【アナリスト水田雅展の銘柄分析】カーリットホールディングスは調整一巡して上昇トレンドに回帰、6月高値を目指す

2014年11月28日 11:25

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 自動車用緊急保安炎筒などを展開するカーリットホールディングス <4275> の株価は、10月17日の直近安値518円から切り返しの展開となり、11月26日には604円まで上伸して9月の戻り高値603円を上抜けた。調整が一巡して上昇トレンドに回帰した形であり、低PBRも支援材料として6月高値685円を目指す展開だろう。

 純粋持株会社として、日本カーリットから株式移転により設立され、13年10月東証1部市場に上場。化学品事業(産業用爆薬、自動車用緊急保安炎筒、信号炎管、危険性評価試験受託、電池試験受託、化成品関連、電子材料・機能性材料など)、ボトリング事業、産業用部材事業(半導体用シリコンウェーハ、研削材、耐火・耐熱金物、各種スプリングなど)を展開している。

 自動車用緊急保安炎筒は新車装着用・車検交換用を展開し、国内市場シェアは約8割と想定されている。ボトリング事業は伊藤園 <2593> 向けが主力だ。半導体用シリコンウェーハは小口径4~6インチのニッチ市場を主力としている。そして海外は中国・上海、シンガポールに展開している。

 前中期経営計画「飛躍500」では「事業領域の拡大、市場の拡大、シェアの拡大という、3つの拡大戦略により売上高500億円の化学会社への成長」を基本方針として、グループ収益基盤と総合力強化に向けたM&A戦略を積極展開して事業を多様化してきた。

 13年10月に一級建築士事務所の総合設計を子会社化し、上下水道・排水処理施設設計分野に進出した。14年2月には東洋発條工業を子会社化した。自動車・建設機械向けを中心とした各種スプリング分野に展開し、耐火・耐熱金物の並田機工などと合わせた産業用部材事業を新たな収益柱とする方針だ。

 今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(5月15日公表)を据え置いて売上高が前期比18.0%増の470億円、営業利益が同0.3%増の16億円、経常利益が同1.4%増の17億円、純利益が同28.1%減の9億円、配当予想が前期と同額の年間10円(期末一括)としている。M&A効果も寄与して大幅増収見込みだ。

 第2四半期累計(4月~9月)の連結業績は、日本カーリットの前年同期との比較で売上高が16.0%増の222億19百万円、営業利益が63.7%減の2億13百万円、経常利益が60.3%減の2億54百万円、そして純利益が25.7%減の2億83百万円だった。

 売上面では、自動車用緊急保安炎筒は新車装着用が新車の消費増税前駆け込み需要の反動影響、車検交換用が車検台数の落ち込みの影響で減収となり、ボトリング事業は飲料市場が天候不順の影響で低迷したため減収だったが、新規事業の2次電池充放電受託試験を本格開始し、産業用部材事業での新規顧客獲得や東洋発條工業の新規連結も寄与して増収だった。利益面では新規連結子会社取得によるのれん償却や販管費の増加で減益だった。

 なお期初計画との比較でみると、営業利益と経常利益は期初計画をやや下回ったが、売上高は期初計画を上回り、純利益は保土ヶ谷工場跡地譲渡による固定資産売却益が寄与して計画を上回った。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は低水準だが、通期ベースでは緊急脱出用ガラス破壊器具付き自動車用緊急保安炎筒「ハイフレヤープラスピック」の拡販、2次電池充放電受託試験の本格稼働、工業薬品のシェア拡大、光機能性材料の車載用・建材用熱線遮蔽フィルムの販売開始、ホット飲料の増産体制構築、並田機工のごみ焼却場向け新商品投入、新規連結の東洋発條工業の寄与などで挽回が期待される。M&A戦略も奏功して中期的に収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、10月17日の直近安値518円から切り返しの展開となり、11月26日には604円まで上伸して9月の戻り高値603円を上抜けた。調整が一巡して戻り歩調の展開だ。

 11月27日の終値595円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS43円71銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.7%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS922円98銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から反発し、13週移動平均線がサポートする上昇トレンドに回帰した形だ。低PBRも支援材料として6月高値685円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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