FRB、政策金利3.75~4.00%に据え置き 「不確実性は依然高い」
2026年10月29日 09:47
米連邦準備制度理事会(FRB)は10月28日、米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を3.75~4.00%に据え置いた。市場予想通りの決定となったが、声明では地政学情勢などを背景に「不確実性は依然として高い」と指摘し、インフレへの警戒を維持した。
採決は賛成10、反対2だった。リサ・クックFRB理事とベス・ハマック米クリーブランド地区連銀総裁は、0.25ポイントの利上げを主張して反対した。
FOMCは声明で、経済活動は「力強いペースで拡大している」と評価。「地政学情勢などにより不確実性は依然として高いものの、国内支出は底堅さを保っている」とした。
さらに、生産性の伸びは強く、設備投資も堅調だと説明。雇用は労働力の増加に見合うペースで拡大し、失業率はほぼ横ばいで推移しているとした。
一方、インフレ率は依然高いと指摘。今後の情報の蓄積が、インフレ率を適切な時期に2%の目標へ戻すための金融政策姿勢を判断する助けになるとし、「物価安定を実現する」と強調した。
■物価上昇の広がり、追加利上げ判断の焦点に
29日に発表される政府統計では、9月のインフレ加速と、7~9月期の経済成長率の上昇が見込まれている。個人消費と、人工知能(AI)関連の企業投資が経済を支えている。
エコノミストは、FRBが物価の基調を判断する上で重視する個人消費支出(PCE)物価指数について、9月の前年同月比上昇率が3.6%となり、8月の3.4%から加速すると予想している。
中東紛争に伴うガソリン価格の上昇が一因だが、価格上昇圧力は航空運賃や家賃、コンピューターにも広がっている。こうした動きは、インフレ率を2%の目標に戻すFRBの取り組みを難しくしている。
一方、9月の失業率は4.2%で、新規失業保険申請件数も極めて低い水準を維持しており、労働市場は安定している。
■長期金利上昇が利上げ休止の背景
追加利上げを急がない判断の大きな背景には、債券市場の動きがある。9月の利上げ後、米10年物国債利回りは約25年ぶりの高水準に迫り、当局者の意図以上に経済活動を抑制する懸念が強まった。
国債利回りの上昇は家計や企業の資金調達コストを押し上げ、FRBの金融引き締め効果を一部肩代わりする。その後、ジョン・ウィリアムズ米ニューヨーク地区連銀総裁やフィリップ・ジェファーソンFRB副議長は、次の政策判断に向けて追加の情報を待つ姿勢を示した。
ただ、前週後半には、AI需要の持続性への懸念から株式相場が急落する中、国債利回りが低下した。長期金利の低下によって金融環境が緩和すれば、利上げ休止を長引かせる根拠が弱まる可能性がある。