ティムコ、26年11月期営業赤字も先行投資、27年11月期の収益回復に期待し株価は調整一巡

2026年11月9日 07:51

 ティムコ<7501>(東証スタンダード)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売を展開している。フィッシング用品分野ではフライフィッシングのパイオニアであり、アウトドア用品分野ではオリジナル衣料ブランドFoxfireを主力としている。また国産の熊撃退スプレー「熊一目散」を販売している。筆頭株主となった堅果シナジー投資事業有限責任組合の協力を得てグローバル展開およびDX化を推進する方針で、26年9月には中国に子会社の厦門特美戸外科技有限公司を設立した。26年11月期は成長に向けた先行投資で営業赤字だが、積極的な事業展開で27年11月期の収益回復を期待したい。株価は反発力が鈍くモミ合う形だが、1倍割れ低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売

 フィッシング用品(ルアーフィッシング用品、フライフィッシング用品)およびアウトドア用品(アウトドア衣料・用品)の企画・開発・販売事業を展開している。フィッシング用品の分野では、日本では歴史の浅いフライフィッシングのパイオニアであり、竿から衣料品に至るまで全てのフライ用品を取り扱う唯一の企業であることなどを特徴・強みとしている。アウトドア用品の分野では、自社オリジナルブランドのアウトドア衣料ブランドFoxfireを主力としている。

 TOBによって筆頭株主となった堅果シナジー投資事業有限責任組合と、26年6月に協調体制構築で合意した。堅果シナジー投資事業有限責任組合の協力を得てグローバル展開およびDX化を推進する。そして中国における事業展開(中国国内におけるフィッシング用品・アウトドア用品のECによる販売等)を見据えて、26年9月に中国に子会社の厦門特美戸外科技有限公司を設立した。

 25年11月期のセグメント別売上高はフィッシング事業が8億56百万円、アウトドア事業が23億40百万円、その他(不動産賃貸収入)が21百万円、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)はフィッシング事業が2百万円の損失、アウトドア事業が78百万円、その他が14百万円、全社費用等調整額が▲1億88百万円だった。

 なお全社ベースの売上高の新製品比率は12.2ポイント低下して44.9%、自社企画品比率は0.6ポイント上昇して95.0%となった。自社EC売上高(アウトドア用品に加えてフィッシング用品も開始)は22.0%増の1億51百万円、自主管理EC売上高(自社EC+ECモール等)は13.1%増の3億34百万円だった。輸出売上高(主にフィッシング用品)は0.3%増の1億57百万円、輸出比率は横ばいの4.9%だった。仕入金額は11.1%増の19億90百万円、仕入の輸入金額は19.3%増の2億10百万円、仕入の輸入比率は0.8ポイント上昇して10.6%だった。

■体験型施設の共同事業

 21年11月に同社、スノーピーク、アイビック、アイビック食品の4社共同で、キャンプ・フィッシング・食を融合した体験型施設などを展開するキャンパーズアンドアングラーズ(以下、C&A)を設立した。その後、23年4月には複合リゾート「エンゼルフォレスト白河高原」内に、スノーピークの直営店スノーピーク白河高原とのコラボショップとして、フィッシングエリア併設直営店Foxfire白河高原を開業した。23年9月には、C&Aが体験型アウトドアショップ第1号店「C&A北広島店」(北海道北広島市)をオープンした。

 24年4月には群馬県上野村、上野村漁業協同組合、スノーピークおよび同社の4者が、上野村の地域循環共生圏の実現に向けた包括連携協定を締結した。関東でも屈指の清流として知られる神流川など、河川環境や自然環境といった村のフィールドを活かした体験イベントなどを企画する。なお25年3月にスノーピークとの資本提携を解消したが、業務提携は継続する。

■顧客接点の強化、EC分野の拡大、海外展開を推進

 中期的な業績目標値としては、28年11月期売上高40億29百万円、営業利益1億97百万円、営業利益率4.9%、1株当たり利益(EPS)47円65銭、株主資本利益率(ROE)2.7%を掲げている。重点項目としては顧客接点の強化、EC分野の拡大、海外への展開を推進する。この重点3項目の具現化に向けて25年12月1日付で組織変更(プロモーション、EC、海外展開の各チームを独立させて本社直轄)を実施した。

 顧客接点の強化では、部門個別に行っていたプロモーションを全体一体で実行するなど、新組織によってTIEMCO全体のプロモーション品質の底上げを図り、会員数を現在(25年11月期)の約6万人から28年11月期に10万人へ拡大(当初は29年11月期に10万人を目標としていたが、25年11月期の初年度目標を達成したため、最終年度目標を1年前倒し)することを目指す。なお3月28日に東京たま未来メッセ(東京都八王子市)で開催されるイベント「HIKERS SUMMIT」に出展する。

 EC分野の拡大では、自社ECと外部ECの連動による自主管理(自社+他社)ECの拡大、グローバルECの展開などの施策により、自主管理EC比率を25年11月期の10.4%%から28年11月期に約16%へ、さらに将来的には25%へ引き上げることを目指す。

 海外への展開では、フライ用品の輸出強化、ルアー用品の欧米市場向け拡大などの施策により、輸出比率を現在の4.9%から3年後に8.3%へ引き上げることを目指す。

 なお22年11月末時点の流通株式時価総額がスタンダード市場における上場維持基準に適合しない状況となったため、23年2月24日に上場維持基準適合に向けた計画書を発表、24年2月に計画期間の変更を発表した。企業価値の向上(時価総額の増大)に向けて業績の向上を図るため、基本戦略である顧客接点の強化、EC分野の拡大、海外への展開を推進するほか、フィッシング事業とアウトドア事業の相互の有機的連携を強化し、全社的な収益力向上に取り組む。さらにIR活動をいっそう強化して、投資家や株主とのコミュニケーションを高める方針だ。また堅果シナジー投資事業有限責任組合がTOBによって同社の筆頭株主となったことにより、同社の流通株式比率は東証スタンダード市場における上場維持基準の25%を下回ることになるが、本公開買付は同社の上場廃止を企図したものではないため、今後も同社は上場維持に向けた施策に取り組む。

■26年11月期は先行投資で営業赤字予想

 26年11月期の業績予想(非連結、26年7月10日付で非開示に変更していたが26年10月9日付で公表)は、売上高が前期比8.8%増の35億02百万円、営業利益が75百万円の損失(前期は98百万円の損失)、経常利益が63百万円の損失(同85百万円の損失)、当期純利益が1億03百万円の損失(同1億28百万円の損失)としている。配当予想は前期と同額の12円(期末一括)としている。

 TOBで筆頭株主となった堅果シナジー投資事業有限責任組合の協力を得て、グローバル展開およびDX化に向けて準備を進める。その施策の一つであるグローバル展開を進めるにあたり、26年9月1日付で中国に子会社の厦門特美戸外科技有限公司を設立した。また自社アウトドアブランド「Foxfire」について、26年10月下旬より中国および欧州に向けたEC販売を開始する。これに伴って広告宣伝費などの初期費用が発生する。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比12.2%増の26億13百万円だが、営業利益が68百万円の損失(前年同期は88百万円の損失)、経常利益が58百万円の損失(同80百万円の損失)、四半期純利益が86百万円の損失(同1億02百万円の損失)だった。

 営業赤字が縮小した。仕入原価上昇や一部滞留商品の値引き販売などで売上総利益率が低下したほか、臨時株主総会開催(26年8月25日)などで販管費が増加したが、増収効果で吸収した。なお堅果シナジー投資事業有限責任組合によるTOBに伴い、アドバイザリー費用や特別委員会に要した費用など14百万円を公開買付提案対応費用として特別損失に計上した。

 フィッシング事業は売上高が22.3%増の8億16百万円、営業利益(全社費用等調整前)が45.6%増の35百万円だった。大幅増収増益だった。国内は厳しい状況が続いたが、輸出販売の強化に加えて円安も寄与した。フライ用品は輸出が好調だったが、一部の商品に欠品が生じたため微増収にとどまった。ルアー用品は高価格帯のロッド(釣竿)が苦戦したが、ルアー(擬似餌)の販売が国内、輸出とも好調に推移した。また25年5月に販売開始した国産の熊撃退スプレーが好調だった。

 アウトドア事業は売上高が8.3%増の17億83百万円、営業利益が96.5%増の41百万円だった。期初の冬季の寒気の影響により防寒衣料や防寒小物の販売が順調だった。

 その他(主に不動産賃貸収入売上)は、賃貸面積減少により売上高が12.0%減の13百万円、営業利益が17.5%減の7百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高8億60百万円で営業利益22百万円の損失、第2四半期は売上高10億円で営業利益24百万円、第3四半期は売上高7億53百万円で営業利益70百万円の損失だった。

 26年11月期業績は成長に向けた先行投資で営業赤字だが、前期との比較では営業赤字が縮小する見込みだ。積極的な事業展開で27年11月期の収益回復を期待したい。

■株主優待制度は毎年11月末

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は、毎年11月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じてFoxfire Store20%OFFお買物優待券を贈呈している。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍くモミ合う形だが、1倍割れ低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。11月6日の終値は1350円、今期予想配当利回り(会社予想の12円で算出)は約0.9%、前期実績PBR(前期実績のBPS1763円06銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約45億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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