アイグリッドソリューションズ Research Memo(1):再エネの統合型GX企業、2026年6月期は2ケタ増収増益

2026年11月4日 11:41

*11:41JST アイグリッドソリューションズ Research Memo(1):再エネの統合型GX企業、2026年6月期は2ケタ増収増益
■要約

1. 独自AI技術を活用した再生可能エネルギーのプラットフォームを有する「統合型GX企業」
アイ・グリッド・ソリューションズ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0603A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><603A></a>は、独自のAI技術を活用した再生可能エネルギー(以下、再エネ)のプラットフォームを強みとする「統合型GX企業」である(GX:グリーントランスフォーメーション※1)。主として商業施設や物流施設をターゲットに中小型オンサイトソーラー※2ソリューションを提供しており、オンサイトソーラーが発電する電力のうち、施設が消費しきれない余剰電力を活用できる点も特徴である。事業セグメントは、互いにシナジーの大きいGXソリューション事業とエナジートレーディング事業の2つからなる。GXソリューション事業では「再エネを創り、制御する」機能を、エナジートレーディング事業では「創り・制御した」再エネを含めて電力を「送る」「繋ぐ」機能を提供していることから、同社は「統合型GX企業」ということができる。GXソリューション事業では、PPA※3サービス、アライアンスソリューション、インテグレーションサービスの3つのサービスを手掛けている。2026年7月に東京証券取引所(以下、東証)グロース市場に株式を上場した。

※1 GX(グリーントランスフォーメーション):使用するエネルギーを旧来の化石燃料から太陽光発電などのグリーンエネルギーに転換することで、温室効果ガスの排出量を削減しつつ企業活動や社会の在り方を変革し、新たな競争力を創出して成長を実現する取り組み。

※2 オンサイトソーラー:商業施設の屋根など再エネを使う場所に建設された太陽光発電所。同社は先駆者の1社である。

※3 PPA(Power Purchase Agreement):発電事業者と企業や自治体など需要家が結ぶ長期の電力売買契約のこと。

2. 2026年6月期業績はGXソリューション事業、とりわけアライアンスソリューションがけん引
2026年6月期の業績は、売上高25,699百万円(前期比12.0%増)、営業利益3,581百万円(同14.1%増)と好決算で、上場時の業績予想に対しても売上高で235百万円、営業利益で343百万円の超過達成となった。GXソリューション事業の各サービスが順調に拡大し、エナジートレーディング事業も好調だったことが要因である。KPIも、オンサイトPPAの累計開発容量が387MW(同29.0%増)、累計開発件数が1,497件(同22.4%増)と伸長した。特にアライアンスソリューションの伸びが顕著であった。2027年6月期の業績について同社は、売上高30,966百万円(同20.5%増)、営業利益3,844百万円(同7.3%増)を見込んでいる。引き続きGXソリューション事業が成長をけん引し、なかでもアライアンスソリューションが成長ドライバーとなる見込みである。

3. AIプラットフォームのほか、ワンストップサービスやメガソーラーとの違いも強み
同社の強みは、各施設や設備に設置されたエッジ端末とAIモデルで構成された独自のAIプラットフォーム「R.E.A.L.※1 New Energy Platform」にある。オンサイトソーラーを設置する施設ごとに規模、日照条件、電力需要パターンなどが異なり、天候も刻々と変化するなか、このプラットフォームは発生する余剰電力を精緻に見積もり、対象施設の需要と発電量、余剰電力量をリアルタイムかつ個別に予測することができる。同社が20年以上にわたり8,000以上の施設から蓄積した電力使用量のデータと運用ノウハウを活用している点が、このプラットフォームの特徴である。このほか、設置から管理・運営までのワンストップサービス、顧客に投資負担を強いない点、サービスラインナップの充実によりバランスシートを制約とせずに成長と高収益を得られること、法人向けオンサイトPPAで国内トップの実績(2021年度~2025年度)を持つこと、設置制約がありFIT※2に依存しがちなメガソーラーとの違いも強みといえる。

※1 R.E.A.L.:Renewable(再生可能エネルギー)、Economical(経済性)、Aggregate(集約)、Local(地域循環)の頭文字をとった造語で、同社の「グリーンエネルギーがめぐる世界の実現」というビジョンを体現している。

※2 FIT(Feed-in Tariff):固定価格買取制度。再エネの普及促進を目的に買取価格を法律で定める方式の助成制度で、費用は電気料金の再エネ賦課金として広く利用者が負担している。

4. PPAサービスやアライアンスソリューションの成長に加え、追加的利益創出機会も追求
同社はビジョン「グリーンエネルギーがめぐる世界の実現」に向け、「GXグロースカンパニー」として事業を拡大していく計画である。中期的には引き続きPPAサービスを推進するとともに、パートナーと連携したアライアンスソリューションを強化し、同社が扱う再エネ電力量の拡大などを通じて利益成長を積極的に進めていく方針である。一方、財務規律を意識して資本効率の向上も追求し、高水準のROEを目指す。さらに、追加的な利益創出機会として、長期契約で接点のある顧客ネットワークを生かし、蓄電池併設のインテグレーションサービスや、オンサイトPPA以外の再エネ供給として「循環型電力」のサービスなどの展開を強化していく方針である。併せて、同社のプラットフォームを活用したい他のPPA事業者も取り込む方針である。長期的には、自治体を巻き込み、地域内で再エネを循環させる「GX City」の実現を目指す考えである。

■Key Points
・AIプラットフォームで再エネを「創り・使う、制御する、送る、繋ぐ」統合型GX企業、2026年7月に東証グロース市場に上場
・アライアンスソリューションなどGXソリューション事業が業績けん引
・中期的に既存事業の成長に加え循環型電力など追加的利益も創出へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)《HN》

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