【どう見るこの相場】急落続く日経平均の行方

2016年1月21日 09:21

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

年初から下げていた日経平均は一時、下げ止まりを見せたが、20日は600円を超す暴落で再び下げがきつくなってきた。参加者は、アベノミクスで上昇相場に慣れてきたが、ここに来て曲がり角を迎えているようだ。

年初から下げていた日経平均は一時、下げ止まりを見せたが、20日は600円を超す暴落で再び下げがきつくなってきた。参加者は、アベノミクスで上昇相場に慣れてきたが、ここに来て曲がり角を迎えているようだ。[写真拡大]

■日経平均また急落、日足・週足のチャートテクニカル通用せず月足で相場基調を考えるところ

 年初から下げていた日経平均は一時、下げ止まりを見せたが、20日は600円を超す暴落で再び下げがきつくなってきた。参加者は、アベノミクスで上昇相場に慣れてきたが、ここに来て曲がり角を迎えているようだ。

<Q>もう下げ止まるだろうと、知人の投資家は押し目買いした人は多いようだが、また下げた。どうなっているんだ。

<A>20日の日経平均は終値(632円安の1万6416円)で昨年9月29日(1万6930円)の中国ショック第1章の安値を下回った。さらに、聞きたくないだろうが、場中値では20日は1万6387円まで下げ、昨年1月の1万6592円を切って昨年来安値を更新した。たしかに、個人投資家は年初第1週だけで約5800億円買い越し、4週間ぶりに買い越しに転じるなど押し目買いを活発化させていた。

<Q>テクニカルチャートを武器にしている知人は、テクニカル的には底を打つところと言っているが。

<A>テクニカルは重要だが、今は、日足、週足でのテクニカルではなく、年足や月足での対応が必要のように思われる。最も注意すべきは、日経平均の月足が24カ月線を割りかけているということだ。もしも、下回れば2012年暮れの安倍政権スタート以来で初めてとなり、アベノミクスに対する成否が問われる状況となってくる。20日時点では24カ月線を約1060円下回っている状況だ。重要なのは月末値だから、仮に、日銀の金融支援政策があれば急反発も予想され24カ月線は維持できる可能性はある。ここから、月末までの7営業日が非常にポイントになってくる。

<Q>可能性はどうか。

<A>日銀が動くかどうか、こればかりは分からない。しかし、日銀の金融支援以外は相場を反発させる材料は見当たらない。最近の相場で気になるのは、指摘の通りチャート・テクニカルが通用しないということだが、この背景には、恐らく、オイルマネー等の相場にお構いなしの実弾売りが出ているように思われる。いわゆるチャート破りといわれる動きだ。

<Q>なぜ、今ごろオイルマネーの売りが出るのか。

<A>原油相場が1バレル・28ドル台へ急落していることで産油国は収入減となっているはずだ。産油国の生活は豊かになっているので国の支出も大きく増えているはずで、結果、産油国は資金不足から株、国債などを売っているのではないかと想像される。従って、オイルマネーの売りが、どこで一巡するかを見守るより仕方ない。ただ、どこかの時点で、日経平均が1000円近い急反発をするときがくれば、それはオイルマネーの売り尽くしといえるだろう。

<Q>もしも、1月末に日経平均が24カ月線を割った場合はどうなるか。

<A>考えたくはないが、その場合は、2012年末からの上げ相場は終り、中期的な調整相場に移ることが予想される。安倍政権スタートの12年暮れ頃の日経平均は約9300円で、そこから15年6月の2万0952円まで約1万1600円、率で約2.2倍に上昇した。上げ幅の3分の1押しは約1万7900円だが、既に下回っているから次は半値押しの1万5150円程度が下値の目安ということになる。以前にも紹介したが、原油相場からみた世界景気は、「厳しい冬景色」の状況だから、日本のアベノミクスが不振の世界景気の中でどう頑張ることができるかが問われる相場と位置づけることができるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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