国立天文台、偏光観測で小惑星フェートンの謎に迫る

2018年7月2日 05:45

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小惑星フェートンの偏光観測。観測は北海道で実施された。フェートンには、探査機による観測が計画されている。(画像:国立天文台発表資料より)

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 フェートンは彗星に似た性質を持つ近地球小惑星である。国立天文台などの研究グループがこれを偏光観測したところ、この天体の表面で反射した光は、とても大きな偏光度を示すことが判明した。

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 研究の中心となったのは国立天文台の伊藤孝士助教、ほか千葉工業大学、北海道大学などの研究者も参加し、国際共同研究が行われた。

 フェートンは(3200)Phaethon、ファエトンとも呼ばれる。彗星に似た特異な軌道を持つ小惑星であって、地球にかなり近いところを軌道に持つ。ふたご座流星群のもととなるチリを供給した天体であると推定されており、また太陽に近づく時期などは少量の物質を放出していることから、彗星に近い性質を持った「活動的小惑星」に分類される。活動的小惑星に分類される天体がどのような表面状態を持つかについては、謎が多い。

 研究グループは、北海道名寄市に、北海道大学1.6メートルピリカ望遠鏡を設置し、2016年秋、フェートンの偏光を観測した。その結果として、フェートンの反射した光は強い偏光を示し、これまでに知られる太陽系小天体の中では最大であるということが分かった。

 おそらくはこれは、フェートン表面にある粒の直径が大きいということを示すものであると考えられる。室内での実験値と照らし合わせると、フェートンの表面物質の粒の直径は、360マイクロメートル以上と推定されるという。ちなみに月の表面の粒の直径は50マイクロメートル以下であるので、これは非常に大きいと言うべきものである。

 また、これはフェートンが太陽の近くを通過するために、太陽の熱で表面の粒が焼き固められ、あるいはまた微細な粒は太陽からの光によってフェートンの表面から吹き飛ばされたのではないかともいう。

 研究の詳細は、英国のオンライン科学雑誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』に掲載されている。(藤沢文太)

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