた。それにより、エータのような大質量星の連星が発生させる衝撃波が、高エネルギーの粒子を地球までもたらすことが明らかになったのである。

 なお、今後の研究としては、エータやあるいはこれに似た連星において、どのように高エネルギー粒子の加速が行われるかの理解が進むことが期待できるという。

 研究の詳細は、英国の科学誌「Nature Astronomy」に公開されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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