欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米・独の政治動向を見極める展開

2018年1月19日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米・独の政治動向を見極める展開
今日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米政府機関の一部閉鎖に関する懸念から、米金利の上昇を手がかりとしたドル買いは一服の見通し。また、週末以降のドイツ政局に関連したユーロの値動きなどが注目され、売り買いは慎重になりそうだ。

米国の今年度予算編成などをめぐり与野党の対立が続いている。下院は現在の暫定予算の期限切れとなる19日を控え、来月までの暫定予算案を可決。一方、上院では移民政策に関する議論が紛糾しており、暫定予算案が上院で通過立しなければ政府機関の一部が閉鎖される見通し。

足元のドル・円は、米10年債利回りが2.63%台と約4年ぶりの高水準に切り上げたことでドル買いに振れやすいが、議会の混乱がドルの上値を押さえているもよう。報道によると、トランプ米大統領は政府機関の閉鎖の可能性は「非常に高い」との見解を示した。ただ、市場では、予算編成に関し週末にかけての解決を想定しているようだ。

もっとも、予算問題が収束しても、ドルを積極的に買い進める展開にはなりにくい。21日にはドイツ第2党の社会民主党(SPD)が、党大会でメルケル首相の率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との政権発足に関し決議する予定。党内反対派との折り合いがつけばユーロ買いに振れやすく、ドルに下押し圧力がかかるだろう。

また、22-23日に予定される日銀金融政策決定会合では「異次元緩和」の継続で円売りが見込まれるものの、25日の欧州中銀(ECB)理事会で現行の緩和的な政策を縮小するかどうかは不透明で、ユーロも買いづらい。先読み困難な状況から主要通貨の売り買いは小幅にとどまりそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・11月経常収支(季調前)(10月:+359億ユーロ)
・18:30 英・12月小売売上高(自動車燃料含む)(前月比予想:-1.0%)
・24:00 米・1月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(予想:97.0)
・03:00 ウィリアムズ米サンフランシスコ地区連銀総裁講演
・03:00 クオールズ米FRB副議長講演(銀行規制)
・米暫定予算が期限切れ《CS》

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