Pebble、録音とAI文字起こしに対応する画面なしバンド「Qore Vox」をインドで発売
2026年11月3日 19:12
インドのウェアラブル機器ブランドPebbleは、録音と健康管理を組み合わせた画面なしバンド「Qore Vox」を発売した。Gadgets 360によると、インドでの発表は2026年11月2日で、発売時価格は5799ルピー。手首で録音した音声を専用アプリに同期し、AIによる文字起こしや要約に利用できる。
同社は、文字起こしと要約をサブスクリプション料金や追加のAI処理料金なしで提供するとしている。継続的な健康モニタリングに会議やアイデアの記録を加え、仕事と日常の健康管理を一つの機器で扱う製品だ。
■手首で録音し、アプリで文字起こし
Qore Voxは、側面ボタンを2回押すと録音を開始し、1回押すと停止する。Pebbleによると、本体には最大100分の音声を保存でき、スマートフォンが近くになくても録音できる。
保存した音声は専用アプリ「Pebble Vox」に同期する。FoneArenaによると、アプリで文字起こしと要約を作成し、WhatsAppやメールで共有できる。会議、講義、思いついたアイデアなどを記録し、後から内容を読み返す使い方を想定している。
対応言語についてFoneArenaは、英語、インドの7言語、その他の24言語と報じている。インドの対応言語はヒンディー語、マラーティー語、テルグ語、カンナダ語、グジャラート語、ベンガル語、パンジャーブ語だ。
録音中は本体外側の青いランプが点灯し、周囲にも録音状態が伝わる。Pebbleは、録音はボタン操作で開始し、音声、文字起こし、要約はバンドとスマートフォンに保存されると説明している。
■4PDセンサーで健康指標を記録
Pebbleによると、Qore Voxは4つの受光素子を用いる4PD光学センサーを搭載し、心拍数、心拍変動(HRV)、血中酸素飽和度(SpO2)などを測定する。睡眠やストレス、歩数、日々の活動も記録する。
こうした光学測定の基礎となるのが、光電容積脈波(PPG)だ。皮膚に光を当て、心拍に伴う血液量の変化を反射光の変化として捉える。受光素子は、戻ってきた光を電気信号へ変換する役割を担う。
手首での測定では、体の動きや装着状態が信号に影響する。Bentらが2020年にnpj Digital Medicineで発表した研究では、市販品と研究用の計6機種を心電図と比較し、安静時より活動時に心拍数の測定誤差が大きくなる傾向や、機種による違いを報告している。
Qore Voxは、測定した情報を「Recovery Score」と「Daily AI Health Report」にまとめる。FoneArenaによると、直近の睡眠、活動、安静時心拍数、HRVを使い、休息や運動、回復に関する提案を示す機能だ。個々の数値に加え、日々のコンディションをまとめて確認する仕組みになっている。
■最大10日間駆動、Qoreシリーズに音声機能を追加
Pebbleが公表するQore Voxのバッテリー駆動時間は最大10日間だ。既存の「Qore 2」は最大45日間、「Qore Ultra」は最大15日間をうたい、製品ごとに駆動時間と機能構成が異なる。
Qoreシリーズは、画面を使わずに健康情報を記録する製品として展開されてきた。Hindustanは、初代Qoreが発売から48時間以内にAmazon Indiaのフィットネストラッカー部門でベストセラー首位となり、初回在庫が2日間で完売したと報じている。
Republic Worldによると、Qore 2は2026年1月に発表され、発売時価格は3799ルピーだった。The Times of Indiaによると、同年6月には「Qore View」が登場。Gadgets Nowは、AIによる健康分析を備えるQore Ultraが10月2日から5999ルピーで販売されたと報じている。
Qore Voxでは、従来モデルの健康管理に録音と文字起こしを組み合わせた。Qore 2やQore ViewがPebble Haloアプリに対応する一方、Qore Voxは専用のPebble Voxアプリを利用する。
■音声記録と健康管理が重なる競合市場
近い用途を狙う製品には、URBANの「ARC NOTE」がある。IT Voiceによると、2026年8月31日に発表され、9月7日に一般販売を開始した。発表価格は6999ルピーで、発表時の事前予約には1000ルピーの割引が設けられた。
URBANはARC NOTEについて、1回の充電で約16時間の録音が可能としている。FoneArenaによると、文字起こしに加え、17を超えるインドの言語に対応するライブ翻訳、決定事項や対応項目をまとめる議事録、マインドマップを作成できる。録音後の整理に加え、翻訳を使いたい利用者にも向けた構成だ。
健康管理を中心とする画面なしバンドも増えている。Gadgets 360によると、Noiseは2026年7月に「REP Band」を発表し、9999ルピーの事前予約価格を設定した。Googleは「Fitbit Air」を10月2日にインドで発売し、価格を1万3999ルピーとした。Qore Voxの発売時価格5799ルピーは、これらの発表時価格を下回る。
料金体系にも違いがある。例えばWHOOPは、端末を含む会員制で健康・回復指標を提供する。2026年11月時点の米国向け公式案内では「WHOOP Peak」は年額239ドル(約3万7800円)で、端末も含まれる。PebbleはQore Voxについて、健康管理と音声の文字起こし・要約を継続課金なしで利用できる点を打ち出している。
音声記録を主目的とする比較対象には「Plaud NotePin」がある。64GBの本体ストレージを備え、米国向け公式価格は159ドル(約2万5100円)、日本向け公式価格は2026年11月3日時点で2万7500円だ。公式案内では毎月300分の文字起こしを無料で利用でき、利用時間や機能を広げる有料プランも用意する。Qore Voxは、音声記録と日常の健康指標を一つのバンドにまとめる点に特徴がある。
■広がる画面なしバンドと販売情報
調査会社Omdiaによると、2026年第2四半期には画面なしモデルが世界のベーシックバンド出荷台数の15%超を占めた。同社は、常時装着できる簡素なトラッカーと、高機能なスポーツウォッチへの需要が強まっていると分析している。
P&S Intelligenceは、インドのスマートウェアラブル端末市場を2025年に30億ドル(約4740億円)と推計する。2026~2032年の年平均成長率を18%、2032年の市場規模を95億ドル(約1兆5000億円)と予測し、健康管理、決済、通信などへの利用拡大を成長の背景に挙げている。
Qore Voxの公式販売ページでは、2026年11月3日時点で販売価格5799ルピー、MRP(最大小売価格)9999ルピーと表示されている。カラーはStealth Black、Storm Blue、Summit Brownの3色。FoneArenaによると、販売先はPebble公式サイトとインド国内の小売店で、発売時にはAmazon IndiaとFlipkartへの展開も予告された。
Pebble共同創業者のKomalは、FoneArenaが掲載した発売時のコメントで、ウェルネスバンドは日中の多くの時間に手首にあると説明した。Qore Voxは、その装着習慣を健康管理に加えて会議やアイデアの記録にも生かす製品となる。
元記事: Pebble Qore Vox Adds Wrist Microphone to Screenless Band Formula, Launching in India Today