マツダがスモールとラージに分けた訳(1)「コモンアーキテクチャー」が目指すのは「平準化」

2018年6月5日 20:16

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マツダCX-9 (c) 123rf

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■「コモンアーキテクチャー」が目指すのは「平準化」

 マツダが、基本プラットフォームを「ラージ」と「スモール」に分けるという。これまでは全ての車種を同じラインに混流できることを、「コモンアーキテクチャー」により目指してきたが、ここにきて、北米のCX-9を頂点とした大型車と、日本国内、EU、東南アジアなどのアクセラ、CX-3とを、同じ基本設計で混流できるようにすることは難しくなってきたのであろう。あまり無理をすると、平準化のメリットを阻害してしまうことにもなりかねない。

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 さらに、生産台数が160万台を超えてきたことで、大小二系統のラインとしても平準化のメリットが出るため、無理に2つを混流生産する必要がなくなったものと見える。つまり、経営的にはより安定性を増してきたのではないだろうか。ブランド戦略の完成に向けての正念場ともいえる。

 ・デミオ(日本、アジア、欧州) ・アクセラ(全世界) ・アテンザ(日本、北米)
 ・CX-3(日本、アジア、欧州) ・CX-4(中国) ・CX-5(全世界) ・CX-9(北米)
 ・ロードスター(日本、北米、欧州)

 これだけの車種をラインで混流して、各工程のタクトタイム(工程工数)を揃えるのは至難の業だ。生産台数200万台を2024年には実現したいとするのなら、2つに分けるほうが自然であろう。ボルボのように台車を手押しする手もあるが、タクトタイムを調整しなければならない範囲はあるはずだ。全車種混流で全工程、完全なセル生産方式にすることはできまい。

 それほど無理をしてでも、経営において「平準化」のメリットは大きなものだ。まずは平準化のメリットを理解しておこう。

■平準化のメリット

 平準化のメリットを端的に理解するには、例えば、レストランでの平日でお客がほとんど入らない時と、休日の夕方など行列ができるほどである時をどのように見るかだ。どんなに暇な時があっても、最大級に忙しい時の準備をしておかねばならない。これは最大のコストなのだが、一年中備えていなければならないことになる。しかし、これは大変なムダでもあるので、設備や人件費でコストを変動できることになると、かなりのメリットが出ることになる。

 自動車製造においても、売れている時に合わせていてはコストが掛かりすぎるので、生産増減に合わせてコストも増減できれば大きなメリットとなる。そこで、売れている車種と売れない車種を混流が出来ると、かなり平準化できる。よって、混流させるために製造方法を共通化することに努力してきたのだが、マツダは200万台を目指す規模となり、今後の車種構成を考えると、ラージとスモールの2系統に分けたほうがメリットを出せると判断したのであろう。

 次はマツダの具体的展開を見てみよう。(kenzoogata)

続きは: マツダがスモールとラージに分けた訳(2) 「コモンアーキテクチャー」からの展開

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