米朝会談後の円【フィスコ・コラム】

2018年4月22日 08:30

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記事提供元:フィスコ


*08:30JST 米朝会談後の円【フィスコ・コラム】
来月にも行われる予定の米朝首脳会談で非核化交渉が進み始めた場合、円はどのような値動きになるでしょうか。「朝鮮半島の安定化が好感され円売り」と多くの市場関係者は考えるでしょう。ただ、想像以上に厳しい現実が待ち構えていそうです。

4月第2週は、トランプ政権にとっての分岐点となるイベントが相次ぎました。11日に共和党のライアン下院議長が今年11月の中間選挙への不出馬を発表し、翌12日はティラーソン国務長官の後任に指名されたポンペオ前中央情報局(CIA)長官が公聴会に出席。13日にはアメリカがイギリス、フランスとともに化学兵器の使用を理由にシリアへの軍事攻撃に踏み切りました。一見無関係のようですが、すべてつながっています。

ライアン議長は出馬見送りの理由を「家族と一緒にいたいため」としましたが、トランプ政権に同調したスタンスをとり続けると、今後の政治生命が危ぶまれると判断したようです。トランプ氏の弾劾の可能性を察知した可能性もあります。いずれにしても、中間選挙に不出馬の共和党議員はこれまでに40人を超え、トランプ政権から逃げ出す議員が増えています。ライアン氏のケースはその象徴といえるでしょう。

中間選挙まで半年あまり。共和党を立て直そうと、トランプ大統領は得点稼ぎに本腰を入れ始めました。国務長官就任前にポンペオ氏が平壌を極秘に訪れ金正恩氏と会談し、米朝首脳会談の6月までの実現に向け事前の交渉を行ったことが明らかになりました。目指すは、歴代大統領が実現できなかった北朝鮮の非核化です。それにより、北朝鮮を核開発で協力関係にあるイランから引き離す効果もあります。

一方、シリア空爆は、イランに対する警告の意味もあるようです。トランプ大統領は、オバマ政権時代に進められた欧米主要国とイランの核合意と制裁解除には批判的で、これまでイランのウラン濃縮活動の無期限停止や弾道ミサイルの開発制限を追加するよう求めてきました。アメリカの議会や各国が応じられない場合、5月12日を期限として核合意から一方的に離脱する方向です。これも中間選挙対策の一環です。

イランにしてみれば、トランプ政権が核合意から離脱すればトランプ政権が離脱すれば、核開発に関するアメリカとの約束は政権交代によって反故(ほご)にされることになります。イランのこうした現状を目の当たりにした北朝鮮は、いくら何でも非核化を決断するしないだろうというのが専門家の見立てです。米朝会談は実現するとしても、非核化交渉が暗礁に乗り上げれば失望のドル売り・円買いに振れるでしょう。

それでも、非核化交渉に進み始めた場合はどうなるでしょうか。日本は北朝鮮問題で歩調を合わせているアメリカから不均衡貿易の是正を迫られています。より緊密な関係を日本が望むなら、対米貿易黒字の是正に積極的に協力せざるを得ません。つまり、長期ドル安・円高トレンドは回避できない状況です。北朝鮮の非核化交渉が前進してもしなくても、円安に振れる余地は少ないといえそうです。《SK》

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