虫の浪人が故郷を再建する2Dアクション『AOKAKI』、Kallisti Games第1弾として2027年発売へ
2026年9月8日 18:42
Akupara Gamesは9月6日、10周年記念ショーケース「Akupara Direct」で、新たな出版サブレーベル「Kallisti Games」と、その第1弾タイトル『AOKAKI』を発表した。Concha Indigoが開発するピクセルアートの2Dアクションプラットフォーマーで、PC向けに2027年第2四半期の発売を予定している。
Steamでは無料デモを配信中だ。製品版とデモ版のストア表示では、記事公開時点で日本語への対応は確認できず、製品版の対応言語として英語とブラジルポルトガル語が記載されている。
■等脚類の浪人が荒廃した故郷を取り戻す
『AOKAKI』の主人公は、特撮に着想を得た等脚類の浪人Aokakiである。不名誉を背負って故郷を離れていたAokakiは、帰還した土地が戦争で荒廃し、将軍の軍勢に支配されていることを知る。再び刀を手に取り、かつて友と呼んだ者たちを含む敵に立ち向かっていく。
舞台となるのは、日本の封建時代を思わせる、昆虫や節足動物の姿をした者たちが暮らす世界だ。愛らしい味方と奇抜な敵が登場し、戦闘や探索を進めながら、荒廃した故郷を徐々に再建していく。
戦闘では、刀による攻撃、パリィ、遠距離攻撃の弾き返しを組み合わせる。敵の攻撃を適切なタイミングで受け流すと強力なカウンター攻撃につながり、飛び道具を敵へ跳ね返すこともできる。
移動では、敵や松明、トゲを踏み台にして跳び上がるポゴアクションや、罠を避けながら空中を進むダッシュを使用する。さらにAokakiは体を球状に丸め、高速で転がったり跳ねたりしながら、隠された場所を見つけ、環境を利用したパズルを解いていく。
■生物の特徴をゲームの移動能力に取り込む
主人公のモデルとなった等脚類は、昆虫ではなく甲殻類に属する生物で、身近な例にはダンゴムシやワラジムシがある。ダンゴムシの仲間の一部は、外敵から身を守る際に体を球状に丸める「球形化」と呼ばれる行動を取る。
『AOKAKI』は、この特徴を移動とパズル攻略の能力に取り入れている。体を丸めて弱い部分を保護する生物の行動が、ゲームでは勢いよく転がって障害物を越え、秘密を発見するための操作へ置き換えられた。等脚類ならではの身体構造と、プレイヤーが繰り返し使うアクションが結び付いた設計である。
等脚類の背面を覆う体節は、複数の小さな部材を連ねて構成する日本の甲冑を連想させる。生物がもともと備える装甲のような外見を、浪人の兜や鎧を思わせる輪郭へ落とし込むことで、主人公の姿を一目で把握しやすいキャラクターデザインに仕上げている。
球状への変形、パリィからの反撃、ポゴによる移動は、それぞれ戦闘や探索に使える。複数の操作を状況に応じて組み合わせることが、本作のアクションの中心となる。
■デモ版の意見を受けて戦闘を調整
『AOKAKI』のデモ版は2024年10月に公開された。その後も更新が続けられ、2026年8月の「Attack Rework Update」では、攻撃後にプレイヤーが操作を再開できるまでの時間が短縮された。
この更新では、攻撃を連続して行う際の操作感を改善したほか、デモ版に登場する3体のボスを調整し、新たな攻撃パターンを追加した。映像効果の選択肢や物語を描くカットシーン、村の拠点に登場するキャラクターなども加えられている。
Steamのデモ版ページでは、記事公開時点で44件のユーザーレビューのうち88%が好評としている。この評価は製品版ではなく、無料デモに投稿されたレビューに基づくものだ。
■特撮とレトロゲームに着想を得た世界
開発元のConcha Indigoは、『AOKAKI』を「特撮に着想を得た浪人」を主人公とする作品として紹介している。開発者は主人公のデザインについて、昆虫への関心に加え、『仮面ライダー』や『人造人間ハカイダー』から影響を受けたと説明している。
その発想は、仮面や兜のように見える頭部、装甲をまとったような体、輪郭だけでも判別しやすい主人公の姿に表れている。敵も写実的な生物の再現ではなく、ゲームの世界観に合わせて誇張された造形となっている。
ゲーム全体のゴシック調の美術、ピクセルアート、8ビット風の音楽には、『悪魔城ドラキュラ』からの影響もあるという。レトロゲームを思わせる表現を採用しながら、滑らかなアニメーションや複数の移動能力を組み合わせ、現代的な2Dアクションとして構成している。
プレイヤーは日本風の地域を探索し、Aokakiを強化しながら故郷を再建する。Steamではアクション、アドベンチャー、精密操作型プラットフォーマー、メトロイドヴァニアなどのユーザー定義タグが付けられている。
■Kallisti Gamesが第1弾タイトルとして出版
『AOKAKI』は、Akupara Gamesが新設したKallisti Gamesの第1弾タイトルとなる。Kallistiは、レトロ風、実験的、特定ジャンルの特徴を前面に出した小規模なPCゲームを対象とする、サービス重視のインディー出版レーベルを掲げている。
対象として挙げるジャンルには、プラットフォーマー、ブーマーシューター、シューティング、ベルトスクロールアクション、ハックアンドスラッシュ、メトロイドヴァニア、ポイント&クリック型アドベンチャー、RPG、リアルタイムストラテジー、ターン制ストラテジーなどがある。
Kallistiは、一度に扱う作品数を限定し、各作品に3人の出版チームを割り当てる方針を示している。開発者はAkupara Gamesが持つ出版やマーケティングなどのリソースも利用できるとしている。
■開発者によるIP保持を重視
Kallistiが掲げる出版モデルでは、契約した開発者がゲームの知的財産とクリエイティブ面の主導権を保持する。パブリッシャーが作品の所有権を取得するのではなく、必要な出版サービスを提供する形だ。
収益分配については、ゲームが売り上げを生み始めた後にKallistiが一定割合を受け取るモデルとして説明されている。一方、Kallistiから開発者への前払い金は想定されておらず、少額または資金提供を必要としない小規模なPC作品を主な対象としている。
契約の具体的な分配率、対象経費、契約期間、権利処理などは公表されていない。公開されている方針は、作品の権利を開発者側に残しながら、出版に必要な実務支援を提供するというものだ。
■設立10周年のAkuparaが初の年次ショーケース
今回の発表が行われたAkupara Directは、Akupara Gamesの設立10周年を記念して9月6日に配信された。同社が自社名義で開催する初の年次ショーケースと位置付けられ、インディーゲームを扱うAlpha Beta Gamerが司会を担当した。
Akupara Gamesは『Rain World』『GRIME』『Cryptmaster』『Mutazione』『Desert Child』『The Darkside Detective』などのインディーゲームを出版してきた。Kallisti Gamesはその傘下で、対象を小規模なPC向け作品に絞った新たな取り組みとなる。
『AOKAKI』はPC向けに2027年第2四半期の発売を予定している。Steamでは製品版をウィッシュリストへ登録できるほか、無料デモをダウンロードして、パリィやポゴ、球状への変形を組み合わせたアクションを体験できる。
元記事: Insect Samurai Platformer AOKAKI Is First Title for Akupara Sublabel Kallisti Games