Netflix実写版『ONE PIECE』シーズン3、新キャスト4人発表―ペルとチャカから読み解くアラバスタ

2026年8月25日 21:44

Netflixシリーズ実写ドラマ版『ONE PIECE』シーズン3「ONE PIECE: THE BATTLE OF ALABASTA」に出演する新キャスト4人が発表された。コーザ役をエミリオ・サクラヤ、トト役をオミッド・アブタヒ、ペル役をジェイミー・ウォード、チャカ役をナビール・カーンが演じる。

シーズン3は2027年にNetflixで世界独占配信される予定だ。具体的な配信日は発表されていない。南アフリカで行われた撮影はすでに終了している。

■アラバスタを支える4人のキャスト

コーザは、王女ビビの幼なじみであり、内戦の危機に揺れるアラバスタで反乱軍を率いる人物だ。Netflixの実写版では、『ラインゴールド』や『Those About to Die』などに出演したエミリオ・サクラヤが演じる。

コーザの父トトを演じるのは、『マンダロリアン』や『アメリカン・ゴッズ』で知られるオミッド・アブタヒだ。トトは砂漠の街ユバに残り、干ばつに直面しながらも水を求めて井戸を掘り続ける。国の混乱が市民の生活に及ぼした影響を伝える人物でもある。

アラバスタ王国護衛隊副官のペル役には、『ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤』や『ジェントルメン』に出演したジェイミー・ウォードが起用された。ペルは「トリトリの実 モデル“隼(ファルコン)”」の能力者で、原作ではアラバスタ最強の戦士とされている。

同じく護衛隊副官で、「イヌイヌの実 モデル“ジャッカル”」の能力者であるチャカは、ナビール・カーンが演じる。カーンは『マンデラ 自由への長い道』や『ストライクバック』などに出演してきた。

■隼とジャッカルが連想させるエジプト神話

砂漠の王国アラバスタには、古代エジプトを思わせる風景や意匠が数多く登場する。なかでもペルとチャカは、それぞれ隼とジャッカルの力を持ち、作中でもアラバスタの守護神として位置付けられている。

古代エジプトの神々に目を向けると、隼の姿と深く結び付くホルスは王権や天空を象徴し、現世の王を守る神として信仰された。一方、ジャッカルの頭を持つアヌビスは、葬送や死者の世界に関わる神として知られる。

こうした図像を重ねれば、ペルとチャカの動物形態には、王国を異なる側面から守る二つの存在というイメージを見いだせる。原作者が両者をホルスとアヌビスに対応させたとする公式な説明は確認できないため、これは作品に盛り込まれた動物表現を読み解くための補助線となる。

ペルが爆弾を抱えて上空へ飛び、王国を守ろうとする場面も、ファルコンという能力と「守護神」としての役割を強く結び付けている。後に明らかになる生還を特定の神話から導かれた展開と断定することはできないが、天空や王権を守る隼のイメージを重ねることで、この場面の象徴性をより深く味わえる。

■クロコダイルと王国を覆う偽り

アラバスタ編では、王下七武海のサー・クロコダイルが英雄を装いながら、秘密犯罪会社バロックワークスを通じて王国の分断を進める。表向きの守護者と、国を内側から揺るがす首謀者という二面性が、物語の対立を形作っている。

クロコダイルという名や姿からは、古代エジプトで崇拝されたワニの神セベクを連想することもできる。セベクは力や王権、ナイル川などと結び付いた神であり、地域や時代によってさまざまな性格を与えられた。

作品内で明確なのは、クロコダイルが人々の不満と誤解を利用し、国王軍と反乱軍の双方を衝突へ導いたことだ。今回発表されたコーザ、トト、ペル、チャカは、それぞれ民衆、被災地、王国の守備という異なる立場から、この策略によって揺れるアラバスタを描く人物となる。

■ダンスパウダーと人工降雨に通じる発想

アラバスタ編で内戦の引き金となるのが、人工的に雨を降らせる「ダンスパウダー」だ。作中では、使用した場所に雨を集中させる一方、風下の地域から雨を奪う物質として説明されている。

尾田栄一郎はコミックス第30巻の質問コーナー「SBS」で、ダンスパウダーのモデルとしてヨウ化銀を挙げている。ヨウ化銀は、人工降雨の一種であるクラウドシーディングに利用されてきた物質だ。

氷点下でも液体のまま存在する水滴を含む雲にヨウ化銀などの粒子を散布すると、氷の結晶が形成されやすくなり、条件が整えば雨や雪として落下する可能性が高まる。既存の雲の内部過程に働きかける技術であり、雲や水蒸気を何もない場所から作り出すものではない。

クラウドシーディングの効果は、雲の種類や気温、風、地形などに左右される。特定の条件下で降水を増やす因果関係を示した研究はあるものの、ダンスパウダーのように広範囲の水分を確実に奪い、別の地域へ移す仕組みが確立されているわけではない。

それでも、限りある水を誰が管理し、人工的な降水が周辺地域にどのような影響を与えると受け止められるのかという問題は、現実の気象改変にも通じる。ダンスパウダーは、技術そのものだけでなく、情報操作によって水不足への不満を政治的対立へ変える装置として重要な役割を果たしている。

■気象改変が軍事利用された歴史

気象改変技術が軍事目的で試みられた事例として、ベトナム戦争期に米国が実施した「ポパイ計画」がある。米国政府の公文書によれば、雲への種まきによって降雨を増やし、北ベトナムから南へ続く補給路の通行を妨げることが目的とされた。

その後、軍事目的または敵対的な環境改変を規制する議論が進み、国連総会は1976年に環境改変技術敵対的使用禁止条約を承認した。条約は、広範、長期的または深刻な影響をもたらす環境改変技術を、破壊や損害の手段として軍事的または敵対的に使用することを禁じている。

現在も各国で降水量の増加や降ひょう被害の抑制などを目的とした気象改変事業が行われている。一方で、その効果を自然の変動から切り分けて評価することは難しく、周辺地域への影響をめぐる疑念が国家間や地域間の不信につながる場合もある。

人工の雨をめぐる科学、政治、情報操作を一つの物語に組み込んだことが、アラバスタ編に現在まで通じる読み応えを与えている。シーズン3では、干ばつと内戦の背景が実写映像でどのように再構成されるかも注目点となる。

■2027年配信、詳細な日程は未発表

シーズン3には、すでに発表されているボン・クレー役のコール・エスコーラ、ポートガス・D・エース役のショロ・マリデュエニャ、Mr.1役のアウドゥ・アウドゥ、ミス・ダブルフィンガー役のデイジー・ヘッドも出演する。

ルフィ役のイニャキ・ゴドイをはじめ、ゾロ役の新田真剣佑、ナミ役のエミリー・ラッド、ウソップ役のジェイコブ・ロメロ、サンジ役のタズ・スカイラーも続投する。内戦の危機にあるビビの祖国を舞台に、麦わらの一味とバロックワークスの対決が描かれる。

●実写版『ONE PIECE』シーズン3で新たに発表されたキャストは誰ですか?

コーザ役のエミリオ・サクラヤ、トト役のオミッド・アブタヒ、ペル役のジェイミー・ウォード、チャカ役のナビール・カーンです。

●ペルとチャカはエジプト神話の神をモデルにしているのですか?

ペルの隼はホルス、チャカのジャッカルはアヌビスを連想させます。ただし、両キャラクターがそれぞれの神を直接モデルにしているという原作者の公式説明は確認されていません。作品を読み解くための神話的な比較として捉えられます。

●ダンスパウダーは実在する技術を参考にしていますか?

尾田栄一郎はコミックス第30巻のSBSで、ダンスパウダーのモデルとしてヨウ化銀を挙げています。ヨウ化銀は、条件の整った雲で雨や雪の形成を促すクラウドシーディングに使われてきました。

●クラウドシーディングは別の地域から雨を奪うのですか?

周辺や風下への影響については研究が続いていますが、別の地域の雨を確実に奪うという仕組みは確立されていません。効果は雲や気象条件によって大きく変わります。

●実写版シーズン3はいつ配信されますか?

Netflixで2027年に世界独占配信される予定です。具体的な配信日はまだ発表されていません。

元記事: One Piece Season 3 Cast Confirmed: Alabasta Hides Horus, Anubis, and Weaponized Rain

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