インテル、アプライド・マテリアルズのEPICセンターに創設パートナーとして参画 Foveros向け技術を共同開発へ
2026年10月11日 16:26
半導体製造装置大手の米アプライドマテリアルズ(Applied Materials)は2026年10月6日、半導体大手インテル(Intel)と半導体の製造技術に関する協業を拡大すると発表した。Intelは同社のEPICセンターに創設パートナーとして参画し、次世代トランジスタ、配線、先端パッケージングの開発を進める。共同研究には、シリコンバレーのEPICセンターと、オレゴン州ヒルズボロにあるIntelの研究開発拠点を活用する。
■Foveros向けの先端パッケージングを開発
協業の対象には、Intelの3次元積層技術「Foveros」を用いる先端パッケージングが含まれる。Applied Materialsの発表によると、チップ間の接続密度や電力供給、放熱性能の改善に取り組み、AI向けの高性能コンピューティング基盤への利用を目指す。
IntelのFoverosには、チップを重ねて接続する方式がある。同社の技術資料では、Foveros 2.5Dのチップ間接続に36マイクロメートル間隔の微小な突起を用いる方式を示している。さらに高密度の積層を目指すFoveros Direct 3Dには、銅同士を接合するハイブリッドボンディングを採用し、接続間隔を10マイクロメートル未満と記している。
複数のチップを一つのパッケージに収める技術は、演算用チップとメモリーなどを組み合わせる設計に役立つ。IntelとApplied Materialsは材料、製造工程、装置の開発を連携させ、研究成果を量産技術へ移すまでの期間を短縮する方針だ。
■トランジスタと配線の研究も対象
両社は、AI向けの先端ロジック半導体を対象に、次世代材料、製造工程、デバイス構造でも協業している。この研究をEPICセンターでも継続し、トランジスタやチップ内の配線に加え、製造工程の後半に当たる配線形成などに取り組む。
Applied Materialsのゲイリー・ディッカーソンCEOは、両社が長年にわたり材料工学で協力してきたと説明した。Intelのリップブー・タンCEOも、研究室から米国内の量産工程へ技術を移す取り組みを加速したいと述べている。
Intel Foundryを統括するナガ・チャンドラセカラン氏は、材料と製造工程の開発を進めるうえで、EPICセンターが両社のチームの緊密な協業を支えるとの見方を示した。Applied Materialsは、開発初期から装置メーカーと半導体メーカーが協力することで、製造工程の確立を早めることを目指す。
■TSMCや日本企業も参画する研究拠点
EPICセンターには、Intelとファウンドリー事業で競合するTSMCも創設パートナーとして参画している。Applied Materialsは2026年5月にTSMCとの提携を発表し、先端ロジック半導体向けの材料、装置、製造工程を共同開発する方針を示した。各社がApplied Materialsと進める研究の成果が、今後の製造技術にどう反映されるかが注目される。
創設パートナーにはSamsung Electronics、SK hynix、Micronも名を連ねる。メモリー分野では、キオクシアが9月29日にイノベーションパートナーとしての参画を発表した。キオクシアとApplied Materialsは、次世代のメモリー構造や複数チップの積層技術などを共同研究する。
装置分野では、アドバンテストが4月にEPICプラットフォームへの参画を発表し、半導体の製造工程と検査工程の連携に取り組む。SCREENセミコンダクターソリューションズも5月にイノベーションパートナーとなり、洗浄・表面処理と材料技術を組み合わせた工程を開発する。Broadcomは先端パッケージング、Besiは接合技術などを対象に、それぞれ協業を発表している。
■研究から量産までの期間短縮を目指す
EPICセンターは、半導体メーカーや装置メーカー、研究機関がApplied Materialsの技術者と協力するための拠点として計画された。同社は、材料研究、装置開発、工程の検証を並行して進め、量産に適した技術へ早期に仕上げることを狙う。センターは2026年中に稼働の準備が整う予定だ。
2023年の計画発表では、クリーンルームの面積は18万平方フィート超とされた。Applied Materialsは現在、顧客とのプロジェクト開始に合わせて設備投資を段階的に拡大し、約50億ドル(約7900億円、1ドル=158円換算)に達する見通しを示している。2023年当初に示した投資計画は最大40億ドルだった。
競合企業も参加する共同研究拠点には、1984年設立のベルギーの研究機関imecや、1987年に米国政府と半導体業界が設立したSEMATECHという先例がある。EPICセンターは、各社に装置を販売するApplied Materialsが運営し、参加企業との共同開発を進める。装置の仕様が固まる前から利用企業の課題を開発に反映できる点が、この取り組みの特徴となる。
■先端パッケージング事業の成長を見込む
Applied Materialsが8月に発表した2026年度第3四半期の売上高は、前年同期比25%増の91億1500万ドルで、四半期として過去最高だった。発表資料で示した概数は91億2000万ドル(約1兆4410億円、1ドル=158円換算)である。半導体製造装置を含むSemiconductor Systems部門の売上高は70億4000万ドル(約1兆1123億円)で、前年同期比27%増加した。
同社は、2026年度第4四半期の売上高を102億5000万ドル(約1兆6195億円)前後と予想している。ディッカーソンCEOは8月の決算説明会で、パッケージング関連の売上高が暦年2026年に70%超伸びるとの見通しを示した。Foveros向け技術を含む共同開発は、同社が成長を見込む分野での取り組みとなる。
元記事: Competing Chipmakers Intel and TSMC Now Share Research Floor at Applied Materials EPIC Center