稀勢の里が名古屋場所休場、ファン落胆 4横綱時代の行方は

2017年7月14日 19:10

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■稀勢の里が2場所連続での休場

 14日、横綱・稀勢の里が左足首を負傷したため、名古屋場所を休場する旨を発表した。先場所に引き続き休場することとなり、相撲ファンからの落胆の色は隠せない。先場所は、怪我をしながらも大逆転優勝をした3月場所の後の場所でもあったため、「休場は仕方ない」という見方も強かった。しかし、2場所連続ということになれば、厳しい意見も出てくるだろう。

 しかも3月場所で怪我をしたのが左肩付近だったのに対し、13日に勢と対戦して怪我した個所は左足首というのも不安材料である。違う個所が痛みだし、ついには引退ということにもなりかねないため、しっかり治してほしいところだ。

 逆を言えば、今回は「稀勢の里らしくない早めの判断」だったような気がする。「ファンに申し訳ない、自分に懸賞を出した人たちに申し訳がない」と言った思いを断ち切り、迅速な対応を見せた。

■上位陣に不安

 それでも名古屋場所の雰囲気は異質だ。初日に上位陣が相次いで負けた上、鶴竜、稀勢の里の2横綱、照ノ冨士の1大関が中日を待たずに休場している。これ以上休場が続くと「引退」という文字が頭にちらつくはずの鶴竜があっさり休場してしまった上、稀勢の里も照ノ冨士も怪我を押してでも出場するといったタイプの力士だからだ。

 こういったことが続いてしまうとせっかく火がついた相撲人気がまたすたれてしまうことが懸念される。しかも今回はそのついた火が大きすぎたため、落胆も大きくなることが予想される。

 怪我を完全に治してから出場すべきだという声もあった中、名古屋場所に強行出場した稀勢の里だったが、結果はそれが裏目に出た形となった。

■4横綱時代の行方は

 今回の前にあった「4横綱」時代では、曙、貴乃花、若乃花、武蔵丸の4横綱がそろって皆勤することはついに一度もなく、若乃花の引退により5場所で終わった。鶴竜も来場所の出場が分からない状況だが、復帰場所は進退をかけた場所になるだろう。前回のように4横綱がそろうことなく幕が閉じるようなことがないよう、稀勢の里にもまずは、怪我を完全に治してから復帰することを願いたい。

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