欧米為替見通し:ドル・円は下値の堅い展開か、ユーロのポジション調整にらみ

2017年4月20日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は下値の堅い展開か、ユーロのポジション調整にらみ
今日の欧米外為市場では、ドル・円は下値の堅い展開を予想したい。フランス大統領選を週末に控え、ユーロ・円のポジション調整による買い戻しに連動した値動きとなりそうだ。ただ、ドルには買い材料が乏しく、上昇は小幅にとどまろう。

23日のフランス大統領選第1回投票まであと3日に迫り、欧州連合(EU)離脱を掲げる国民戦線のルペン党首と中道系独立候補のマクロン前経済相が5月7日の決選投票に勝ち進む、とのメインシナリオに不透明感が増している。直近の支持率調査で、急進左派・左翼党のメランション元共同党首への支持が急速に広がっているためだ。メランション氏もルペン氏同様、EU離脱を掲げており、ユーロの先行きを懸念した売りが強まった。足元では地政学リスクによる円買いもあって、ユーロ・円は今週に入って一時115円を割り込む場面もあった。

ただ、ある外為ディーラーはユーロ・円について「いくらリスクがあるからといって、この水準は低すぎる」と指摘。本日のアジア市場では116円後半まで戻しているが、週末に向けポジション調整による買い戻しの余地を見込む。今晩の欧米市場ではユーロのショートカバーが注目されそうだ。一方、ドル・円については、トランプ米大統領の低金利支持発言で、連邦準備理事会(FRB)の利上げペースは年3回から2回との見方が市場に広がり始めた。このため、今晩21時のパウエルFRB理事の講演でタカ派寄りの見解が示されても、積極的なドル買いは手控えられる可能性がある。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・21:00 パウエル米FRB理事講演(経済成長と資本市場)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:24.0万件、前回:23.4万件)
・21:30 米・4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:25.5、3月:32.8)
・23:00 米・3月景気先行指数(前月比予想:+0.2%、2月:+0.6%)
・G20財務相・中銀総裁会議(ワシントン、21日まで)《SK》

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