新型カメラで供給不足と発売延期、マップカメラもメーカー供給減を報告

2026年11月5日 12:40

新型カメラの一部で、予約客への配送遅延や発売延期が続いている。マップカメラを運営するシュッピンは、メーカーからの供給数量減少と新製品の発売時期の後ろ倒しが、2026年9月のカメラ事業の売上に影響したと発表した。

国内では富士フイルムやニコンが一部製品の価格を改定している。購入を検討する際には、機種ごとの発売日や納期に加え、国内の販売条件を確認する必要がある。

■メーカー各社が供給状況を案内

シュッピンが10月16日に公表した9月度の月次情報によると、カメラ事業では人気商品への需要が引き続き見られた。一方、メーカーからの供給数量減少や新製品の発売時期の遅れなどにより、同事業の売上高とEC売上高は前年同月を下回った。

Digital Camera Worldは11月3日、2026年に発表された主な製品のうち、Sigma FP2、OM SYSTEM PEN、パナソニックのLUMIX DC-L10、ソニーのFX5、RICOH GR IV Monochromeの5機種について、少なくとも一つの地域で発売初期の入荷待ちや供給上の制約があったと報じた。対象にはレンズ交換式カメラに加え、レンズ一体型のコンパクトカメラや動画撮影向けの機種も含まれる。

シグマは10月29日、11月11日発売予定のSigma FP2と電子ビューファインダーEVF-21について、予想を上回る注文で生産が追いついておらず、一部の購入者への配送に時間がかかる場合があると発表した。OMデジタルソリューションズも、想定を上回る予約を受けたOM SYSTEM PENの国内発売日を、10月30日から11月28日に変更している。

パナソニックは6月17日、想定を大きく上回る予約があったDC-L10の新規受注を一時停止すると発表した。ソニーは生産上の都合で延期していたFX5について、10月28日に国内発売日を11月20日と案内した。

販売方法が変わった製品もある。リコーイメージングストアは10月27日の案内で、抽選販売していたRICOH GR IV Monochromeを11月から通常販売するとしている。

■出荷統計ではレンズ一体型が伸長

カメラ映像機器工業会(CIPA)が11月2日に公表した統計によると、2026年1〜9月のデジタルカメラ世界出荷台数は645万1681台で、前年同期比4.3%減だった。レンズ交換式は451万9828台で10.8%減、このうちミラーレスは417万9988台で7.9%減となった。

一方、コンパクトカメラなどを含むレンズ一体型は193万1853台で15.4%増だった。レンズ交換式をセンサーサイズ別に見ると、35mm判以上は149万1722台で19.9%減、35mm判未満は302万8106台で5.5%減となり、区分によって動きが分かれている。

CIPA統計は、参加企業の海外生産分を含む出荷実績を集計したものだ。2026年1月からは集計対象企業が1社増えており、前年同期比には対象範囲の変更も反映されている。購入時には、こうした市場全体の動向と併せて、各製品の供給案内を確認することが重要になる。

■国内のデジタルカメラは約6〜15%の価格改定

富士フイルムイメージングシステムズは10月1日、一部製品の国内出荷価格を引き上げた。デジタルカメラの対象はGFX100 II、GFX100S II、GFX100RF、X-T50、X-E5、X100VIと一部のレンズキットで、改定率は約6〜15%だ。同社は部材費、製造費、物流費の高騰を理由に挙げている。

同じ改定では、交換レンズXF500mmF5.6 R LM OIS WRが約12%、対象のinstaxインスタントカメラが約6〜23%、スマートフォンプリンターが約7〜12%の引き上げとなった。公表された改定率は同社の出荷価格に対するもので、店頭価格は販売店によって異なる。

欧州でも価格改定の情報が出ている。Photografixがドイツ販売店の情報として報じた9月1日適用の価格表では、X100VIが1799ユーロ(約31万8000円)から1999ユーロ(約35万4000円)へ11.1%上昇した。ボディ単体の上昇率はX-T50が6.7%、X-S20が7.1%、X-E5が6.5%、GFX100 IIが6.3%とされる。

ニコンは国内で6月1日、Z50IIのボディとレンズキット計4品目などの出荷価格を改定した。同社も原材料費や製造・物流コストの上昇を理由に挙げている。キヤノンは10月27日の第3四半期決算説明会で、イメージング事業のコスト増が2027年も続く場合、価格転嫁を進めて吸収する方針を示した。

■AI向け需要で変わるメモリの供給配分

カメラのコストを考えるうえで、メモリ市場の変化は重要な背景となる。NANDフラッシュメモリは電源を切ってもデータを保持し、メモリーカードやSSDなどに使われる。カメラ内部には撮影データを一時的に保持するバッファーメモリもあり、高解像度撮影、4K・8K動画、高速連写では、処理から記録までのデータ転送性能が重要になる。

NANDの主要供給企業にはサムスン電子、SK hynix、Micron、キオクシア、Sandiskがある。Western Digitalのフラッシュ事業は2025年に分離され、Sandiskが独立企業として事業を担っている。

市場調査会社TrendForceは7月時点で、AI関連需要の急増と限られた生産能力拡張を背景に、2026年のNAND市場全体で4〜5%の供給不足を予測した。同社によると、サーバー用途はNANDの総ビット需要の40%超を占める。一方、スマートフォンとノートPCも合わせて約40%を占め、民生機器の需要も市場の需給を左右する。

メモリコントローラーメーカーのSilicon Motionは、第3四半期の決算発表で、企業向け・AI向けストレージ需要がNAND供給に占める割合を高め、価格を押し上げていると説明した。同社によると、NANDメーカーは大容量の企業向けSSDを優先し、一部の民生用途などに向けた供給を縮小している。

長期契約も広がっている。TrendForceが7月に紹介した韓国各紙の報道によると、サムスン電子は複数年の供給契約を進め、契約先にはAWS、Microsoft、Google Cloud、Metaなどが含まれる見通しだ。Ars Technicaも1月、キオクシア幹部が同年の生産分について、すでに売約済みだと説明したと報じていた。

■供給改善の見通しは用途ごとに異なる

TrendForceは7月の予測で、製造工程の更新によるビット供給量の増加や民生需要の弱さによって、NANDの供給制約が2027年後半に緩和すると見込んだ。7月30日の分析でも、高積層品への移行と新たな生産能力の立ち上がりが、供給増につながるとの見方を示している。

同社は一方で、AIエージェントの普及が加速すれば、高速SSD需要がさらに増える可能性も指摘した。DRAMについては、HBMなどへの需要が強く、2027年も供給が逼迫するとの予測だ。メモリの種類や用途によって、需給の見通しには違いがある。

キオクシアは6月の投資家向け説明で、四日市工場と北上工場の既存製造棟に設備を追加し、出荷ビット数の成長を支える計画を説明した。8月には、北上工場の第3製造棟の建設に向けた土地整備を始め、2029年度中の稼働開始を目指すと発表している。

カメラメーカー側の見通しも製品によって異なる。キヤノンは10月の決算説明会で、コンパクトカメラの旺盛な需要に部品供給が一時的に追いついていないものの、徐々に解消していく見込みだと説明した。

■購入時は機種と販売店ごとの条件を確認

撮影予定が決まっている場合は、注文前に納期の目安、初回入荷分への割り当て、配送時期を確認しておきたい。予約受付中の製品についても、発売日と自分の注文分の到着予定を分けて確認することが役立つ。

ブランドや機種を変更できるなら、複数の国内販売店で在庫と価格を比較する方法がある。コンパクトカメラ、レンズ交換式カメラともに、用途に必要な機能と入手時期を照らし合わせて選ぶことになる。

中古品や整備済み品、キヤノン、ソニー、ニコンなどの前世代フルサイズミラーレスも比較対象になる。手持ちのレンズとの互換性や必要な撮影機能に加え、製品の状態、保証、総購入費用を確認すれば、新製品を待つ場合との違いを判断しやすい。

元記事: Camera Backorder Crisis: AI Data-Center Memory Demand Stalls Nearly Half of 2026 Launches

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