はてな Research Memo(8):2027年7月期は先行投資で営業減益となるも増収トレンドに復帰見通し(2)
2026年10月26日 11:08
*11:08JST はてな Research Memo(8):2027年7月期は先行投資で営業減益となるも増収トレンドに復帰見通し(2)
■ 今後の見通し
(2)コンテンツマーケティングサービス
はてな<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0393000?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><3930></a>のコンテンツマーケティングサービスの売上高は前期比13%減の471百万円と減少基調が続く見込みである。広告収入の減少傾向が続くほか、「はてなCMS」の運用件数減によりストック型収入についても若干の減少を想定している。「はてなCMS」については企業のオウンドメディアに対する投資拡大が見込みにくいなか、収益性を重視した運用にシフトし、解約数の抑制に注力していく。また、国産ベンダーとして使い勝手の良さを訴求し、競合他社からのリプレイス需要も取り込みたい考えである。このため機能面での改善に向けた開発は継続していく方針である。
一方で、「toitta」については、機能の拡充を図りながら積極的に事業拡大を推進し、ARR1億円の早期達成を目指す。これまではインタビュー後の分析業務をサービス領域としていたが、新たにAIがオンラインでインタビューを行う「AIインタビュー」の開発を進めており、2026年内の正式リリースを予定している。「AIインタビュー」が完成すれば、インタビュー業務の一連のプロセスにAIを活用することが可能となり、業務効率並びにサービス品質のさらなる向上につながるものと期待される。既に、経営コンサルティング会社のA.T.カーニー(株)向けに「AIインタビュー」の先行提供を開始しており、今後の展開が注目される。新規顧客の開拓施策としては、各種イベントやセミナーへの出展でリードを獲得しているほか、最近では顧客からの口コミで、顧客企業内の別の部門で導入するケースも増加している。
また、「toitta」ではUXリサーチで豊富な実績を持つポップインサイトカンパニー(会社名:メンバーズ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0213000?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><2130></a>)と共同で、インタビューデータの資産化を目的とした「定性データウェアハウス」の実証実験を2026年8月より開始した。「データウェアハウス」とは、売上や取引履歴、在庫などの定量的な業務データを複数の業務システムから横断的に集約・整理し、経営分析に活用できる状態で蓄積する仕組みを指す。「toitta」が提供する「定性データウェアハウス」は、この考え方を数値化しにくい定性データである「インタビューや対話から得られる顧客の生の声」に応用したものとなる。
インタビューで得られた内容を発話単位で分解し、1発話を1レコードとして蓄積、各レコードに分類・属性情報などのメタデータを付与することで、集約・整理・分析できる状態にする。実証実験では、ポップインサイトカンパニーがUXリサーチのインタビュー結果を顧客ごとに「定性データウェアハウス」に蓄積し、過去の発話を横断的に分析することで、機能改善や仕様検討の意思決定をより迅速かつ確度の高いものとすることを目指している。将来的には、ポップインサイトカンパニー内の活用だけにとどまらず、両社の顧客企業に向けた「定性データウェアハウス」の販売や活用支援などにも広げていく考えである。
(3)コンテンツプラットフォームサービス
コンテンツプラットフォームサービスの売上高は前期比4%増の330百万円と6期ぶりの増収に転じる見通しである。「はてなブログ」等の広告収入は広告単価が回復しないことを前提に計画を立てており、生成AIベンダーとのデータ活用に関する取り組みによる売上が通年で寄与することが増収要因となる。まだ交渉中の案件に関しては売上計画に織り込んでいないため、契約が決まれば上乗せ要因となる。
また、新たなサービスとして自社のUGC開発ノウハウと生成AI技術を掛け合わせたディスカッションフォーラム「はてなパークス」を2026年8月に正式リリースした。テーマ別のコミュニティである「パーク」上で、話題・トピックに沿った体験や情報、意見を共有・交換する場を提供する。開発と運営にAIを活用しており、投稿タイトルの自動提案やコミュニケーションの要約、不適切な投稿の検知(リアルタイムで非表示化)などに活用しているほか、今後は多言語の自動翻訳機能の実装や「はてなブックマーク」「はてなブログ」などとの連携を推進していくことで、ユーザー同士の知見や関心が循環する環境を整え、高品質な一次情報が集まる価値あるメディアに育成していく方針である。まずは、参加ユーザーの獲得に注力していく段階で、収益化までにはしばらく時間を要するものと見られる。
(4)その他サービス
JOCのバリデータ売上として前期並みの5百万円を見込んでいる。売上高はJOCトークンの価格に連動するが、価格前提についてはおおむね前期並みの水準を想定しているものと思われる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《HN》