iOS 27.3パブリックベータ公開、日本語対応の刷新版ヘルスケアアプリが再登場

2026年11月7日 20:19

Appleは米国時間2026年11月5日、iOS 27.3の最初のパブリックベータを公開した。9to5Macによると、iOS 27.2のテスト中に一時提供されていた刷新版「ヘルスケア」アプリが再登場した。無料のApple Beta Software Programに参加し、対応するiPhoneを登録すると試用できる。

刷新版アプリは日本語にも対応し、日々の健康情報をまとめる「インサイト」、長期的な傾向を分析する「ロンジェビティ」、実年齢と健康指標を比較する「ヘルス年齢」を備える。Appleは年内に無料のソフトウェアアップデートとして提供する方針を示している。

■ヘルスケアアプリが日本語を含む11言語に対応

Appleは9月9日、Apple Watch Series 12などとともにヘルスケアアプリの刷新を発表した。MacRumorsによると、刷新版は9月に始まったiOS 27.2のベータテストで提供され、10月13日の開発者向けベータ4で取り下げられた。

Appleは11月3日、iOS 27.3の開発者向けベータで刷新版を提供すると発表した。対応言語は日本語、英語、中国語の簡体字と繁体字、フランス語、韓国語、ノルウェー語、ポルトガル語、スペイン語、トルコ語、ベトナム語の11言語となった。

新しいインサイトタブは、心臓、睡眠、準備度、フィットネス、バイタル、周期記録の情報をまとめ、要約を一日を通して更新する。Appleによると、「For You」セクションでは個人のデータに合わせた提案や関連記事も表示する。日々の記録を、生活習慣を見直すための情報として読み取りやすくする設計だ。

ロンジェビティタブでは、心臓の健康、睡眠、心の健康、身体の動き、代謝の健康、聴覚、栄養の7領域について、長期的な指標を分析する。その中のヘルス年齢は、Apple Watchから得た最大酸素摂取量(VO₂ max)、安静時心拍数、睡眠、心拍変動などを使い、健康指標の推移を実年齢と比較して示す。A1cやLDLコレステロールなどの臨床検査データも分析に取り込める。

健康状態を年齢に置き換えて示す指標は、ウェアラブル機器のサービスにも広がっている。テクノロジーメディアのT3によると、OuraはCardiovascular Age、WHOOPはWhoop Ageを提供している。Appleは、こうした長期的な健康の把握を、日々の情報を集めるヘルスケアアプリに組み込む。

■自宅での運動機能評価とデータ保護

刷新版には、自宅で運動機能を評価する機能も含まれる。Appleによると、iPhoneのカメラとApple Watchを利用し、柔軟性、筋力、バランス、身体の動き、最大酸素摂取量を評価して、音声や画面でその場のフィードバックを得られる。

カメラを使う評価には、臨床専門家と共同で開発した視覚ベースのAIモデルを利用する。Appleは、処理はすべてデバイス上で行われ、映像を記録、保存、共有しないと説明している。最大酸素摂取量を推定するテストには、Apple Watchのほか、AirPods Pro 3または他社製の心拍数測定機器を利用できる。

ヘルスケア情報を要約するApple Intelligenceの処理について、Appleは、多くの場合はデバイス上で完結すると説明する。より大きな計算能力が必要な場合は、一部の情報をプライベートクラウドコンピューティングに送信することがある。同社によると、そこで処理するデータはリクエストへの応答にのみ使われ、処理後は保持されず、Appleもアクセスできない。

■利用条件と最大酸素摂取量の研究

刷新版ヘルスケアアプリは、最新ソフトウェアを搭載したApple Intelligence対応のiPhoneとiPadが対象で、一部の機能はiPhoneに限られる。Appleの対応機種案内では、iPhone 15 Pro/15 Pro Max、iPhone 16以降のモデル、iPhone Air、iPhone Duoが対象に含まれる。ヘルス年齢にはApple Watchが必要で、一部機能には18歳以上という条件もある。

利用できる機能は地域や言語によって異なる。対応端末では、Apple Intelligenceを有効にし、デバイスとSiriを同じ対応言語に設定する必要がある。ベータ版を導入する際は、OSの対応機種と、試したいAI機能の利用条件を併せて確認したい。

最大酸素摂取量の推定については、2025年5月に学術誌PLOS ONEで公表された検証研究がある。研究チームは2023年12月から2024年7月に調査を行い、解析対象の28人についてApple Watchの推定値と呼気ガス分析による測定値を比較した。平均絶対パーセント誤差は13.31%で、Apple Watchの推定値は平均で6.07mL/kg/分低かった。

米国心臓協会は、全身持久力を臨床の重要な指標として評価することを提唱している。最大酸素摂取量は、その把握に用いられる指標の一つだ。ヘルス年齢は、この推定値に睡眠や心拍数などを組み合わせ、個人の健康状態の変化を追うための情報として提示する。

■Safariの縦型タブとSiriの操作拡大

Safariでは、開いているタブを画面の横に並べる縦型タブが加わった。Macworldによると、対象はmacOS 27.3、iPadOS 27.3、iOS 27.3を搭載するiPhone Duoである。多くのページを開いている場合も、横方向のタブ列に代えてサイドバーで管理できる。

Safariには、独自のダークテーマを持たないウェブサイトを暗い配色に変えるAdaptive Dark Modeも追加された。AppleInsiderによると、背景を暗くし、文字のコントラストやロゴ、画像などを調整する。iPhoneとMacで利用でき、サイト側がこの表示変換を制御する仕組みもある。

Siri AIは、Apple純正アプリで実行できる操作を増やす。9to5Macによると、プレイリストの作成と保存、iMessageの送信予約、ジャーナルへの記録作成などを頼めるようになった。MacRumorsは、繁体字中国語、ノルウェー語、トルコ語、ベトナム語への対応もベータ版の変更点として挙げている。

Appleは11月3日の開発者向け案内で、Siri AIは英語、フランス語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語に対応し、新たな4言語にも間もなく対応すると説明した。これらを合わせると10言語となる。Siri AIにはApple Intelligence対応端末が必要で、13歳未満のユーザーは利用対象外だ。

同日、AppleはApp Intentsを通じて他社製アプリをSiri AIと連携させる開発者プレビューも開始した。配達状況の確認や予約、注文など、開発者が実装した操作を自然言語で呼び出せるようにする。Appleは、こうした連携に対応したアプリのApp Storeへの申請受付を2027年春に始めるとしている。

Appleの案内では、Siri AI、インテリジェントな写真編集ツール、Image Playground、ショートカットのAFM 3 Cloudモデルなど、サーバー側のモデルに依存する一部機能には1日の利用制限がある。上限は機能や処理の複雑さ、システムの需要などで変わる。Appleは将来、利用枠の拡大を有料で提供する予定だ。

■片手操作、スタンバイ、Fitness+も更新

日本で10月23日に発売されたiPhone Duoには、7.6インチの内側ディスプレイと5.4インチの外側ディスプレイがある。MacRumorsによると、iOS 27.3では幅の広い外側画面の片手操作を助ける「簡易アクセス」が加わる。表示内容を左右に移して親指を届きやすくでき、設定は「アクセシビリティ」の「タッチ」から変更する。

MacRumorsによると、iPhone Duoで導入されたスタンバイの表示機能も、iOS 27に対応する他のiPhoneへ広がる。アナログ時計とデジタル時計では、色やコンプリケーションをより細かく設定できる。写真表示の更新に加え、カレンダーや天気の表示、同じ種類の表示を複数作って切り替える機能も含まれる。

Apple Fitness+には、筋力トレーニング計画を作る「Gym Strength」が加わった。MacRumorsによると、目標、経験、予定、利用できる器具に合わせて4週間の計画を作り、前週の進捗を基に次週の内容を調整する。Fitness+加入者向けに、iOS 27.3、iPadOS 27.3、watchOS 27.3のベータ版で提供されている。

Gym Strengthでは、トレーナーの短い実演動画を確認できるほか、Apple Watchで種目、反復回数、重量を記録できる。動画に合わせて進めるワークアウトに加え、ジムで自分のペースで取り組む筋力トレーニングも支援する仕組みだ。Apple Fitness+自体は、日本でも2026年1月21日から提供されている。

■公開時期とベータ版の導入方法

MacRumorsによると、iPhone Duoは専用のiOS 27.1を搭載して出荷され、10月26日のiOS 27.2で他の対応iPhoneと同じバージョンになった。その後、11月3日にiOS 27.3の開発者向けベータが登場し、2日後にパブリックベータが続いた。

Appleは刷新版ヘルスケアアプリを年内に提供する方針を示している。iOS 27.3正式版の具体的な公開日は、11月6日時点では発表されていない。AppleInsiderは12月の公開を見込んでいる。

試用する場合は、まずiCloudまたはMacでiPhoneをバックアップし、端末で使っているApple Accountで無料のApple Beta Software Programに登録する。9to5Macが案内する手順では、「設定」から「一般」「ソフトウェアアップデート」「ベータアップデート」と進み、「iOS 27 Public Beta」を選ぶ。

その後、「ソフトウェアアップデート」に戻り、iOS 27.3が表示されたら更新を開始する。すでにパブリックベータを利用している場合は、ソフトウェアアップデートから確認できる。Appleは、ベータ版には不具合や正常に動作しない可能性があるとして、事前のバックアップと、メイン端末以外へのインストールを勧めている。

今回のiOS/iPadOS 27.3ベータ1のビルド番号は24C5037iで、11月3日の開発者向けベータと同じだ。iClarifiedによると、11月5日にはmacOS Golden Gate 27.3、tvOS 27.3、watchOS 27.3などのパブリックベータも公開された。

AppleInsiderが確認した11月3日の開発者向けベータ1のビルド番号は、macOSが26C5035r、tvOSが24K5286g、watchOSが24S5284h、visionOSが24N5286rとなる。パブリックベータへの参加と、開発者向けベータの配布は、それぞれの提供対象に応じて案内されている。

元記事: Health App Redesign Lands in iOS 27.3 Public Beta With Health Age and New Languages

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