次期Snapdragon「SM8975」がGeekbenchに登場、最大5.01GHzも試作機の性能評価は慎重に

2026年8月26日 16:31

Qualcommの未発表プロセッサ「SM8975」を搭載したvivoの試作端末とみられる機器がGeekbenchに登録され、CPUの最大周波数として5.01GHzが記録された。テスト結果はシングルコア3,434、マルチコア9,334で、現行のSnapdragon 8 Elite Gen 5を搭載した一部端末の結果を下回っている。ただし、チップの正式名称、製造プロセス、搭載製品はいずれもQualcommから発表されておらず、今回の1件だけで量産版の性能を判断することはできない。

■最大5.01GHzの8コアCPUをGeekbenchで確認

Geekbench 6.7.1に登録された端末のモデル番号は「vivo V2606A」で、プロセッサ名は「QTI SM8975」と記載されている。CPUは3つのクラスターで構成され、最大5.01GHzの2コア、4.03GHzの3コア、3.74GHzの3コアを備える。搭載メモリは約14.87GB、OSはAndroid 17と表示されている。

V2606Aは未発表の「iQOO 16」に当たるとの見方が報じられているが、iQOOは端末名や仕様を正式発表していない。SM8975についても、次世代Snapdragon 8 Eliteシリーズの上位版に当たるとみられているものの、製品名として報じられている「Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6」や「Snapdragon 8 Elite Gen 6 Pro」は未確定である。

今回の結果では、シングルコアが3,434、マルチコアが9,334となった。最大5.01GHzという表示に対してスコアが伸びていないように見えるが、Geekbenchの最大周波数はCPUがテスト全体を通じて維持した動作周波数を意味しない。

ベンチマークの周波数データを分析した報道では、テスト中の高性能コアはおおむね4.59〜4.60GHzで動作していたとされる。一方、端末の冷却状態、電力制限、ファームウェアの完成度など、周波数が低下した具体的な要因は公開データだけでは特定できない。

■前世代を下回るスコアをどう見るか

Snapdragon 8 Elite Gen 5の通常版は最大4.6GHzで動作する。今回のSM8975のスコアは、同チップを搭載した市販端末で報告されているGeekbench 6の平均的な結果を下回る水準だ。

もっとも、ベンチマークのスコアはSoCの設計だけで決まるものではない。端末の冷却機構、電力設定、OS、ファームウェア、バックグラウンド処理などにも左右される。今回登録されたV2606Aの製品状態やテスト条件は明らかになっていないため、量産端末との直接比較には適していない。

また、5.01GHzは登録情報上の最大周波数であり、市販端末が高負荷時にこの周波数をどの程度維持できるかは分からない。短時間のピーク周波数と、継続的な処理性能や電力効率は分けて評価する必要がある。

■N2P採用説は未確認

SM8975はTSMCの性能強化版2nmプロセス「N2P」で製造されるとの情報が出ている。N2Pを含むTSMCの2nm世代は、従来のFinFETに代わって全周ゲート型のナノシートトランジスタを採用する。

TSMCによると、N2Pは基本となるN2と同じ設計ルールを維持しながら、N2より約5%高い性能を目指す。N3Eとの比較では、同じ消費電力で18%の高速化、同じ速度で36%の消費電力削減を掲げている。NanoFlexと呼ばれる標準セル設計も採用し、回路ブロック内で性能、消費電力、面積のバランスを調整しやすくする。

こうした製造技術は周波数や電力効率を高める設計上の余地を広げるが、SM8975が実際にN2Pを使用しているかは正式発表を待つ必要がある。5.01GHzという数値だけから、製造プロセスや量産端末の電力効率まで確定することはできない。

■流出したAnTuTuスコアは未検証

SM8975を搭載した機器がAnTuTu V11.1.4で総合483万5,412点を記録したとするスクリーンショットも、Digital Chat Stationによって公開されている。内訳はCPUが136万8,930点、Adreno 850と表示されたGPUが185万4,826点だった。

ただし、この結果はAnTuTuのデータベースから確認できないと報じられており、現時点では検証済みのベンチマーク結果として扱えない。端末名、動作条件、ファームウェアの状態も明らかではない。

AnTuTuはCPUだけでなく、GPU、メモリ、ストレージ、ユーザー体験に関する処理を含む総合ベンチマークである。そのため、CPU中心のGeekbenchとは評価対象が異なり、両者の総合点を直接対応させることはできない。流出したAnTuTu結果は次世代チップの性能を推測する材料の一つではあるが、量産版の性能を示す確定値ではない。

■正式名称と搭載端末は今後発表へ

Geekbenchの公開ページから確認できるのは、QTI SM8975という識別名、CPUのコア構成と最大周波数、スコア、メモリ容量、Androidのバージョンなどに限られる。Adreno 850、LPDDR6、TSMC N2Pといった詳細仕様は、Qualcommの公式仕様としては発表されていない。

SM8975の搭載候補として、iQOO 16、OnePlus 16、XiaomiやHONORの次期上位端末などが報じられている。ただし、各メーカーがSM8975の採用や発売日を正式に発表したわけではないため、現段階では搭載が予想される機種として区別する必要がある。

Qualcommは、Snapdragon Summit 2026を米ハワイ州マウイ島で2026年9月22日から24日まで開催する。イベントの日程は公式に案内されているが、SM8975の正式名称や仕様、発表内容までは公表されていない。

今回のGeekbench登録からは、Qualcommが最大5GHzを超えるCPU構成を試験している可能性が読み取れる。一方、購入判断に重要な持続性能、消費電力、発熱、搭載端末の冷却設計は量産機ごとに異なる。正式仕様と市販端末を使った複数の検証結果がそろうまでは、最大周波数と1件の初期スコアを分けて見る必要がある。

■注目ポイントQ&A

●Geekbenchで5.01GHz動作が確認されたのですか?

公開ページには、SM8975の最上位クラスターを構成する2コアの最大周波数として5.01GHzが記載されています。ただし、テスト全体を通じて5.01GHzを維持したことを示す数値ではありません。

●スコアがSnapdragon 8 Elite Gen 5より低いのはなぜですか?

端末の冷却、電力設定、ファームウェア、テスト時の状態などが影響した可能性があります。ただし、公開情報だけでは原因を特定できず、試作機の保守的な制御が原因だと断定することもできません。

●SM8975はTSMCのN2Pで製造されるのですか?

N2Pを採用するとの情報は報じられていますが、Qualcommは製造プロセスを正式発表していません。現段階では未確認情報です。

●流出した約483万点のAnTuTu結果は信頼できますか?

スクリーンショットの数値は報じられていますが、AnTuTuのデータベースでは確認できないとされています。テスト条件も不明なため、検証済みの性能値としては扱えません。

●正式発表はいつですか?

QualcommはSnapdragon Summit 2026を2026年9月22日から24日までマウイ島で開催します。ただし、SM8975を同イベントで発表することや、正式な製品名はまだ明らかにしていません。

元記事: Snapdragon 8 Elite Extreme Gen 6 Confirms 5GHz on Paper, but Telemetry Reveals 4.6GHz Reality

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