はてな Research Memo(4):2026年7月期は大型開発案件の端境期となり、減収減益に転じる
2026年10月26日 11:04
*11:04JST はてな Research Memo(4):2026年7月期は大型開発案件の端境期となり、減収減益に転じる
■業績動向
1. 2026年7月期の業績概要
はてな<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0393000?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><3930></a>の2026年7月期の業績は、売上高で前期比3.9%減の3,647百万円、営業利益で同48.9%減の173百万円、経常利益で同69.5%減の103百万円、当期純損失で995百万円(前期は230百万円の利益)と減収減益決算となった。テクノロジーソリューションサービスが大型開発案件の端境期で減収に転じたほか、コンテンツプラットフォームサービスやコンテンツマーケティングサービスも広告収入の減少等により減収基調が続いたことが主因である。また、2026年4月に発生した資金流出事案※に伴う損失1,221百万円を特別損失として計上したことで、当期純利益は株式上場以来、はじめて損失計上することとなった。一方、期初計画比では売上高で212百万円下回ったものの、人材採用を含め全社的なコスト抑制に取り組んだ結果、営業利益は37百万円上回った。経常利益に関しては、株主優待引当金繰入額74百万円を営業外費用として計上したことにより、43百万円の未達となった。
※ 2026年4月、同社従業員が警察関係者を名乗る詐欺グループから捜査協力を装った指示を受け、これに従い会社資金1,179百万円を外部口座へ送金する事案が発生した。
事業費用は前期比0.5%増の3,473百万円となった。事業拡大に向けた投資を継続しつつ、人員最適化による人件費の抑制や費用構造の見直しに取り組んだことで、全体の費用増加を抑制した。ただ、売上高が減少したことにより、対売上比率では前期の91.1%から95.2%に上昇し、営業利益率の悪化要因となった。費用の内訳を見ると、人件費が同0.6%増の1,848百万円、DC(データセンター)利用料が同2.0%減の782百万円、その他費用が同2.8%増の841百万円となった。人件費は、AI活用や人材の配置転換による効率化と採用抑制により、期末人員が前期末比4名減の213名となったことや、業績動向に応じた賞与引当金の適正化により前期比微増に抑えた。DC利用料は、「GigaViewer」利用サービス数が増加したものの、コスト最適化施策を推進したことで若干減少した。その他費用については、開発需要が端境期となったことで、外注費や業務委託費が減少したほか、全社的なコスト抑制に取り組んだ一方で、出版社向けマーケティング支援サービス「Comic Growth powered by GigaViewer」※の本格始動に伴い、広告宣伝費が増加した。
※ 2025年11月より、マンガアプリの認知・インストール獲得、読者獲得、サービスグロースを目的に、戦略立案から実施、効果検証までのデジタル広告のあらゆる工程をワンストップで支援するサービス「Comic Growth powered by GigaViewer」を本格始動した。広告宣伝費の一部を同社が負担することで、サービスグロースの促進とレベニューシェアの拡大を目指している。
営業外収支は前期比70百万円悪化した。株式上場10周年の記念株主優待実施に伴い、株主優待引当金繰入額74百万円を営業外費用として計上したことが主因である。なお、資金流出事案の発生を受け、同社は2026年7月に再発防止策を策定しガバナンス体制を強化したこと、また、同事案発生に対する経営責任を明確化する観点から、同年7月に代表取締役社長及び取締役コーポレート本部長より役員報酬の一部返上(6ヶ月間、月額報酬の20%を返上する)の申し出があったことを発表している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《HN》