スズキが中国合弁2社のうち1社と合弁解消!中国市場をどうするつもりか?(下)

2018年6月21日 21:08

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 国内自動車メーカー7社の18年3月期連結決算によると、売上高は米国市場などで苦戦したが、中国やアジアなど新興国で新車販売が伸びて、全社増収となった。本業のもうけである営業利益は、無資格検査問題の関連費用を計上した日産自動車とSUBARU(スバル)が減益で、不祥事と無関係だったが微減に甘んじたホンダを含めて3社が低調な実績となった。最終損益では米法人減税の恩恵による税負担軽減が追い風となり、スバルを除く6社は増益で、トヨタ自動車、日産、ホンダの3社と、主力のインドが絶好調のスズキも過去最高を更新した。

【前回は】スズキが中国合弁2社のうち1社と合弁解消!中国市場をどうするつもりか?(上)

 経営効率を示す売上高営業利益率はトップがスバルの11.1%、2番目に高いのはスズキの10.2%となり、初めて二ケタ台に乗せた。以下トヨタ8.2%、ホンダ5.4%、三菱自動車5.0%、日産自動車4.8%、マツダ4.2%と続く。米法人減税の恩恵に浴していないスズキが、ちゃっかり過去最高を記録した。

 インド市場はスズキにとって金城湯池である。ピーク時に記録した80%の寡占状態を維持することは出来ないが、今でも40%のシェアを誇っている。ベルリンの壁やソ連邦の崩壊、湾岸戦争による石油価格の高騰、インド経済の自由化による世界各国の自動車メーカーの市場参入があっても、なお40%のシェアを保っているのだ。競合によりシェア自体は低下しても、売り上げ台数は上限知らずの伸びを示している。生産能力があればあるだけ売れそうな市場なのだ。インドマーケット自体が驚異的な成長を続ける規格外の市場となっている。

 反面、中国は消費者の所得上昇により大型車選好が鮮明で、小型車を中心とするスズキにとって対応困難な領域である。今後は中国政府が主導して電気自動車(EV)の普及を促進させることが確定しているが、スズキには対応するラインアップがない。サイズの問題とEVは、スズキという会社の根本的な在り方に関わることであり、簡単なシフトチェンジは出来ない。

 スズキは15日に中国での合弁会社である江西昌河との合弁解消を発表したことで、残るもう一社との合弁関係の帰趨に注目が集まっている。スズキの中国での販売は3年連続で前年を下回る不振に喘いでいる。17年度の販売台数は10万台だった。米国からの撤退を決断する状況に酷似している。

 中国での事業に下す判断は、まだ決定事項ではないかも知れないが、今までの経緯を辿ってみると薄っすらと方向性が見えて来る。トヨタとの提携協議の合意事項で大事なポイントが、インドで生産した車両をアフリカで販売するための協業にある。アメリカから撤退してもインドがあったスズキが、次代のマーケットとしてアフリカを見据えているのは明白なのだ。しかもインドはアフリカとの交易で米国・中国・欧州を凌ぐ、最も優位な地理的条件を有する。

 「なんでもかんでもやる体力はない」(スズキ関係者)と等身大の自社スケールを自覚するスズキは、相応しいパートナーに恵まれたときに最高のパフォーマンスを発揮するのではないか。パートナーとしての理想像をトヨタに求めるスズキが、相思相愛をいつ披露することになるのか。しなやかだが、したたかでもあるスズキのチャレンジが続く。(矢牧滋夫)

関連キーワードトヨタ自動車合弁電気自動車アメリカ中国アフリカインドスズキ

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