関連記事
メタボの人に朗報か!「やせるホルモン」を分泌させる物質を製造 産総研
カチオン化したパラミロン誘導体によるメタボリックシンドローム改善効果の可能性について。(画像: 産業技術総合研究所の発表資料より)[写真拡大]
生活習慣病とされるメタボリックシンドローム患者が増えているが、そんなメタボな人に朗報が伝えられた。産業技術総合研究所は21日、アルチザンラボおよび神鋼環境ソリューションと共同で、ミドリムシ由来の多糖類(パラミロン)から水溶性高分子を作製し、メタボリックシンドロームに関連する指標を改善する効果を確認したと発表した。
【こちらも】自閉症にはなぜ肥満が少ないのか?九州大学などが解明
パラミロンは水に溶けない多糖類だが、カチオン性官能基を導入することで水溶性の誘導体とし、これを、高脂肪食肥満モデルのマウスに与えた。その結果、マウスの内臓脂肪量が減少し、体重増加の抑制作用を確認したという。また、インスリン抵抗性(インスリン本来の血糖コントロール機能がうまく働いていない状態)も改善された可能性があるとしている。
今後は、今回発見された作用メカニズムの解明を進めながら、大学などの研究機関や製薬企業を含めた新たな研究開発体制の構築に取り組む方針という。メタボリックシンドロームに関連する指標改善の詳細は、5月24~26日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開かれる第61回日本糖尿病学会年次学術集会で発表される。
近年、健康寿命を延ばすためのさまざまな取組が注目されている。その取組の大きな障害の一つとなっているのがメタボリックシンドロームと、それによる発症リスクが高まる疾病、とくに糖尿病である。糖尿病はさまざまな合併症を引き起こすが、糖尿病の三大合併症の一つとされる糖尿病腎症に至ると、血液透析などを行っても、その後の医学的見通しは不透明とされている。
これまでのメタボリックシンドロームの治療では、食事制限や運動療法が行われてきたが、その効果は、個人差が大きい。そのため、効率よく内臓脂肪を抑制する薬剤の開発が求められている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)
スポンサードリンク
スポンサードリンク
- 日本周辺海域の魚類が小型化 地球温暖化の影響 東大 3/ 5 09:15
- 非四肢細胞をリプログラミングして四肢前駆細胞へ 手足の再生医療に貢献 九大ら 2/14 15:20
- 日本の道路が変わる!? 日本初の走行中給電、実証実験が開始 2/11 17:34
- 尿の色を黄色にする酵素を特定 米メリーランド大ら 1/31 15:38
- 抗老化候補物質「NMN」、ヒトへの長期投与で安全性確認 老化疾病の予防に期待 慶大 1/30 09:17