AMD資料に「Olympic Ridge」と「Medusa1」、次世代RyzenのAM5継続を示す記載

2026年8月28日 13:38

AMDの技術情報ポータルに、次世代クライアントプロセッサとみられる「Olympic Ridge」と「Medusa1」をSocket AM5に関連付ける製品区分が一時掲載されていたことが分かった。AMDは両製品の仕様や発売時期を正式発表しておらず、既存のAM5マザーボードが実際に対応するかどうかも明らかになっていない。

■AMDのポータルに4つの製品区分

AMDのTechnical Information Portalで確認された検索用の製品区分では、デスクトップ向けとして「AM5 Olympic Ridge」と「AM5 Medusa1」、モバイル向けとして「FP10 Medusa1」と「FP10 Medusa2」が掲載されていた。ハードウェア情報を追跡するInstLatX64が2026年8月26日に画面を記録し、その後、複数のハードウェア専門メディアが報じた。該当する項目は現在、一般向けの検索画面から確認できない。

この記載から読み取れるのは、Olympic RidgeがAM5向け、Medusa1がAM5とモバイル向けFP10の双方、Medusa2がFP10向けとしてAMDの資料上で分類されていたことだ。製品名、コア数、製造プロセス、消費電力、価格、発売日などを確定する製品発表ではない。

一方、AMDの技術者がLinuxカーネル開発者向けに提出したパッチには、Family 1Ahのクライアント製品として、Medusa1がModels 80h~87h、Olympic RidgeがModels 88h~8Fh、Medusa2がModels E0h~E3hと記載されている。ポータルの製品区分とLinuxパッチを合わせることで、3つのコードネームと対象プラットフォームの関係が見え始めた形だ。

■Olympic RidgeはAM5向けデスクトップCPUとして準備か

Olympic Ridgeは、Zen 6世代のデスクトップ向けRyzenに使われると報じられてきたコードネームだ。今回のポータルではデスクトップ製品としてAM5に関連付けられており、AMDが次世代のデスクトップCPUを現行ソケット向けに準備していることを示す有力な手掛かりとなる。

ただし、ポータルとLinuxパッチはCPUの内部構成を明らかにしていない。これまでのリークでは、CCDと呼ばれる演算用チップレットが最大12コアとなり、2基を組み合わせた最大24コア構成が用意される可能性や、CCDにTSMCの2nm級プロセスを採用する可能性が伝えられている。いずれもAMDがクライアント向け製品の仕様として発表したものではない。

Olympic Ridgeが、現行のデスクトップ向けRyzenに搭載されている小規模な内蔵GPUを省き、代わりにAI処理用のNPUをI/Oダイへ組み込むとの情報もある。この情報の出発点は2026年6月に投稿されたリークであり、今回見つかったAMD資料にはiGPUやNPUについての記載はない。

リーク通りにiGPUがなくなれば、Olympic Ridgeを使うシステムでは画面出力のためにグラフィックスカードが必要になる。一方、NPUの有無や性能、対応するAI機能について判断できる公式情報はまだ示されていない。

■Medusa1はAM5とFP10の双方に記載

Medusa1は、AMDのポータルでAM5向けデスクトップ製品とFP10向けモバイル製品の双方に分類されていた。同じコードネームを基礎とする製品を、交換可能なデスクトップ向けと、ノートPCなどのモバイル向けに展開する計画があることをうかがわせる。

MedusaはZen 6世代のAPUになると報じられており、CPUに加えて内蔵GPUやNPUを備える構成が予想されている。ただし、今回の資料だけではAM5版Medusa1のダイ構成やグラフィックス機能、モバイル版との仕様差までは確認できない。現行のRyzen 8000Gシリーズの直接的な後継になるとの位置付けも、AMDから発表されていない。

Medusa2はFP10向けとしてのみ掲載され、今回確認された資料にはAM5版がない。このため、少なくとも現時点の資料上ではモバイル向けに限定された製品区分となっている。

■AM5は2029年までサポート

AMDは2026年5月のComputexに合わせ、Socket AM5のサポートを2029年まで延長すると発表した。AM5は2022年にRyzen 7000シリーズとともに登場し、その後、Ryzen 8000GシリーズやRyzen 9000シリーズでも採用されている。

今回確認されたOlympic RidgeとMedusa1の記載は、AMDが公表していたAM5の長期サポート方針に沿うものだ。これまで世代名を特定しない形で示されていた将来のアップグレード方針に、具体的なコードネームが結び付いた点に意味がある。

もっとも、AM5向けとして設計されていることと、販売済みのすべてのAM5マザーボードで動作することは同義ではない。新しいCPUを認識して初期化するには、対応するBIOSやAGESAが必要になる。更新が提供される製品や対応開始時期は、マザーボードメーカーが今後公開するCPUサポートリストで確認する必要がある。

特定のB650、X670、X870などがOlympic RidgeやMedusa1に対応するとの発表はまだない。BIOSの記憶容量だけでなく、電源回路や各メーカーの製品サポート方針も関係するため、チップセット名だけで対応可否を判断することはできない。

■未確定の仕様と発売時期

今回のAMD資料とLinuxパッチから確認できるのは、コードネーム、プロセッサ識別用のモデル範囲、AM5またはFP10との関連付けまでだ。個別のRyzen製品名、コア数、クロック周波数、TDP、キャッシュ容量、NPUや内蔵GPUの構成、価格は確認できない。

Olympic Ridgeが2027年に登場し、CES 2027で発表されるとの予想もハードウェアメディアで伝えられているが、AMDはクライアント向けZen 6製品の発売日を公表していない。「Ryzen 10000」などのシリーズ名も確定していないため、正式な製品情報は今後の発表を待つ必要がある。

AMDはサーバー向けZen 6製品として、開発コードネーム「Venice」の第6世代EPYC 9006シリーズを2026年7月に発表した。これによりZen 6アーキテクチャ自体は正式な製品段階に入っているが、Olympic RidgeやMedusaの仕様を直接示すものではない。

■注目ポイントQ&A

●手持ちのAM5マザーボードでOlympic RidgeやMedusa1は動作しますか?

現時点では製品ごとの対応は確認できません。両コードネームはAM5に関連付けられていますが、実際の動作にはマザーボードメーカーが提供する対応BIOSが必要です。正式発表後に、使用しているマザーボードのCPUサポートリストを確認してください。

●Olympic Ridgeでは内蔵GPUが廃止されるのですか?

内蔵GPUを省き、NPUを搭載するとのリークが報じられていますが、AMDは確認していません。今回見つかったポータルの記載にも、iGPUやNPUの構成を示す情報はありません。

●Olympic RidgeとMedusa1の違いは何ですか?

AMDの資料では、Olympic RidgeはAM5向けデスクトップ製品、Medusa1はAM5向けデスクトップ製品とFP10向けモバイル製品の双方として分類されています。チプレットCPUとAPUという詳しい位置付けや、コア数、内蔵GPUなどの仕様は正式発表されていません。

●次世代のデスクトップ向けRyzenはいつ発売されますか?

AMDはOlympic RidgeやMedusa1の発売時期を公表していません。2027年やCES 2027での発表を予想する報道はありますが、現時点では未確認の見通しです。

元記事: AMD Portal Confirms Zen 6 CPU Families for AM5: Olympic Ridge and Medusa Disclosed

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