為替介入でオルカン・S&P500投信の含み益減 円高のメリットは?

2026年8月6日 15:34

 日米が7月31日、協調して円買い介入に踏み切った。ドル円は介入を受けて急速に円高へ振れ、介入に伴う円高が基準価額に反映された8月3日にはオルカンなど、S&P500や全世界株式に連動する為替ヘッジなしの投信は軒並み下落した。米国株は最高値圏にあるのに、なぜ含み益が減ったのか。円で投資する人にとっての損得を整理する。

■なぜ円高で投信が下がるのか

 オルカンやS&P500連動投信の多くは、為替ヘッジを行わない。投資信託が保有する海外株式の価値は、日々の為替レートを使って円に換算され、基準価額に反映される。そのため、海外株の価格が変わらなくても、円高になれば円換算した評価額は下がる。オルカンは日本株も含むが、海外株の割合が高く、ドルを中心にユーロなど複数通貨の影響を受ける。

 仮に1万ドル分の米国株を持っているとする。1ドル158円なら円換算で158万円だが、155円になれば155万円だ。ドル建ての株価が動かなくても、円に直した評価額は3万円減る。円高とは円の価値が上がることであり、裏を返せばドル資産を円に換算した評価額が減ることを意味する。

■円高のメリットとデメリット

 デメリットは、保有分の目減りだ。介入後、国内のS&P500や全世界株に連動する投信も、円高を受けて下落した。米国株そのものは高値圏にあったにもかかわらずである。

 S&P500がドル建てで上昇しても、同時に円高が進めば、円建て投信の上昇は小さくなる。7月まで円安が基準価額を押し上げていたのとは、逆の構図だ。一方、円高で基準価額が下がれば、積立中の人は同じ1万円でより多くの口数を買える。保有分には逆風だが、これから買う分には取得価格を抑える方向に働く。

■株価と為替のどちらが動いたか

 為替の影響を抑える選択肢として、為替ヘッジのある投信も存在する。ただし、日本と海外の金利差などに応じたコストがかかり、基準価額の重荷になる場合もある。

 円高は保有資産の含み益を削る一方、基準価額が下がれば、今後の積立で購入できる口数は増える。円高を単純な損と捉えず、基準価額が動いたときは、株価と為替のどちらが原因なのかを確認したい。(記事:中村葵・記事一覧を見る

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