新興市場見通し:主力株さえず直近IPO銘柄に短期物色、今週も2社上場

2018年4月7日 16:08

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記事提供元:フィスコ


*16:08JST 新興市場見通し:主力株さえず直近IPO銘柄に短期物色、今週も2社上場
先週の新興市場では、マザーズ指数は上値の重い展開となった。前の週にリバウンド基調だった流れを引き継いでスタートしたものの、時価総額上位銘柄を中心に値動きの悪さを嫌気した売りも出て伸び悩んだ。ただ、直近IPO銘柄の一角が活況を見せ、個人投資家の物色意欲は比較的強い印象だった。日経ジャスダック平均も一進一退の展開だったが、値動きの軽い材料株などが買われた。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.5%であったのに対して、マザーズ指数は-2.3%、日経ジャスダック平均は-0.0%だった。

個別では、ミクシィ<2121>が週間で5.1%安、サイバーダイン<7779>が同1.3%安、そーせいグループ<4565>が同0.1%安となるなど、マザーズ時価総額上位は全般さえない。売買代金上位にランクインした直近IPO銘柄のなかでは、アジャイルメディア・ネットワーク<6573>やファイバーゲート<9450>が週末にかけて売られ、週間でマイナスとなった。また、和心<9271>も換金売り優勢で週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。一方、直近IPO銘柄でもRPAHD<6572>、神戸天然物化学<6568>、SOU<9270>などは買いを集めた。SOUは国内運用会社の大量保有報告書提出が観測されている。また、旅工房<6548>もアドベンチャー<6030>による大量保有報告書提出で思惑買いが向かい、マザーズ上昇率トップとなった。ジャスダック主力ではハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同6.9%安となったものの、日本マクドナルドHD<2702>は同2.4%高と堅調だった。3月既存店売上高が28カ月連続のプラスとなった。売買代金上位ではニチダイ<6467>やカルナバイオサイエンス<4572>が利益確定売り優勢で大きく下げた。反面、日本ラッド<4736>などが買われ、買取王国<3181>が週間のジャスダック上昇率トップだった。IPOでは、4月3日上場のブティックス<9272>が公開価格の約2.4倍、4日上場のビープラッツ<4381>が同4.5倍となる高い初値を付けた。

今週の新興市場は、引き続き上値の重い展開となりそうだ。日経平均は内需・ディフェンシブ系銘柄への資金シフトなどで底堅さを見せているが、米NYダウが荒い値動きとなるなど外部環境の不透明感は拭いがたい。新興市場でも相場全体の地合いに左右されやすい主力株は手掛けづらく、直近IPO銘柄を中心とした短期物色中心の展開が続きそうだ。

今週は、4月9日にドーン<2303>、プロパスト<3236>、10日にANAP<3189>、11日に白鳩<3192>、12日にフィル・カンパニー<3267>、エディア<3935>、エルテス<3967>、13日にブロッコリー<2706>、串カツ田中<3547>、ロコンド<3558>、SHIFT<3697>、UUUM<3990>、ベイカレント・コンサルティング<6532>などが決算発表を予定している。提携効果への期待が強いフィル・カンパニー、足元で業績好調なSHIFTなどが注目されそうだ。

IPO関連では、4月10日にヒューマン・アソシエイツ・HD<6575>、11日にコンヴァノ<6574>がともにマザーズへ新規上場する。ヒューマン・アソシエイツ・HDは人材紹介事業、メンタルヘルスケア事業を展開し、追い風期待が強い。ネイルサロン運営のコンヴァノは公開規模に軽量感がある。ともに投資会社やファンドが大株主ながら警戒する向きは限定的で、強い初値形成が期待されているようだ。《FA》

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