Appleの折りたたみiPhone、ヒンジと大画面UIに好感触か―価格は30万円超との見方
2026年8月25日 21:44
Appleが開発していると報じられている初の折りたたみiPhoneについて、発売前の端末を使用した複数の関係者が、ヒンジの感触や携帯性、大画面向けのユーザーインターフェースを評価したという。一方、背面カメラには望遠レンズを搭載せず、価格は2,000ドル(約31万8,000円、1ドル=159円換算)以上になる可能性が伝えられている。
この端末はApple社内で「iPhone Ultra」と呼ばれているとされるが、Appleは2026年8月25日時点で製品名、仕様、価格、発売日、日本での提供について正式に発表していない。
■試用者が評価したヒンジと大画面の使い勝手
BloombergのMark Gurman記者がニュースレター「Power On」で報じたところによると、発売前の端末を実際に使用した複数の関係者は、折りたたんだ状態でもポケットに収まることや、ヒンジの感触、耐久性を感じさせる作りに好意的な反応を示したという。
端末を開いた際には、内側の大型ディスプレイを生かしたiPad風のアプリレイアウトが表示されるとされる。試用者はこの画面構成についても肯定的に評価しており、写真撮影時の大型ファインダーとして使いやすいとの感想も伝えられている。
もっとも、発売前の限られた試用者による感触は、長期間にわたる開閉への耐久性や、一般的な使用環境での品質を示す試験結果ではない。ヒンジの経年変化、画面の折り目の見え方、落下や異物に対する耐性などは、製品の発表後に確認すべき要素となる。
■ヒンジ素材にはアモルファス合金を採用か
折りたたみiPhoneのヒンジには、一般に金属ガラスとも呼ばれるアモルファス合金を使用するとの予測がある。この材料は、規則的な結晶構造を持つ一般的な金属とは異なり、原子が長距離にわたって規則正しく並んでいない構造を持つ。
アモルファス合金には高い強度や大きな弾性限界を示す種類があり、精密な部品を成形しやすい点も特徴とされる。一方、疲労特性は合金の組成、製造方法、部品の形状、表面の欠陥などに左右される。結晶粒界を持たないことだけを理由に、ヒンジの緩みや疲労亀裂を防げるとは断定できない。
Appleは2010年、Liquidmetal Technologiesの知的財産を家電分野で利用するための、恒久的かつ全世界を対象とする独占ライセンスを取得した。アナリストのMing-Chi Kuo氏は2025年、Appleが折りたたみiPhoneのヒンジ部品に液体金属と呼ばれるアモルファス合金を使用し、Dongguan EonTecが主要な供給企業になるとの見方を示している。ただし、今回の端末に使われる具体的な合金、部品構成、耐久試験の結果はAppleから公表されていない。
■2,000ドル超とされる価格で望遠カメラは非搭載か
購入時の大きな検討材料になりそうなのがカメラ構成だ。報道によれば、背面には4,800万画素のメインカメラと超広角カメラを搭載する一方、専用の望遠カメラは備えない見込みである。
内側の大型画面をファインダーとして利用できることは、構図や撮影画像を確認するうえで折りたたみ端末ならではの利点になる。一方、離れた被写体を光学的に大きく撮影したい利用者にとって、専用望遠カメラの有無は使い勝手を左右する。
価格は2,000ドル以上、一部の構成では2,500ドルを超える可能性も報じられている。米国で2,000ドルの場合、指定レートによる単純換算では約31万8,000円となるが、日本での価格には為替、税、販売施策などが反映されるため、正式価格は発表を待つ必要がある。
■生体認証は電源ボタン内蔵のTouch IDとの見方
生体認証には、Face IDではなく、電源ボタンに組み込んだTouch IDを採用する可能性が伝えられている。端末を開いた状態の厚さを約4.5ミリに抑える設計とされており、限られた内部空間をどのように配分するかが背景にあるとみられる。
Touch IDは指でセンサーに触れる認証方式で、顔を端末へ向けるFace IDとは操作方法が異なる。どちらを使いやすいと感じるかは、端末を机に置いて使う場面や、折りたたんだ状態で手に持つ場面などによって変わりそうだ。
内側ディスプレイは約7.8インチ、外側は約5.5インチになると報じられている。折りたたんだ状態ではスマートフォンとして使い、開いた状態では映像、ゲーム、文書、複数の情報を表示する広い作業領域として使う構成が想定されている。
■発表時期と日本での発売は未確定
折りたたみiPhoneは、2026年9月にiPhone 18 Proシリーズとともに発表されるとの見方が出ている。ただし、予約開始日や発売日、通常のiPhoneと同時に出荷されるかどうかについては情報が一致していない。
日本での製品名、価格、発売日、通信事業者による取り扱いも発表されていない。このため、具体的な予約日や日本での発売時期を前提に購入計画を立てられる段階にはない。
■Apple参入を見込んで成長予測が上向く折りたたみ市場
市場調査会社IDCは2025年12月、世界の折りたたみスマートフォン出荷台数が2026年に前年比30%増加すると予測した。Appleの折りたたみiPhoneについては、初年度に台数ベースで22%を超えるシェアを獲得するとの見通しを示している。
Counterpoint Researchは別の予測で、2026年の折りたたみスマートフォン出荷台数を前年比21%増、Appleのシェアを25%と見込んでいる。予測値には差があるものの、両社ともAppleの参入が折りたたみ端末への関心と競争を押し上げる要因になるとみている。
試用者の評価から見えてきたのは、ポケットに収まる端末を開き、より広い画面へ切り替えるという基本体験への好感触だ。最終的な判断材料になるのは、正式な価格と仕様に加え、ヒンジや画面の長期耐久性、バッテリー持続時間、カメラ性能、修理条件などである。なかでも、大画面による新しい使い方と、望遠カメラを備えない構成とのどちらを重視するかが、高価格帯の初代モデルを選ぶ際の焦点になりそうだ。
■注目ポイントQ&A
●折りたたみiPhoneのヒンジは十分に検証されているのですか?
発売前の端末を使用した複数の関係者が、感触や耐久性を感じさせる作りを評価したと報じられています。ただし、長期間の使用や規定回数の開閉後の状態を示す試験結果は公表されていません。
●ヒンジにリキッドメタルが使われるのですか?
アナリストは、ヒンジ部品に液体金属と呼ばれるアモルファス合金が採用されると予測しています。Appleは関連する知的財産のライセンスを保有していますが、今回の製品に使われる材料や部品構成は正式発表されていません。
●望遠カメラは搭載されないのですか?
現在の報道では、背面カメラはメインと超広角の2眼構成で、専用望遠カメラは搭載されない見込みです。最終的な仕様はAppleの発表で確認する必要があります。
●日本ではいつ、いくらで購入できますか?
2026年8月25日時点で、日本での製品名、価格、予約開始日、発売日、販売方法は発表されていません。2,000ドルという金額は予想される米国価格で、日本での販売価格ではありません。
元記事: iPhone Ultra Hinge Passes First Human Test; No Telephoto at $2,000-Plus