【編集長の視点】セリア、6期ぶり最高純益へ業績再上方修正――新TOPIX採用と既存店売上高好調が追い風

2026年11月4日 08:29

■売上高・営業利益・経常利益を上方修正、収益力改善と指数連動資金の需要拡大に期待

 セリア<2782>(東証スタンダード)は、祝日前の11月2日に前営業日比90円安の4240円と反落して引けた。同社株は、新TOPIX(東証株価指数)の構成銘柄に新規採用され、10月30日に指数への組み入れが始まったことから、新たな買い需要への期待を背景に同日は115円高と高値圏で引けていた。週明け2日は日経平均株価が208円安、TOPIXが0.88%安とそれぞれ続落したことから、目先の利益を確定する売り物が出た。ただ、取引時間中の安値3940円からは300円戻して引けており、下値では押し目買いも交錯した。

 10月30日の大引け後に発表した今2027年3月期第2四半期(2026年4月~9月期、2Q)累計決算と通期業績予想の再上方修正も買い手掛かりとなった。通期純利益は据え置かれたものの、6期ぶりに過去最高を更新する見通しであり、新TOPIX採用に続く支援材料として注目される。

■直営既存店売上高が想定を上回り、売上原価率と販管費率は改善

 同社の業績は、前2026年3月期に四半期決算発表のたびに3回上方修正され、今2027年3月期も7月31日の第1四半期決算発表時に上方修正された。今回の第2四半期累計決算発表では、通期売上高を従来予想から45億円、営業利益を14億円、経常利益を15億円それぞれ引き上げた。一方、純利益は据え置き、売上高2806億円(前期比9.7%増)、営業利益235億円(同12.1%増)、経常利益239億円(同12.3%増)、純利益154億円(同4.8%増)を見込む。純利益は2021年3月期の過去最高益147億2600万円を6期ぶりに更新する見通しだ。

 再上方修正の要因は、直営既存店売上高が想定を上回る一方、売上原価率と販売費及び一般管理費率が想定を下回ったことである。今期通期の直営既存店売上高は前期比106.3%(6.3%増、期初予想比2.5ポイント上昇)を想定する。売上原価率は58.5%(期初予想比0.5ポイント低下)、売上販管費率は33.1%(同0.2ポイント低下)を見込んでおり、既存店の増収とコスト比率の改善が利益を押し上げる構図となっている。

■新TOPIXに新規採用、指数連動資金の需要拡大に期待

 一方、新TOPIXへの移行は、流通株式時価総額や売買代金回転率などを基準に構成銘柄を見直し、指数の投資対象としての機能を高める市場改革の一環である。10月30日の定期入れ替えでは、東証スタンダード市場から23銘柄、東証グロース市場から12銘柄の計35銘柄が新規採用され、構成銘柄数は1669銘柄となった。一方、683銘柄は組み入れ比率を段階的に引き下げる移行措置の対象となった。同社株も新規採用銘柄の1社であり、TOPIXに連動する運用資産が約160兆円に上ることから、指数採用に伴う資金需要への期待が株価の支援材料となっている。

■調整幅の半値戻しを一時達成、4455円突破から全値戻しに再挑戦

 株価は、前期の配当権利落ち後につけた年初来安値3265円から、今期業績の続伸予想や月次売上高の連続プラス、業績上方修正、新TOPIX採用観測などを手掛かりに上値を追い、9月15日に年初来高値4905円をつけた。その後は全般相場の波乱を受けて3940円まで調整したものの、新TOPIXへの採用を先取りする買いなどで反発し、直近調整幅の半値戻し水準を一時上回った。

 PERは17.2倍と市場平均を上回るが、11月2日は安値3940円まで下げた後に切り返し、日足では長い陽線を形成した。まずは直近戻り高値4455円の奪回が焦点となり、同水準を突破できれば、相場格言の「半値戻しは全値戻し」を意識した年初来高値4905円への再挑戦に期待がかかる。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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