Garmin「Descent X10」、日本で12月中旬発売 54,800円の入門向けダイブコンピューター
2026年11月5日 19:19
ガーミンジャパンは2026年11月5日、ダイブコンピューター「Descent X10(ディセント エックス10)」を12月中旬に発売すると発表した。国内価格は54,800円(税込)。初心者の個人利用に加え、ダイブスクールやショップでのレンタル運用を想定したエントリーモデルだ。
2.1インチのモノクロMIPディスプレイを搭載し、同社によるとダイビングモードで約50時間、スタンバイで約6カ月稼働する。深度による無減圧潜水時間の変化を示す「NDL Aware」や、貸し出す相手に合わせて設定・リセットできるレンタルモードを備える。
■初めての個人用にも、スクールの貸し出し用にも
Descent X10は、潜水中に必要なデータの読みやすさと、基本機能へのアクセスを重視した製品だ。大きな文字とバックライトを備え、深度、潜水時間、水温、無減圧潜水時間などを手元で確認できる。
個人用ダイブコンピューターを持つ利点には、操作への習熟と継続的な潜水記録がある。PADIは公式ブログで、自分の機器なら操作を覚えやすく、ログの保存にも役立つと説明している。SSIの教材も、機器が個人ごとの潜水履歴に基づいて減圧計算を行うことを説明している。
上位機のDescent X30は、2025年9月25日に発表された2.4インチのカラー画面搭載モデルで、マルチガスやトライミックスに対応する。米国発売時の希望小売価格は749.99ドル(約11万8000円)で、100mのダイブ対応と最大30時間のバッテリー駆動をうたう。
Descent X50iは、3インチのカラータッチスクリーンと200mのダイブ対応を備え、米国発売時の希望小売価格は1499.99ドル(約23万7000円)だった。別売りの対応トランシーバーとの組み合わせで、タンク圧の確認やSubWaveによるダイバー間メッセージ送信ができる。タッチ操作は水面上で使用する仕様だ。
■モノクロMIPと約50時間のバッテリー
X10の画面は、画素内にメモリーを持つMIP方式の液晶ディスプレイだ。日本向け発表では、2.1インチ、240×320ピクセルのモノクロ表示とされている。水中や太陽光下での視認性に配慮し、バックライトは深度やボタン操作に応じて点灯する。
シャープの技術資料によると、メモリ液晶は各画素に画像データを保持することで、静止画表示中のデータ更新を減らし、低消費電力で駆動できる。表示を維持するための回路動作や電源供給を含め、少ない電力で画面を保つ仕組みである。
Garminが公表するX10の稼働時間は、ダイブモードで最大50時間、スタンバイで最大6カ月だ。1日2回、各60分の潜水を7日間行う場合、合計潜水時間は14時間になる。まとまった日程のダイブ旅行や、複数台を運用するショップにとって、充電頻度は管理上の判断材料となる。
内蔵メモリーは120MBで、ダイブログを最大200本保存できる。記録はGarmin Diveアプリへ同期し、潜水後にスマートフォンで振り返ったり、共有したりできる。
■深度と残り時間の関係を示すNDL Aware
NDLは、現在の条件で、必須の減圧停止を伴わずに浮上できる潜水時間の目安だ。深度や、それまでの潜水によって変化する。NDL Awareは、その残り時間と深度の関係を判断しやすくする機能である。
Garminの技術解説によると、現在位置から3m浅い場所、または3m深い場所へ移動した場合のNDLを表示する。同社の説明例では、残り5分のNDLが、3m浅くなると10分に、3m深くなると4分になる。表示を見比べることで、小さな深度変更が残り時間にどう影響するかを把握できる。
X10の減圧計算には、グラディエントファクターを用いたビュールマンZHL-16Cモデルを採用する。このモデルは、不活性ガスの吸収・排出速度が異なる16の仮想的な組織区分を使い、潜水履歴からガスの蓄積と排出を計算する仕組みだ。
減圧症は、周囲の圧力が下がる過程で、体内に溶け込んだ不活性ガスが気泡を形成することに関係する。NDL Awareは、こうした減圧管理に用いる計算結果を、深度を変えた場合の予測として提示する。単に残り時間を読むことに加え、深度と時間の関係を理解する手掛かりになる。
■3つのダイブモードとスマートフォン連携
対応モードは、単一ガスのスキューバ、アプネア、ゲージの3種類だ。単一ガスモードは空気に加え、酸素濃度21〜40%のナイトロックスにも対応する。アプネアは息を止めて潜るフリーダイビング用で、ゲージは深度と時間を確認・記録する用途に使う。
マルチガス、トライミックス、CCR(閉鎖回路式リブリーザー)を使う潜水には、対応した上位機などが選択肢となる。X10は、単一ガスのレクリエーショナルダイビングを中心に、用途を絞った構成だ。
BluetoothでiPhoneやAndroidスマートフォンのGarmin Diveアプリと接続する。ダイブログの自動アップロード、場所のタグ付け、器材の使用状況の管理に対応し、エントリー/エキジット地点の自動記録にはスマートフォンとのペアリングを利用する。
ダイビング前には、アプリと連携するダイブシミュレーターモードも使える。水深、浮上・潜降速度、経過時間などを設定し、警告や安全停止の表示を事前に確認できる。操作の練習や、講習前のブリーフィングにも活用できる機能だ。
■レンタルモードで貸し出しの準備を簡素化
レンタルモードでは、ダイブスクールやショップ、チャーター運営者が、利用者のスキルに合わせて機器を設定できる。利用者が替わる際には、すばやくリセットして次の貸し出しに備えられる。
ガーミンジャパンによると、レンタル利用者はGarmin Diveアプリに自分のログを保存できる。組織内の窒素負荷の計算状態は次の利用者へ引き継がれず、本体には累計ダイブ本数、総潜水時間、最大潜水深度が記録される。
20台、30台といった機器を扱う運営者にとって、設定とリセットをそろえた手順で行えることは、貸し出し準備の効率化につながる。別売りの色付きベゼルガードも、機器の識別やグループ分けに利用できる。
レンタル向けのリセット機能は、他社製品にも採用例がある。Oceanic Geo 4.0の公式マニュアルには、レンタル・講習施設向けに窒素と酸素の計算状態を消去する機能が記載されている。機器を比較する際は、リセットの対象に加え、設定やログ管理の手順も確認したい。
X10には、対応するDescent同士で設定を同期する「Setup Sharing」もある。Garminは、バックアップ機を併用するダイバーが、複数の機器で設定をそろえる用途を挙げている。
■本体素材と国内外の販売情報
本体サイズは、日本向け発表で幅72.2×高さ56.4×厚さ20.2mm。重量はバンドなしで90g、バンド込みで130gだ。付属の26mmシリコーンバンドは手首周り140〜360mmに対応し、別売りのQuickFit 26mmバンドとも互換性がある。
ケースとベゼルは、海洋への流出リスクがある場所から回収したプラスチックを再生利用する、繊維強化ポリマー製だ。Garminによると、両部品に使うプラスチックは100%再生材である。レンズには化学強化ガラスを使い、グローブ着用時にも操作しやすい4つのボタンを備える。ダイブ対応深度は100mだ。
ベゼルガードは着脱・交換式で、Black、Amp Yellow、Aqua、Purple Irisの4色を別売りする。本体保護に加え、外観の変更や複数台の識別に使える。
米国では11月3日に発表され、希望小売価格349.99ドル(約5万5300円)で発売された。イタリアのTuttoTechによると、同国では11月6日にブラックモデルを349.99ユーロ(約6万2300円)で発売予定で、ベゼルガードは19.99ユーロ(約3560円)となる。日本では12月中旬の発売が予定されており、約50時間のダイブ駆動、見やすい画面、レンタル管理機能を重視する入門機の選択肢となる。
元記事: Garmin Descent X10 Launches at $349.99 With 50-Hour Dive Battery and Rental Mode