ソニー「Monitor & Control 3.1」がα6700・ZV-E10 IIに対応、複数台撮影の選択肢を拡大
2026年11月3日 19:12
ソニーは2026年10月28日、映像モニタリング・遠隔操作アプリ「Monitor & Control」のバージョン3.1を公開した。α6700とVLOGCAM ZV-E10 IIを対応機種に加え、ホワイトバランスの微調整、マルチカメラモニタリング時の表示フレームレート設定、接続切断時の自動再接続を拡充した。
■α6700とZV-E10 IIを撮影システムに組み込む
Monitor & Controlは、スマートフォンやタブレット、Macをカメラの外部モニターとして使い、映像確認や撮影設定の変更、フォーカス操作を行うアプリだ。今回加わった2機種を使うには、α6700は本体ソフトウェアVer.2.00以降、ZV-E10 IIはVer.1.02以降が必要となる。
例えば、FX3をメインカメラ、α6700を別アングル用のサブカメラとして配置し、1台のiPadで両方の映像を確認する構成が可能になる。複数のZV-E10 IIを使ったインタビュー撮影でも、各カメラの映像や撮影状態を同じ端末で把握できる。利用できる接続台数や一括操作の範囲は、端末と契約プランによって異なる。
α6700は、日本では2023年7月28日に発売されたAPS-Cミラーレスカメラだ。有効約2600万画素のセンサー、画像処理エンジンBIONZ XR、α7R Vにも採用されたAIプロセッシングユニットを搭載する。静止画撮影時は、撮像領域の約93%に最大759点の像面位相差AF点を配置している。
動画では6Kオーバーサンプリングによる4K映像の記録や、4:2:2 10ビット記録に対応する。最大4K 120pのカメラ内記録も可能で、この設定では画角が約38%クロップされる。静止画と動画の両方を扱う撮影者にとって、遠隔モニタリングはカメラを離れた位置に置く際にも役立つ。
ZV-E10 IIは、ZV-E10の第2世代となるレンズ交換式Vlogカメラで、日本では2024年8月2日に発売された。国内価格はオープン価格だ。BIONZ XR、バリアングル式タッチパネル、収音方向を選べる内蔵マイクを備え、日常の動画撮影や配信を簡単に行える操作性を重視している。
■複数台運用では接続方法を選ぶ
ソニーの公式ヘルプは、Bluetoothペアリングを利用するWi-Fi接続やテザリングを含め、8通りの接続方法を示している。対応する方式はカメラと操作端末によって異なり、マルチカメラモニタリングには、その用途に対応した接続方式を選ぶ必要がある。
無線LANルーターをアクセスポイントにする構成では、複数のカメラと操作端末を同じネットワークに接続する。α6700やZV-E10 IIを含む複数台の映像をまとめて確認する際に使える方法だ。対応する操作端末をアクセスポイントにするWi-Fiテザリングも、複数台接続の選択肢となる。
カメラ自身をアクセスポイントにするWi-Fi Direct接続は、ルーターを用意せずに1台のカメラと接続できる。Bluetoothを使う簡単接続では、最初にペアリングを行い、その後は自動的にWi-Fi接続へ切り替わる。
有線LANは、対応カメラをルーターやスイッチングハブ経由で接続する方式で、無線通信が不安定な現場での選択肢となる。α6700とZV-E10 IIをこの構成に組み込む場合、カメラとルーターの間はWi-Fi接続を使う。USBテザリングによる接続は、対応する業務用カメラなどで利用できる。
通常のUSB接続では、対応カメラと操作端末をケーブルで直接つなげる。USBハブを介したマルチカメラ接続にも対応するが、この機能には操作端末のiOS、iPadOS、macOSが26.1以降であることが必要だ。ハブへの給電が不足するとカメラを認識できない場合もある。
HDMI/UVC接続は、高解像度の映像確認に使う方式だ。UVCはUSB経由で映像を扱う標準規格で、HDMI出力は別売のHDMI-UVC変換アダプターを介して入力することもできる。HDMI映像を確認しながら遠隔操作する場合は、別途Wi-FiまたはUSBによる制御接続を併用する。カメラのUVC出力を直接利用する場合は、映像のモニタリングを行う。
■表示設定、色合わせ、自動再接続を拡充
マルチカメラモニタリングでは、複数のカメラから届くライブビュー映像を1画面に並べ、各アングルの構図や撮影状態を確認できる。録画の開始・停止や設定の確認も、同じ端末に集約できるため、小規模なチームで複数台を扱う際に便利だ。
バージョン3.1では、この複数台表示でフレームレートを設定できるようになった。対象はモニターに表示するライブビュー映像の更新頻度で、撮影する映像の記録フレームレートとは別の設定となる。動きの確認を重視する場面など、モニタリングの目的に応じて表示を調整できる。
無線で複数台を運用する場合は、カメラの台数、配置、周辺の電波環境が通信状態に影響する。複数のライブビューが同じネットワークを使うため、実際の撮影場所で映像の更新や操作への反応を確認しておくことが重要になる。ケーブルを敷設できる現場では、対応機器の有線接続も選択肢となる。
ホワイトバランスの微調整は、カメラ側にホワイトバランス調整機能があるモデルで利用できる。ホワイトバランスは照明による色の偏りを整える機能で、色温度の設定に加え、グリーンとマゼンタ方向などの色かぶり補正が色合わせの手掛かりになる。人工光や異なる照明が混在する環境では、実際の映像を見ながら調整することが役立つ。
同じ被写体を複数台で撮る場合、ホワイトバランスの違いは、アングルを切り替えた際の色の不連続につながることがある。遠隔から微調整できれば、各カメラの映像を比較しながら色味をそろえやすくなる。撮影段階で色を整えることは、編集時のカラーグレーディングにも役立つ。
接続が切れた際の復帰動作も拡充された。ソニーはバージョン2.6でマルチカメラモニタリング中の自動再接続を導入しており、3.1では接続台数にかかわらず自動で再接続できるようになったとしている。離れた位置にカメラを配置する撮影では、接続を復旧するための操作を減らす改善となる。
■無料プランはiPadで最大4台、国内有料プランは月額880円から
アプリはApp StoreとGoogle Playで提供されている。無料のFreeプランでは、基本的なモニタリング、露出補助ツール、フォーカス操作などを利用できる。マルチカメラモニタリングはiPadで最大4台に対応し、iPhone、Android端末、Macの無料利用時は1台までとなる。
2026年11月3日時点の国内公式ページでは、Basicプランの参考価格は月額880円、年額8800円で、いずれも税込みだ。スナップショット保存、マルチカメラモニタリング時の設定値の一括反映、HDMI/UVC接続による高解像度モニタリングなどが加わる。iPhoneでは最大2台のマルチカメラモニタリングを利用できる。
Premiumプランの国内参考価格は、税込みで月額3630円、年額3万6300円だ。Basicの機能に加え、Macでのマルチカメラモニタリングと、iPadまたはMacで最大20台の接続に対応する。これらの参考価格は、販売を担うCleverbridgeが決定した価格として案内されている。
基本動作は無料プランで試し、接続台数や必要な操作に応じて有料プランを選べる。対応OSの下限はAndroid 13、iOS/iPadOS 18.2、macOS 15.3で、USBによるマルチカメラ接続など、一部機能には追加の条件がある。カメラごとの対応機能と、本体ソフトウェアの更新状況も確認しておきたい。
■公式製品ページの対応カメラは22機種
2026年11月3日時点で、ソニーの国内公式製品ページが掲載する対応カメラは22機種だ。Cinema Lineなどの業務用機には、BURANO、PXW-Z300、PXW-Z200、HXR-NX800、FX6、FX5、FX3、FX2、FX30が含まれる。
このほか、α1 II、α1、α9 III、α7R VI、α7R V、α7S III、α7 V、α7 IV、α7CR、α7C II、α6700、ZV-E1、ZV-E10 IIが対応する。利用には、各機種で必要とされる本体ソフトウェアへの更新が前提となる。
Monitor & Controlは2023年9月、FX6、FX3、FX30に対応して登場した。その後、2023年11月のバージョン1.1で対応機種向けのLUTファイル読み込み、2024年5月28日のバージョン2.0でマルチカメラモニタリングを追加した。今回の2機種への対応は、静止画・動画兼用機やVlog向けカメラを組み合わせた撮影でも、同じアプリに映像確認と操作を集約する選択肢を広げるものだ。
元記事: Sony Monitor & Control 3.1 Adds α6700 and ZV-E10 II as First APS-C Cameras Supported