「Star Wars: Detours」未公開6話、9月22日開館のルーカス・ミュージアムで上映へ
2026年9月9日 16:16
長年公開されてこなかったアニメコメディー「Star Wars: Detours」の一部が、2026年9月22日に米ロサンゼルスで開館するルーカス・ミュージアム・オブ・ナラティブ・アートで上映される。一般入館券で劇場を利用できるが、Disney+を含むストリーミング配信や家庭向け映像ソフトの発売は発表されていない。
■14年を経て、6話が一般公開へ
「Star Wars: Detours」は、「スター・ウォーズ」の登場人物や世界を題材にしたパロディー形式のCGアニメシリーズである。2012年のStar Wars Celebration VIで披露されたものの、一般向けに放送・配信されないまま棚上げされていた。
2026年7月に開催されたSan Diego Comic-Conでは、ルーカス・ミュージアムの映画プログラムの一環として、完成済みエピソードから選んだ作品を上映することが明らかにされた。9月の開館前プレビューを取材したメディアによると、上映対象は全18セグメントで構成される第1話から第6話までの6話となる。
同館は9月22日、ロサンゼルスのエクスポジション・パークに開館する。一般入館券にはギャラリー、展覧会、劇場への入場が含まれており、「Detours」の鑑賞に別料金のチケットは必要ない。ただし、入館には日時指定券の事前予約が必要となる。
■「スター・ウォーズ」の日常を描くコメディー
「Star Wars: Detours」は、ジョージ・ルーカスと、「Robot Chicken」で知られるセス・グリーン、マシュー・センライヒらが手掛けた作品だ。グリーンは2026年のSan Diego Comic-Conで、ルーカスが構想していたのは「『スター・ウォーズ』の世界を舞台にした『ザ・シンプソンズ』」だったと説明している。
物語の舞台は「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」と「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」の間に当たる時期で、戦争や英雄の活躍ではなく、銀河の日常をコメディーとして描く構成だった。
声優陣には、C-3PO役のアンソニー・ダニエルズ、ランド・カルリジアン役のビリー・ディー・ウィリアムズ、ジャー・ジャー・ビンクス役のアーメド・ベストが参加した。このほか、セス・マクファーレンが皇帝パルパティーン、キャサリン・テイバーがレイア姫、セス・グリーンがオビ=ワン・ケノービを演じている。
グリーンによると、製作が止まるまでに39話が完成し、さらに62話分の脚本が用意されていた。今回上映されるのは、この完成済みエピソードのうち6話であり、シリーズ全体が公開されるわけではない。
■2013年にルーカスフィルムが公開延期
Disneyは2012年10月、ルーカスフィルムを約40億5000万ドルで買収する契約を発表した。その後、ルーカスフィルムは2013年3月、続編映画となる新3部作に重点を置く方針に伴い、アニメーション番組の方向性を見直すと発表した。
ルーカスフィルムは当時、「Detours」が新3部作の製作決定前に企画・製作された作品であり、「エピソード7」の公開前にアニメコメディーを始めることが適切か再検討したと説明した。そのうえで、作品の公開を後日に延期するとしていた。
この発表では正式な中止とはされなかったが、その後も一般向けの放送や公式配信は実現しなかった。一部の映像や完成済みエピソードが非公式にインターネット上へ流出したことはあるものの、今回の美術館上映は、作品の一部を公認の形で一般来館者が鑑賞できる初の機会となる。
■美術館の映画プログラムとして上映
ルーカス・ミュージアムは、ジョージ・ルーカスとメロディ・ホブソンが共同設立した、映像による物語表現を幅広く扱う美術館だ。先史時代の洞窟壁画から絵画、イラスト、コミック、映画、壁画までを、物語を伝える視覚芸術として紹介する。
延べ約30万平方フィートの建物には、10万平方フィートを超える展示空間と30以上のギャラリーが設けられる。開館時には、同館の所蔵品から1300点を超える作品が展示される予定だ。
映画関連では、ロバート・フラハティ劇場とスラヴコ・ヴォルカピッチ劇場の2館を設置する。作品を連続して上映し、来館者が自由に出入りできる展示に近い鑑賞形式を採用する。「Detours」も、この映画プログラムの一部として時間を分けて上映される。
開館記念展示「Star Wars in Motion」では、「スター・ウォーズ」旧6部作に登場した乗り物を軸に、コンセプトデザイン、撮影用小道具、衣装などを紹介する。ルーク・スカイウォーカーのランドスピーダーや、グリーヴァス将軍のホイール・バイクなどが展示対象となる。
■三鷹の森ジブリ美術館と通じる上映形式
特定の美術館を訪れた人だけが作品を鑑賞できる形式は、東京・三鷹の三鷹の森ジブリ美術館にも通じる。同館の映像展示室「土星座」では、スタジオジブリが同劇場のために製作したオリジナル短編アニメーションを上映している。
上映作品には、宮﨑駿が原作・脚本・監督を務めた「めいとこねこバス」などがある。作品を家庭向けの映像商品や配信サービスではなく、展示空間で鑑賞する体験の一部として提供する点で、「Detours」の上映と共通する。
ルーカス・ミュージアムでは、映画を単独の商業作品としてだけでなく、光、動き、音、色、編集を組み合わせた視覚的な物語表現として扱う。「Detours」も未公開テレビシリーズという位置付けに加え、ジョージ・ルーカスが関わった映像表現の一例として来館者に紹介されることになる。
■Disney+などでの配信は発表なし
今回の発表は、「Star Wars: Detours」がDisney+などのストリーミングサービスで配信されることを意味しない。家庭向け映像ソフトの発売も発表されておらず、美術館で上映されない完成済みエピソードの公開予定も明らかになっていない。
現時点で公式に鑑賞できることが確認されているのは、ルーカス・ミュージアムで上映される6話に限られる。上映作品や時間は同館の当日のプログラムに従う必要がある。
長く公開が見送られてきた「Detours」は、全作品ではないものの、完成済みエピソードの一部が14年を経て一般来館者に披露されることになる。グリーンは作品製作について、「文字どおり、これまで経験した中でも最高の体験の一つだったと思う」と振り返っている。
元記事: Star Wars: Detours Opens to Public Sept 22 at Lucas Museum, Not Disney+