スタートライン Research Memo(7):支援力を武器に拠点拡大と新事業開発へ挑み、さらなる高成長へ

2026年7月23日 12:47

*12:47JST スタートライン Research Memo(7):支援力を武器に拠点拡大と新事業開発へ挑み、さらなる高成長へ
■スタートライン<a href="https://web.fisco.jp/platform/companies/0477A00?fm=mj" target="_blank" rel="noopener noreferrer"><477A></a>の今後の見通し

1. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の通期業績は、売上高7,009百万円(前期比25.2%増)、営業利益560百万円(同24.4%増)、経常利益475百万円(同26.9%増)、当期純利益310百万円(同28.3%減)を予想している。前期の税効果の企業分類変更に伴うプラス影響が剥落し減益となる当期純利益を除き、過去最高を更新する見込みである。

増収の要因は、(1) 2026年7月の法定雇用率引き上げ(2.5%から2.7%へ)により企業の障害者雇用の意欲が高まる、(2) 「Diverse Village」を中心とした新規出店加速と、東海や北関東エリアへの出店エリア拡大効果を見込む※、(3) インフレ対応策として顧客の理解を得ながら、段階的な価格改定実施を継続すること、の3点である。

※ 2026年5月時点で新規出店5拠点(就業予定人数約420名)を確保済み。確定している拠点は、愛知県名古屋市(5月)、神奈川県横浜市(8月)、兵庫県伊丹市(10月)、群馬県前橋市(10月)、愛知県名古屋市(10月)である。

一方、大幅な営業増益を見込むのは、売上高の増加に伴う売上総利益の増加(売上総利益率は37.4%と、新規出店加速による影響で前期比0.2ポイントの低下を予想)に加えて、スケールメリットによる販管費の効率化継続により、営業利益率は前期並みの8.0%を維持する計画である。

なお、2027年3月中間期の業績に関しては、売上高3,052百万円(前年同期比16.9%増)、営業利益34百万円(同73.7%減)、経常利益1百万円(同98.5%減)、当期純損失6百万円(前年同期は62百万円の当期純利益)と、増収ながら大幅な減益を計画している。これは下期に予定されている「Diverse Village(前橋・名古屋)」等の新規出店に伴う物件・人員確保の先行投資コストが上期に偏重して発生するためであり、通期での利益回収シナリオ(下期偏重型)であることを認識しておく必要がある。

2. 成長戦略
中長期的な成長戦略として、競争優位性のコアコンピタンスである「支援力」と「豊富なサービスラインナップ」をベースに、障害者雇用支援サービス事業に人材及び資金を優先的に投資することで強固な経営基盤を確保し、そこで得られた利益を基に、さらなる出店、新サービス開発、そして障害者福祉事業や、生きづらさを抱える人向けの新規事業開発へ再投資を行うことを挙げている。

(1) 障害者雇用支援サービス事業
具体的な施策として、継続的な出店、支援力向上、ブランディング、サービスラインナップの拡充の4つを挙げており、その内容は以下のとおりである。

・ 継続的な出店:年間7拠点以上の出店を計画している。成長ドライバーとなる複合型の「Diverse Village」を中心とした新規出店を加速することで、需要の取り込みとクロスセルを促進させる。さらに、従来の関東・関西圏にとどまらず、人口10万人以上の地方都市へエリアを拡大すると同時に、地方自治体との連携強化を推進する。
・ 支援力向上:社内の研究開発機関である「CBSヒューマンサポート研究所」への投資を継続し、年間50名程度の支援員の新規採用・育成により支援体制強化を図るとともに、個々人で異なる様々な障害に対して、適切な支援を提供し、障害者雇用の「量」と「質」の双方を高めることで、顧客満足度の向上と他社との圧倒的な差別化につなげる。
・ ブランディング:業界団体である日本障害者雇用促進事業者協会との連携、既存顧客向け情報交換の場である「コークリテラス」の提供などにより、業界のさらなる認知と、「障害者雇用の最初の相談先」としてのポジションを確立する。
・ サービスラインナップ拡充:新たな障害者雇用のサービスメニューの開発や、1名から利用可能なサービスの拡張を進め、顧客数と単価の双方の拡大を目指す。

(2) 障害者福祉事業及び生きづらさを抱える人向け新規事業
就労継続支援B型事業は、2027年3月期に「GOOD THE GOOD」を1拠点出店し、2028年3月期以降の拠点拡大に向けた体制を構築する。生きづらさを抱える人向けの新規事業開発については、2028年3月期以降に着手する計画である。

■株主還元

事業拡大のための内部留保を優先

同社は、株主への利益還元を経営の重要課題の1つに位置付けているものの、現時点においては財務体質の強化と開発投資による事業拡大のため、内部留保の充実等を図ることを最優先としている。これによる業績拡大が株主価値の向上につながるとの判断から、設立以来配当は実施しておらず、現時点で配当実施の可能性及び実施時期については未定としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)《HN》

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