米国、上位1%の富裕層が株式資産の50.9%を保有 下位50%はわずか0.6%―株高恩恵に大差

2026年10月13日 10:14

 米国株が過去最高値圏で推移するなか、株式や投資信託の保有は富裕層に大きく集中している。米連邦準備制度理事会(FRB)の最新統計によると、2026年第2四半期末(6月末)時点で、純資産上位1%の世帯が企業株式・投資信託持ち分の50.9%を保有する一方、下位50%の保有比率は0.6%にとどまった。

■上位1%の保有額、約32.9兆ドル

 FRBの「分配金融勘定(Distributional Financial Accounts)」によると、上位1%が保有する企業株式・投資信託持ち分は6月末時点で32兆8895億4600万ドル(約5210兆円)だった。

 これに対し、純資産下位50%の保有額は3741億9600万ドル(約59兆3000億円)だった。上位1%の保有額は、下位50%全体の約88倍に相当する。

 上位1%の保有比率は2025年第2四半期(4-6月期)の50.4%から2026年第2四半期には50.9%へ上昇した。下位50%は0.6%で横ばいだった。

 FRBの同統計における「企業株式・投資信託持ち分」には、家計が直接・間接に保有する資産が含まれる。企業株式には上場企業だけでなく非公開企業の株式も含まれる。またFRBは、2026年第2四半期版ではヘッジファンド持ち分とプライベート・デット・ファンド持ち分も暫定的にこの項目へ含めている。

 第2四半期には株価上昇などを背景に、各所得・資産階層で保有額が増加した。

 上位1%の企業株式・投資信託持ち分は、第1四半期(1-3月期)の27兆9188億7400万ドル(約4420兆円)から第2四半期には32兆8895億4600万ドル(約5210兆円)へ増えた。増加額は約4兆9707億ドル(約787兆円)となる。

 下位50%も3138億7800万ドル(約49兆7000億円)から3741億9600万ドル(約59兆3000億円)へ増え、約603億ドル(約9兆5500億円)増加した。

 純資産が50〜90パーセンタイルに位置する世帯の保有額は、第1四半期の6兆3996億1700万ドル(約1010兆円)から第2四半期には7兆3620億6000万ドル(約1170兆円)へ増えた。

 これらは各階層の保有資産の時価総額の変化であり、株価変動のほか、購入や売却などによる保有量の変化も反映する。このため、増加分すべてを実現した投資利益とみなすことはできない。

■米家計の純資産は195.9兆ドル

 FRBの「米国金融勘定」によると、家計・非営利団体の純資産は2026年第2四半期に前期比12兆8000億ドル(約2030兆円)増え、195兆9000億ドル(約3京1000兆円)となった。FRBは、企業株式の値上がりによるキャピタルゲインが主因としている。

 直接・間接に保有する企業株式による純資産の増加額は約10兆7110億ドル(約1700兆円)、住宅など不動産による増加額は約1兆1310億ドル(約179兆円)だった。

 家計・非営利団体の金融資産は第1四半期の141兆8000億ドル(約2京2500兆円)から153兆5000億ドル(約2京4300兆円)へ増加した。このうち直接・間接保有の企業株式は74兆ドル(約1京1700兆円)を占めた。

 純資産は、住宅や金融資産などの総資産から住宅ローンや消費者信用などの負債を差し引いた金額である。

■総純資産でも上位1%が32.5%

 株式以外を含む家計の純資産全体でも格差は大きい。

 FRBの分配金融勘定によると、2026年第2四半期の家計純資産のうち上位1%が占める割合は32.5%だった。前年同期の31.1%から1.4ポイント上昇した。

 一方、下位50%が保有する純資産は全体の2.3%にとどまった。

 家計純資産には株式だけでなく、住宅、預金、退職資産、事業資産なども含まれ、負債が差し引かれる。保有資産の構成が異なるため、株価や住宅価格の変動が各世帯の資産に与える影響にも差が生じる。

■米主要銀行の決算シーズン始まる

 米株式市場では主要企業の2026年第3四半期決算発表が本格化する。

 JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、シティグループは10月13日に第3四半期決算を発表する予定で、バンク・オブ・アメリカとモルガン・スタンレーは14日に予定している。

 米労働統計局(BLS)は14日午前8時30分(米東部時間)に9月の消費者物価指数(CPI)を発表する予定である。

 米株式市場は前週まで高値圏で推移した。10月9日までの1週間でS&P500種株価指数は1.2%上昇し、ナスダック総合指数は0.6%上昇した。

 12日の米市場では原油高やハイテク株の下落を背景に主要指数がまちまちとなった。ダウ工業株30種平均は0.38%上昇した一方、S&P500は0.06%安、ナスダック総合指数は0.44%安で取引を終えた。

 株価上昇は家計の純資産を押し上げるが、その恩恵は株式の保有状況によって大きく異なる。FRBの最新統計は、企業株式・投資信託持ち分が上位1%に約32.9兆ドル(約5210兆円)、下位50%には約3742億ドル(約59兆3000億円)と、大きく偏っている実態を示している。

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