DLSS 5流出版を『Control』で検証、RTX 5070 Tiの4K性能が71fpsから35fpsに

2026年8月30日 18:17

『NBA 2K27』PC版の早期アクセスビルドから、NVIDIAの「DLSS 5 Neural Rendering」に関連するとみられるDLLが発見された。このファイルを使って『Control』にニューラルレンダリングを組み込む非公式実験も行われ、GeForce RTX 5070 Tiの4K環境では、フレームレートが71fpsから35fpsへ約51%低下したと報告されている。

もっとも、使用されたのは正式対応していないゲームにMOD開発者が組み込んだ初期実装で、画質設定や内部レンダリング解像度も明らかにされていない。今回の数値はDLSS 5が単一の消費者向けGPUで動作した初期事例として参考になる一方、正式対応ゲームにおける性能を示すベンチマークではない。

■『NBA 2K27』から158MBのDLLを発見

発端となったのは、2026年8月26日にRenan Maniero氏が『NBA 2K27』PC版の早期アクセスビルド内で発見した「nvngx_dlssnr.dll」というファイルだ。Windows上では「NVIDIA DLSSNR」、バージョン310.8.0.0と識別され、ファイルサイズは約158MB、更新日は同年8月26日と報告されている。

「DLSSNR」は、DLSS 5の中核機能であるNeural Renderingを示す名称とみられる。これに先立ち、GeForceドライバー610.47からは「DLSS-NR」「DLSS-NR Streamline」「DLSS-NR Presets」といったプロファイル項目も発見されていたが、対応するランタイムは一般に確認されていなかった。

約158MBという容量は、近年のDLSS Super Resolution用DLLと比べて大きい。ただし、ファイルサイズだけから内部のモデル構成やパラメータ数を特定することはできない。ニューラルモデルのデータだけでなく、実行コード、複数の処理経路、開発用リソースなどが含まれている可能性もあり、容量の内訳は判明していない。

『NBA 2K27』には、DLSS 5やNeural Renderingを有効にするための設定項目は用意されていない。NVIDIAと2Kも同作をDLSS 5対応タイトルとして発表しておらず、DLLが同梱されていることだけでは、今後の正式対応を裏付けることはできない。

■RenoDX開発者が『Control』で動作させる

DLLの発見後、ゲームの描画処理を変更するMOD環境「RenoDX」の開発者が、このランタイムをRemedy Entertainmentのアクションゲーム『Control』に組み込み、キャラクターモデルへニューラルレンダリングを適用した。

公開された映像では、主人公ジェシー・フェイデンをはじめとするキャラクターの見た目がリアルタイムに変化している。実験用のインターフェースには、トーン、局所的な構造、肌の構造、ニューラルレンダラー全体の強度などを調整するスライダーが設けられていた。

DLSS 5は、ゲームが出力する色情報やモーションベクトルなどを入力として受け取り、学習済みモデルによって光やマテリアルの表現を補強する技術だ。肌に入った光の広がり、髪や布地に対する光の反応、細かな陰影などを処理対象とし、従来の超解像やフレーム生成とは異なり、主に映像の質感や照明表現を変化させる。

今回の実験でも、肌、髪、陰影の見え方に変化が確認できる。一方、効果の強さや選んだスタイルによっては、キャラクターの年齢感や顔立ちの印象まで変わって見える。正式なゲーム統合では、開発者が強度、カラーグレーディング、マスクを調整し、作品の表現意図に沿って適用対象を制御することが重要になる。

■RTX 5070 Tiの4K環境で71fpsから35fpsに

RenoDX開発者から提供された情報を基にした報道によると、GeForce RTX 5070 Tiの4K環境でNeural Renderingを有効にすると、フレームレートは71fpsから35fpsへ低下した。減少率は約51%となる。

別のRTX 5090による4K映像では、91fpsから50fpsへの低下も報告されている。ただし、RTX 5070 TiとRTX 5090の結果が同一の画質設定、モデル、適用範囲、内部レンダリング解像度で測定されたかは確認できないため、両GPUの性能差を比較する用途には適さない。

RTX 5070 Tiのテストについても、DLSS 5の詳細設定や内部レンダリング解像度は公開されていない。71fpsと35fpsという値は、限られた条件で行われた一回の非公式実験の結果であり、再現性を確認できる包括的なベンチマークではない。

また、この実装ではHDRが正常に機能せず、検証はSDR環境に限られたと報告されている。『Control』はDLSS 5に正式対応しておらず、ゲームエンジンやアセットを含めて開発者が調整した実装とも異なる。今回の約51%という低下率を、DLSS 5正式版や将来の対応ゲームにそのまま当てはめることはできない。

■今回の数値をどう捉えるべきか

今回の実験から直接確認できるのは、流出したDLSSNRランタイムを使い、RTX 5070 Tiの単一GPU環境で『Control』のキャラクターにNeural Renderingを適用できたことと、その特定条件では大きな性能低下が生じたことだ。

NVIDIAが2026年3月に披露した初期デモでは、2枚のRTX 5090を用い、うち1枚をニューラルレンダリングの処理に割り当てていた。その後、同社はSIGGRAPH 2026で単一GPUによる処理を披露しており、複数のモデルを場面に応じて使い分ける機能や、シーン内の要素ごとに効果を調整する仕組みも説明している。

NVIDIAの公式説明では、開発者は効果の強度、カラーグレーディング、マスキングを制御し、適用する場所や程度を決められる。正式対応タイトルでは、こうした制御とゲーム側の調整によって、画質と計算負荷のバランスが設定されることになる。

一方、公式資料からは、今回のMODより正式統合の処理負荷がどの程度小さくなるかを数値で判断できない。今回の実装が非公式であることは正式版との違いを考えるうえで重要だが、それだけを根拠に、負荷が大幅に下がると予測することもできない。

■DLSS 5が従来版と異なる点

従来のDLSSでは、低い内部解像度から高解像度の画像を再構成するSuper Resolutionや、レンダリングされたフレーム間に新たなフレームを生成するFrame Generationなど、主に画質とフレームレートを両立させる機能が展開されてきた。

DLSS 5 Neural Renderingは、ゲームから受け取った色情報やモーションベクトルを基に、AIモデルが照明やマテリアルの表現を補強する。NVIDIAによると、出力を元の3Dコンテンツに結び付け、フレーム間の一貫性を保ちながら、肌、髪、布地などの表現を高めることを目標としている。

同社は最大4K解像度でリアルタイムに動作すると説明しているが、GPU別の性能やVRAM使用量、各モデルの処理負荷など、製品選びに必要な詳細はまだ明らかになっていない。正式対応タイトルでの画質、フレームレート、操作遅延を含む検証が、実用性を判断する材料となる。

■判明したことと残る疑問

『NBA 2K27』から見つかったDLLは、一般に入手可能なゲームビルドにDLSS 5関連のランタイムが含まれた初期事例とみられる。ただし、同作には有効化するための設定がなく、正式対応も発表されていない。

『Control』での実験により、DLSS 5 Neural Renderingを単一のRTX 50シリーズGPUで動かし、キャラクターモデルの見た目をリアルタイムに変化させられることが示された。同時に、RTX 5070 Tiの4K環境では71fpsから35fpsへ低下するという、無視できない処理負荷も報告された。

今後の焦点は、正式なSDKとゲーム側のデータを使った統合で、画質と負荷がどう変わるかにある。GPUごとの性能、VRAM使用量、複数のニューラルモデルによる負荷の違い、開発者が設定した適用範囲による差も、今回の実験だけでは分からない。

NVIDIAはDLSS 5を2026年秋に提供する予定だ。今回の結果は、正式提供前のランタイムが消費者向けGPUで動作した初期データとして注目されるが、購入判断やGPU間の比較には、対応ゲームに正式統合された状態での検証を待つ必要がある。

元記事: DLSS 5 Bleeds Frames in First Consumer Test: 71 to 35 FPS on RTX 5070 Ti

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