「築地銀だこ」運営のホットランド、米国子会社設立へ

2017年7月17日 08:10

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 たこ焼きチェーン「築地銀だこ」や、たい焼きチェーン「銀のあん」などを運営するホットランドは、14日に開催された取締役会において、米国子会社を設立することを決議した。

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 同社は「和のファーストフード」の展開を目指し、海外で多数のフードブランドを出店している。2004年12月に香港にて海外第1号店をオープンして以来、台湾・タイ・中国・マレーシアなどアジアを中心とした地域で出店を拡大してきた。今回、巨大市場である北米展開のための足掛かりとして、同社の100%子会社を米国カリフォルニア州に設立する。米国子会社の資本金は150万ドルで、日本円で約1億6,950万円。今月中には設立する見通しで、主力ブランド「築地銀だこ」を中心に同社ブランドを展開をする。

 ホットランドは、1991年に創業。2014年9月に東証マザーズに上場し、翌2015年9月には東証1部へ市場変更を行っている。上場後の業績は、売上は伸びているものの、利益は減少し、株価は2015年4月をピークに長らく低迷していた。

 2016年12月期は、売上は前年比1.9%と伸びてはいるものの既存店の売上高が前年割れで推移し、築地銀だこ以外の業態や新規事業分野のコスト増などにより営業利益は前年比29.3%減になるなど厳しい状況に置かれていた。

 今期は、年々売り上げを伸ばす主力事業である築地銀だこ事業に経営資源を集中させる方針を取り、ようやく業績改善に光が見えたようだ。2017年12月期の第1四半期決算では、売上・経常利益・営業利益・純利益すべてにおいて前年比を上回る数字を見せ、長く続いた低迷からの脱却への期待が高まり、株価も上昇を始めている。

 国内は人口減少・高齢化という構造的な背景から、店舗を出店し続けることは、限られた顧客を取り合うことになりかねず、売上拡大のためには海外展開が不可欠だ。創業20周年となる今期は、香港・台湾などの海外出店を拡大するとともに、北米市場への進出の第一歩を踏み出す。とはいえ、海外展開に関わるコストと、売上とのバランスを勘案しながらの舵取りを迫られ、安定成長の軌道に乗るまでは難しい局面は続きそうだ。(記事:高橋珠実・記事一覧を見る

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