NVIDIAとCisco、AI向け光モジュール「USFP」の開発計画を発表 まず6.4Tb/s、将来は12.8Tb/sへ

2026年10月16日 11:37

NVIDIAとCiscoは2026年10月12日、米カリフォルニア州サンノゼで開かれたOpen Compute Project(OCP)Global Summitで、AIデータセンター向け光モジュール「USFP」の開発計画を発表した。最初に計画する16レーン構成は6.4Tb/sに対応し、将来は32レーンで12.8Tb/sを目指す。商用提供時期は示されていない。

■最初の構成は16レーン、将来は32レーンへ

USFPは「Ultra-Dense Small Form Factor Pluggable」の略で、機器に差し込んで交換できる光トランシーバーの新しい形状を指す。両社は、現行世代の200Gb/sから、電気信号の速度を1レーン当たり400Gb/sへ引き上げる設計を進める。AIシステム間の通信量が増えるなか、スイッチの前面に収められる接続容量を高める狙いだ。

最初に計画するモジュールは、現行のOSFPに近い大きさに16本の全二重レーンを収める。400Gb/sのレーンを16本使う構成が6.4Tb/sに相当し、32本へ拡張すれば12.8Tb/sとなる。Ciscoは、16レーン構成で現行の1.6Tb/s級プラガブルモジュールの4倍の帯域密度を見込むとしている。

両社は、200Gb/sレーンを使う現行設計との比較で、電力効率も約1.3倍になると説明する。帯域密度と電力効率はいずれも開発計画に基づく目標値であり、データセンターで使う電力は、モジュールだけでなくスイッチや冷却設備の構成にも左右される。

■接点と放熱を見直す設計

USFPでは、接点を二次元に配置した新しいコネクターを採用する計画だ。モジュールを挿入する際、高速信号用の接点はモジュールが収まった後に接続される。両社は、この2段階の構造が接点の摩耗を抑え、信号品質と挿入力の安定性を高めるとしている。

放熱については、トランシーバー内に専用の冷却回路を設けず、最大100Wに対応する設計を示した。実際に使える筐体や冷却方式は製品の設計によるが、モジュール内に独立した冷却回路を置かない方針は、スイッチ側の構成を考えるうえで重要になる。

400Gb/sレーンへの移行では、高速化に伴って電気信号の品質を保つことも課題となる。USFPは、コネクターの構造と放熱設計を見直しながら、現在のプラガブルモジュールに近い交換・運用方法を引き継ぐ構想である。両社は、200Gb/sレーンを使うシステムへの対応も視野に入れている。

■CPOと並ぶ光接続の選択肢

AIネットワークでは、光学部品をスイッチの半導体に近づけるコパッケージドオプティクス(CPO)も開発が進む。電気信号が通る距離を短くし、伝送時の電力損失を抑える方式だ。NVIDIAは「Spectrum-X Photonics」と「Quantum-X Photonics」で、この方式を採用している。

USFPは、光トランシーバーを個別に差し替えられるプラガブル方式の帯域密度を高める。CPOでは部品ごとに保守方法が異なり、NVIDIAの製品も外部レーザー光源を現場交換できる設計を採る。事業者にとっては、必要な帯域や消費電力に加え、故障時にどの部品を交換するかが方式を選ぶ際の判断材料となる。

■複数社による供給を目指す

NVIDIAとCiscoは、TE Connectivity、Amphenolとともに、USFP用のケージ、コネクター、モジュールを開発する。両社は今後、複数の供給元が参加できるオープンな業界仕様を、共同のマルチソースプロジェクトを通じて策定する計画だ。

今回の協業は、NVIDIAのSpectrum-X Ethernetと、Cisco Silicon Oneを使うEthernetネットワークの相互運用に向けた両社の取り組みに連なる。CiscoはOCP会場でMicrosoft、AMD、Alibaba Cloud、Supermicroとの協業にも言及したが、これらの企業をUSFPモジュールの開発企業として発表したわけではない。

■CiscoはG302とSONiC向け機能も発表

Ciscoは同じOCP Global Summitで、51.2Tb/sのスイッチ用半導体「Silicon One G302」も発表した。ラック内のサーバーをネットワークにつなぐスイッチ向けで、200Gb/s級の電気信号技術と1.6Tb/s光インターフェースを使う。Ciscoは2026年末までに顧客向け出荷を始める計画だ。

既発表の102.4Tb/s「Silicon One G300」については、顧客向けサンプルの提供が可能になり、搭載システムの初期出荷が始まったと説明した。G300はCisco 8000とNexus 9000シリーズの製品向けに発表されている。また、Ciscoは「Silicon One P200」を使うシステムがMicrosoftで本番稼働し、Alibaba Cloudも同半導体を使う自社製ルーターを導入したと公表した。

ソフトウェア面では、Ciscoが検証したオープンソースのネットワークOS「SONiC」向けに、脆弱性への一時的な防御策を稼働中のスイッチへ適用する「Live Protect」の対応を発表した。Ciscoによると、対象はN9000シリーズのスイッチで、再起動を伴わずに防御策を適用できる。提供開始は2027年第2四半期を見込む。

■製品化に向けた次の段階

USFPは2026年10月時点で、モジュールの開発計画と業界仕様の策定方針が示された段階にある。両社は商用モジュールの提供日を発表していない。今後は共通仕様の策定、対応する機器とモジュールの開発、供給元をまたぐ相互運用性の確認が焦点となる。

2026年から2027年にかけてAIクラスタを拡張する事業者にとって、現時点のUSFPは将来のネットワーク構成を検討するための技術計画だ。発表済みのG302は200Gb/s級の電気信号技術を使う製品であり、USFPが掲げる400Gb/sレーンの構成とは区別して見る必要がある。

元記事: Nvidia and Cisco Launch USFP Pluggable Optics Standard to Quadruple AI Networking Bandwidth

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