立花エレテックは自律調整一巡、18年3月期配当予想を2回目の増額修正、19年3月期も収益拡大期待

2018年4月10日 09:07

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

 立花エレテック<8159>(東1)は産業用機器・電子部品などを扱う技術商社である。需要が高水準に推移して18年3月期増収増益予想である。配当予想は4月9日に2回目の増額修正を発表した。19年3月期も収益拡大が期待される。株価は3月の上場来高値から反落したが、自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。

■産業用機器・電子部品を扱う技術商社

 産業用機器・電子部品などを扱う技術商社である。仕入先は三菱電機<6503>および三菱電機グループが合計で約7割を占め、外資系半導体メーカー、ルネサスエレクトロニクス<6723>が続いている。M&Aも積極活用して国内外で業容を拡大している。海外は子会社8社合計14拠点で、中国および東南アジアに展開している。

 17年3月期のセグメント別売上高構成比(18年3月期からの新セグメントに組み替え後)は、FAシステム事業59%(FA機器39%、FAシステムソリューション9%、産業メカトロニクス4%、産業デバイスコンポーネント7%)、半導体デバイス事業(半導体、電子デバイス)30%、施設事業(空調機器、LED照明、太陽光発電システム、昇降機)9%、その他(MS事業・他)4%だった。MS(マニュファクチャリング・サービス)事業は、金属加工の製造受託(MMS)と電子機器の製造受託(EMS)を統合した事業である。海外事業売上比率は13.9%だった。

 収益面では全体として企業の設備投資動向が影響し、第2四半期および第4四半期の構成比が高くなる季節特性もある。

 技術商社の強みを活かして海外ビジネスの拡大、グループシナジーの追求、事業領域の拡大、営業力強化と体質改善を推進している。6カ年中長期経営計画「C.C.J2200」では、2021年の創立100周年を見据えて確固たる基盤を持った電機・電子の一大技術商社を目指し、目標数値に21年3月期連結売上高2200億円(単体1400億円、国内子会社460億円、海外子会社440億円、消去100億円)、連結営業利益75億円を掲げている。

■18年3月期配当予想を2回目の増額修正、19年3月期も収益拡大期待

 18年3月期の連結業績予想(12月28日に増額修正)は、売上高が17年3月期比7.4%増の1720億円で、営業利益が14.1%増の59億円、経常利益が16.1%増の62億円、純利益が9.1%増の42億50百万円としている。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比14.2%増の1297億57百万円、営業利益が27.4%増の44億27百万円、経常利益が26.5%増の47億07百万円、純利益が20.2%増の32億19百万円だった。

 世界的な半導体業界の好調を背景に、半導体デバイス事業が大幅伸長した。また半導体・液晶製造装置関連および自動車関連の設備投資需要を背景に、主力のFAシステム事業も好調に推移した。売上総利益率は13.1%で0.2ポイント低下、販管費比率は9.7%で0.5ポイント低下した。

 FAシステムは12.7%増収、35.4%増益、半導体デバイス事業は20.0%増収、19.6%増益だった。施設事業は12.8%増収だが、利益率の高い物件が減少して80.9%減益だった。その他は9.5%減収で、営業利益は赤字だった。EMS分野の大口案件終息が影響した。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.4%、営業利益が75.0%、経常利益が75.9%、純利益が75.7%と順調である。通期ベースでも好業績が期待される。そして19年3月期も収益拡大が期待される。

 配当予想は4月9日に2回目の増額修正を発表した。前回予想(12月28日に増額修正)に対して期末6円増額し、年間40円(第2四半期末16円、期末24円)とした。17年3月期との比較では12円増配となる。予想配当性向は23.8%となる。

■株主優待制度は18年3月期末から導入

 株主優待制度は毎年3月31日現在の100株(1単元)以上保有株主を対象として、継続保有期間および保有株式数に応じてクオカードを贈呈する。18年3月期末から導入した。

■株価は自律調整一巡して上値試す

 株価は3月15日の上場来高値2300円から利益確定売り優勢で反落した。ただし自律調整の範囲だろう。

 4月9日の終値2048円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS168円39銭で算出)は約12倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は約2.0%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS2361円12銭で算出)は約0.9倍である。時価総額は約533億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が接近した。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【業績でみる株価】FCMは18年3月期大幅増収増益・増配予想で再増額の可能性(2018/02/20)
【株式評論家の視点】日本システム技術は第3四半期営業黒字転換、昨年9月の下値圏に届き値ごろ感(2018/02/08)
カチタスはニトリの家具・インテリア付き中古住宅の販売に期待感、2600円どころが下値圏(2018/02/13)
【編集長の視点】BEENOSは1Q流通総額の高進捗率を手掛かりに売られ過ぎの訂正買いが拡大し続急伸(2018/02/19)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事