タナベ Research Memo(7):2027年3月期も成長投資を継続しながら増収増益を目指す
2026年7月30日 11:07
*11:07JST タナベ Research Memo(7):2027年3月期も成長投資を継続しながら増収増益を目指す
■タナベコンサルティンググループ<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0964400?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><9644></a>の今後の見通し
1. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.6%増の17,200百万円、営業利益で同4.7%増の1,900百万円、経常利益で同3.1%増の1,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同5.0%増の1,155百万円と増収増益基調が続く見通しである。
地政学リスクの高まりや物価上昇、情報セキュリティ対策、DX/AX、事業承継・M&A等、企業の経営課題が山積するなかで、引き続きグループ各社の総合力を生かして、こうしたニーズを取り込み成長につなげていく。費用面では、人的資本投資やブランディング投資、DX/AX投資等の成長投資を継続するが、高付加価値案件の取り組み強化による売上総利益率の改善や、生成AIの全社的活用による業務効率の向上により吸収し、営業利益率も前期並みの水準を維持する計画だ。なお、期末従業員数については890名と前期末比で5.6%の増加を見込んでいる。
2025年から全社的にAIエージェントを導入しており、間接部門の生産性向上が見込まれるほか、新規顧客の創出並びに既存顧客に対するクロスセル提案等にも活用し、営業の生産性向上と売上拡大に寄与する取り組みとして注目される。具体的には、企業が開示している有価証券報告書や統合報告書、Webサイト等から、各企業が抱えている経営課題や今後のビジョン等を抽出する。そのうえで、同社がこれまで蓄積してきた数多くの経営コンサルティングメソッドをベースに最適な提案を行うサポートを生成AIで実現する。生成AIを活用することで、従来よりも迅速かつ効率的に経営課題の抽出と分析、コンサルティング提案書の作成が可能となり、新規顧客の開拓やクロスセルの成約率向上効果が期待される。生成AIを使って各企業の経営課題を抽出することは、どのコンサルティングファームでも可能だが、最適なコンサルティングメソッドの提案については、これまで70年近くの間に蓄積してきた膨大なデータベースを構築している同社が同業他社に対して優位性を発揮する部分になると弊社では見ている。また、幅広いコンサルティング領域をグループで展開していることでクロスセルの提案機会も増え、LTVの向上にも寄与することが期待される。
経営コンサルティングの領域別売上高では、「ストラテジー&ドメイン」が前期比9.5%増の3,450百万円、「デジタル・DX」が同3.7%増の2,750百万円、「HR」が同6.4%増の3,600百万円、「ファイナンス・M&A」が同8.1%増の3,300百万円、「ブランド&PR」が同1.6%増の3,400百万円とすべての領域で増収を見込む。「ブランド&PR」については、引き続き低収益案件の縮小により増収率は低くなる見通しである。
また、「HR」では2025年に提供開始した「Executive KARTE(R)(経営者適性診断)」について、プライム上場企業からの引き合いが活発化している。同ツールは経営者や後継者、執行役員等を対象に、性格特性や幹部適性等を設問形式により測定・分析するツールで、次期経営者や経営幹部の選定、並びに個別の育成計画等を客観的データに基づいて行えるサービスである。同社は現在、同ツールにAI機能を実装すべく開発を進めており、同機能を実装すればより高度な適性診断が可能になる。国内で経営者層を対象とした診断ツールはほかになく、同社が長年トップマネジメントアプローチによって蓄積してきたデータが生かされている。「Executive KARTE(R)」をドアノックツールとして、経営コンサルティングサービスの契約につながるケースも今後増えてくるものと期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《HN》