【NTT株2年3カ月ぶり高値】最終減益予想でも増配は続くのか

2026年8月26日 14:11

 NTT株が24日、一時167.4円まで上昇した。2024年5月以来、約2年3カ月ぶりの高値となった。終値は166.5円だった。楽天証券のNISA口座で保有残高1位の銘柄が、通期の最終減益予想を出しながら16期連続の増配を予定している。

■株主339万人が持つ株

 NTTは個人投資家が支える銘柄である。会社の開示によると、株主数は6月30日時点で約339万人にのぼる。発行済株式の32.95%は「個人その他」が持ち、このうちNTTが保有する自己株式を除いた個人の保有比率は約22.9%となる。楽天証券のNISA口座では、国内株式の保有残高で1位に立つ。

 株式の3分の1近くは政府と地方自治体が持っている。保有比率は32.25%になる。個人保有と合わせて発行済株式の過半数を占める。

■株価は2カ月で16.8%上がったが通期予想は減益

 株価は6月下旬を底に切り返した。6月23日につけた安値142.6円から、2カ月で16.8%上げた。通信株は値動きの小さい銘柄とみられてきたが、実際には短期間で大きく動いた。

 6日には第1四半期決算を発表した。営業収益は3兆6,177億円で10.9%増えた。営業利益も4.9%伸びている。数字の上では好調な滑り出しである。

 ところが通期の見通しは明るくない。会社予想では営業利益が0.2%増にとどまる。最後に手元へ残る利益にあたる当社帰属当期利益は9,800億円で、5.5%の減益となる。増収と営業増益の一方で、最終利益だけが減る形である。

■増配幅は3期連続で0.1円

 増配は途切れにくい設計になっている。会社予想の年間配当は5.40円で、前期は5.30円だった。0.10円の増配は3期連続で、今回の増配率は1.9%となる。

 小さな増配幅は、利益が伸びなくても払える水準を意味する。利益のうちどれだけを配当に回したかを示す配当性向は44.6%になる。予想1株利益12.10円のうち、配当に使うのは半分以下にとどまる。

 自社株買いも配当を支える。NTTは2027年3月末までに2,000億円を上限として自社株を買うと開示した。買った株の分だけ株数が減れば、1株当たりに配る配当は出しやすくなる。

 ただし増配率1.9%では、株価の上昇に配当が追いつかない。24日終値での配当利回りは3.24%まで下がった。高い利回りを狙う銘柄としての魅力は、株価が上がるほど薄れていく。(記事:中村葵・記事一覧を見る

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