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こんな医師こそ必要 「象印みまもりホットライン」誕生のきっかけ

2018年1月28日 07:56

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 パソコン上のPRコーナーで「象印みまもりホットライン」なる項目が目に入った。気になり調べてみた。

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 「みまもり」の役割を担うのは「iポット」なる無線通信機を内蔵した電気ポット。遠隔地で暮らす家族(契約者)の携帯電話やPCに「使用状況」がメールされる。そして1週間の動向がグラフ化され送付されてくる。つまり生活のリズムが把握できる。著しい変化が見て取れれば即座に対応することが可能になる。といった枠組みである。

 2001年3月に発売されたiポット、販売台数は累計で1万1000個を超えている。実はiポットの開発は、日頃から高齢者の介護に強い関心を有していたY医師からの「日用品を利用してお年寄りの日々の生活を見守る仕組みができないか」という象印への打診がキッカケだった。その背景には1996年4月に東京の下町で、病気の息子と介護をしていた2人の死体が1週間を経て発見されるという悲惨な事態があった。本人に取材をしていないので実名は避けるがY医師は打診に当たり「都会は今や過疎地。昔ながらの長屋の様なコミュニティを復活させたい」と語ったというが、「隣はなにをする人」という都会の過疎地化はいま更に進んでいるといえる。Y医師の様な市井のお医者さんがいまこそ、より多く求められているのではないだろうか。

 象印も賛同し、頭が未だ柔軟な入社間もない若手に「君ならどんな手を打つ」と預けた。試作機ができるまでにはさして時間はかからなかったという。だが同時に壁も立ちはだかった。配線問題。ポットと電話回線を直接つなぐという方法ではアレコレ不具合が生じ限界があった。一時、中断を余儀なくされた。しかし若手たちは決して諦めはしなかった。スタッフの一人の柔軟な頭が、ある新聞広告を見て「これだ!と閃いた」という。NTT西日本のモバイルに関する広告だった。早速わけを話し問い合わせた。相手側も「びっくり感はあったようだが、好感触を得られた」。課題解決に向かい再スタートが切られた。この手の話題というのは隠そうとしても漏れ広がるもの。「ネットサービスが絡むのなら」と富士通が第二の救世主として名乗りを上げた。三位一体でiポットは開発された。

 話はくどいかもしれないが、Y医師の打診がなければiポットは誕生していなかったかもしれない。ちなみに17年余の間に「夜遅く使う頻度が高くなると、体調不良の傾向が強い」「不規則に使われ始めると、認知症の兆候」といった類の経験的データも積み重なってきているという。(千葉明)

関連キーワード認知症高齢者介護過疎

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