クリーク・アンド・リバー社、27年2月期業績・配当予想を上方修正、ゲーム・医療好調、高橋書店グループも寄与

2026年7月17日 08:03

 クリーク・アンド・リバー社<4763>(東証プライム)は、クリエイティブ分野を中心にプロフェッショナル・エージェンシー事業、プロデュース事業、ライツマネジメント事業を展開し、プロフェッショナル50分野構想を掲げて事業領域拡大戦略を加速している。27年2月期第1四半期は大幅増収増益で過去最高だった。ゲーム&ライツマネジメント、メディカル&ヘルスケアが好調に推移したほか、高橋書店グループも寄与(前期は第2四半期よりPLを新規連結)した。そして中間期・通期連結業績予想および期末配当予想を上方修正した。通期の営業利益と経常利益は増益幅が拡大して2桁増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は6月の安値圏から切り返し、さらに上方修正を好感して急伸している。低PERや高配当利回りも評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■クリエイティブ分野中心にエージェンシー事業やプロデュース事業を展開

 クリエイティブ分野(映画・TV番組・ゲーム・Web・広告・出版等の制作)で活躍するクリエイターを対象としたプロフェッショナル・エージェンシー(派遣・紹介)事業、プロデュース(制作請負・アウトソーシング)事業、およびライツマネジメント(知的財産の流通)事業を展開している。

 事業領域としては8カテゴリ(ゲーム&ライツマネジメント、ブロードキャスティング&動画、プロモーション&マーケティング、メディカル&ヘルスケア、AI/DX・IT、プロフェッショナル・エージェンシー、Quality of Life、インキュベーション&デベロップメント)に展開している。26年2月期時点でプロフェッショナル数46.3万人、クライアント数5.7万社のネットワークを構築していることが強みだ。

 直近のM&A・アライアンスとしては25年3月にバンダイナムコエンターテインメントと合弁でモバイルゲーム開発のURS Gamesを設立した。また子会社のC&Rインキュベーション・ラボ(22年10月に投資・事業承継事業を行う子会社として設立、現C&R EVERLASTING STORY、以下:C.R.E.S.)が、T&Wオフィス(手帳・日記・書籍等の企画・編集・出版業を展開する高橋書店グループの持株会社、以下:高橋書店グループ)を子会社化した。さらに25年9月に子会社のプロフェッショナルメディアを吸収合併、25年10月に子会社のShiftallがDiver-Xの位置トラッキング技術「ContactTrack」に関する事業を買収、25年12月に同社およびC.R.E.S.がファンコミュニティ構築・運営大手のクオンと資本業務提携した。

■事業シナジー強化

 事業シナジーを見越した資本参加としては、バイオベンチャーのCO2資源化研究所、アグリベンチャーのプラントライフシステムズ、不動産仲介プラットフォームのエージェント・グロース(事業上の通称はケラー・ウィリアムズ・ジャパン)、弁護士保険のミカタ少額短期保険、NFT関連のブロックチェーンエンターテインメント事業を展開するシンガポールDEA社、子ども向けオンライン世界旅行のMimmyなどに出資している。

 なお投資・事業承継事業を行うC.R.E.S.は、高橋書店グループおよびクオンのほか、劇団運営および公演のYTJ、クラウドシングルサインオンのインターナショナルシステムリサーチ、デジタル商社のStandage、スポーツコンバインや人材紹介のF&V、食品原料Web売買プラットフォームのICS-net、毛髪再生医療・次世代インプラントのオーガンテック、エンジニア派遣のネクサスホールディングス、IPO・IRテックのUniforce、経営・IRコンサルのストラテジー・アドバイザーズなどに出資している。

■日本クリエイティブ分野が主力

 26年2月期(第2四半期より高橋書店グループのPLを新規連結)の分野別構成比は、売上高がプロデュース(開発・請負)47%、エージェンシー派遣28%、エージェンシー紹介10%、ライツマネジメント他16%、売上総利益がプロデュース41%、エージェンシー派遣18%、エージェンシー紹介28%、ライツマネジメント他14%だった。

 報告セグメント別構成比(調整前)は売上高が日本クリエイティブ分野64%、韓国クリエイティブ分野5%、医療分野9%、会計・法曹分野4%、CRES分野(事業承継等のアドバイザリー事業)10%、その他(新規事業)8%、営業利益が日本クリエイティブ分野59%、韓国クリエイティブ分野▲1%、医療分野29%、会計・法曹分野2%、CRES分野13%、その他▲2%だった。また日本クリエイティブ分野の領域別構成比は売上高が映像(テレビ・映画)30%、ゲーム41%、Web26%、電子書籍・版権3%、新規エージェンシー2%、その他▲1%、営業利益が映像22%、ゲーム44%、Web28%、電子書籍・版権10%、新規エージェンシー▲0%、その他▲4%だった。なおCRES分野は事業承継・M&A等を展開するC.R.E.S.を中心に、高橋書店グループを含めた全6社で構成されている。その他は新規事業等の18社で構成されている。

 事業領域8カテゴリ(同社10事業部門および34子会社)の構成比は、売上高がゲーム&ライツマネジメント29%、ブロードキャスティング&動画24%、プロモーション&マーケティング12%、メディカル&ヘルスケア9%、AI/DX・IT5%、プロフェッショナル・エージェンシー4%、Quality of Life4%、インキュベーション&デベロップメント13%、営業利益がゲーム&ライツマネジメント32%、ブロードキャスティング&動画15%、プロモーション&マーケティング14%、メディカル&ヘルスケア29%、AI/DX・IT3%、プロフェッショナル・エージェンシー1%、Quality of Life1%、インキュベーション&デベロップメント9%だった。

 収益面面の特性として、医療分野の収益は季節要因で第1四半期と第2四半期(特に第1四半期)に偏重する。また高橋書店グループの収益は、第2四半期(4~6月分を連結)が出版業界特有の商慣習によって出荷した商品の返品が集中する時期となるため営業損益が一時的に赤字となるが、第3四半期(7~9月分を連結)は手帳・カレンダーの出荷が本格化して売上高・営業利益とも大幅に増加する特性がある。新規事業分野は人件費などの費用が先行するが順次収益化を見込んでいる。

■プロフェッショナル50分野構想

 中長期成長戦略として「プロフェッショナル50分野構想」を掲げ、グループ資産を活用した商品・サービス・プロジェクト開発や事業領域拡大を推進している。株主還元については配当性向目標を30%水準としている。

 基本戦略としては、多岐にわたる専門分野を持つグループ会社が各事業の強みを伸ばしつつ、相互連携を通じてクライアントと社会に貢献する価値を創出する「連峰経営」を目指し、プロフェッショナル分野のさらなる深耕、プロフェッショナル人材をベースとしたプロデュース事業の展開、異分野のプロフェッショナルを掛け合わせたプロデュース事業の展開、経営人材を含むC&Rグループの営業資産を組み合わせた事業承継・M&Aを推進する。この4つの基本戦略に基づき、グループ会社相互の連携によるシナジー効果を高める。

 グループ資産を活かした商品・サービス・プロジェクトとしては、漫画家発掘・デジタル配信事業のプラットフォーム「漫画LABO」、クリニックの経営支援、メタバース関連のVR建築展示場「XR EXPO」、独自のVR映像配信技術を活用した低遅延VRリアルタイム配信システム・VR遠隔医療教育システム、AI需要予測「Forecasting Experience」、事業承継・M&A事業、アパレル分野のDXを支援する「sture(ストゥーラ)」、漫画に音楽や音声を融合した動画「モーションコミック」(プラットフォーム開発中)などがある。なお出資先である順天堂大学発ベンチャー企業ソラセンテスが開発する医用画像プログラム「TH―ZEY(ゼウス)」は、26年4月に一般財団法人日本品質保証機構(JQA)より医療機器認証を取得した。

 アグリカルチャー分野の子会社コネクトアラウンド(アグリテックを活用した新たな農業ビジネスを展開する目的で22年4月設立)は、23年2月に川崎市中原区で6次化農業・実習施設「FUN EAT MAKERS 武蔵新城」を開設した。また25年6月には福島県大熊町で農・食・滞在の複合施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」をオープンした。26年1月末には福島県大熊町の複合施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」の来場者数が1万人を突破した。

 日本最大級のクリエイティブ開発スタジオ「C&R Creative Studios」では25年12月にアニメ専門チームを組成した。国内AIアニメ制作のトップランナーであるPuriPrinceとの連携のもと、アニメ制作に課題を抱える企業に対して高品質なアニメ制作体制を提供する。26年2月には「C&R Creative Studios」のグローバル戦略の一環として、ゲーム開発分野における世界有数の外部開発サービスプロバイダーであるROOM 8 GROUPと両社の協業に関するLOI(意向表明書)を締結した。26年5月には「C&R Creative Studios」を移転・拡張した。またグループのクレイテックワークス、forGIFT、URS Gamesも同ビルに移転した。これによってゲーム開発を中心とした部門が一堂に集結し、グループ連携の強化やゲーム周辺事業の拡大を目指す体制とした。

 AI/DX分野の深耕では、24年3月に開始した中堅・中小企業向けAI/DX運用・オペレーション業務導入サポート「DXの森」が順調に拡大している。24年9月にはAIチャットボットの提供を開始、25年6月には生成AIのプロフェッショナルに特化した人材サービスの提供を開始した。26年4月には子会社リヴァイが企業向け生成AI人材育成パッケージ「アイトレ」の提供を開始した。

 また26年6月には、会計分野の子会社であるジャスネットコミュニケーションズがクラウドパートナーズと業務提携し、共同エージェント事業を開始した。

■27年2月期は上方修正して営業・経常2桁増益予想

 27年2月期の連結業績予想(26年7月9日付で中間期および通期連結業績予想を上方修正)は、売上高が前期比7.5%増の660億円、営業利益が10.4%増の54億50百万円、経常利益が10.9%増の53億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が16.0%減の34億50百万円としている。配当予想(26年7月9日付で期末1円上方修正)は前期比1円増配の51円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は31.3%となる。

 中間期、通期とも前回予想(26年4月9日付の期初公表値)に対して売上高を5億円、営業利益を2億円、経常利益を2億円、親会社株主帰属当期純利益を1億円、それぞれ上方修正した。第2四半期以降の計画を据え置き、第1四半期の好調分を増額した形である。通期の営業利益と経常利益は増益幅が拡大して2桁増益予想としている。親会社株主帰属当期純利益は前期比では一過性要因が剥落して減益だが、前回予想に比べて減益幅が縮小する。

 なお修正後の通期のカテゴリ別計画(27年2月期より一部の事業を組み替えたため前期比増減率は遡及調整後)は、ゲーム&ライツマネジメントの売上高が6.9%増の191億円で営業利益が8.4%増の17億25百万円、ブロードキャスティング&動画の売上高が2.9%増の145億円で営業利益が8.0%増の6億12百万円、プロモーション&マーケティングの売上高が6.1%増の92億円で営業利益が10.0%増の9億15百万円、メディカル&ヘルスケアの売上高が11.8%増の64億70百万円で営業利益が19.7%増の17億20百万円、AI/DX・ITの売上高が10.9%増の36億80百万円で営業利益が93.7%増の1億90百万円、プロフェッショナル・エージェンシーの売上高が6.4%増の25億円で営業利益が50.1%増の1億50百万円、Quality of Lifeの売上高が7.1%増の28億40百万円で営業利益が74.5%増の1億25百万円、インキュベーション&デベロップメントの売上高が21.8%増の97億45百万円で営業利益が42.6%増の6億80百万円としている。

 第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比23.1%増の170億34百万円、営業利益が51.7%増の22億04百万円、経常利益が52.4%増の21億92百万円、親会社株主帰属四半期純利益が57.2%増の14億86百万円だった。

 大幅増収増益で過去最高だった。ゲーム&ライツマネジメント、メディカル&ヘルスケアが好調に推移したほか、高橋書店グループも寄与(前期は第2四半期よりPLを新規連結)した。営業利益7億52百万円増益の要因分析は、C&Rクリエイティブスタジオ移転・増床に伴う費用増加(一時費用・家賃等)で2億80百万円減少、ゲーム子会社の収益貢献で1億36百万円増加、医師紹介事業の好調で2億33百万円増加、高橋書店グループの貢献で2億93百万円増加、その他既存事業の増益で2億66百万円増加、先行投資事業の収益改善で1億05百万円増加だった。なお高橋書店グループ(売上高16億76百万円、営業利益2億93百万円)を除くベースでは売上高は11%増収、営業利益は32%増益だった。

 カテゴリ別で見るとゲーム&ライツマネジメントは売上高が21.8%増の49億47百万円、営業利益が25.4%増の4億84百万円だった。ゲーム関連が好調に推移し、C&Rクリエイティブスタジオ移転・増床に伴う費用増加を吸収した。子会社のクレイテックワークスは黒字転換した。新規ゲーム「冒険家エリオットの千年物語」を開発し、26年6月にスクエア・エニックスより発売された。モントリオール支社を通じて海外から開発案件を受託したことも寄与した。

 ブロードキャスティング&動画は売上高が7.5%増の37億09百万円、営業利益が3.5%減の1億14百万円だった。利益面は韓国子会社の苦戦により小幅減益だが、売上面はテレビ局向け人材派遣が堅調に推移した。

 プロモーション&マーケティングは売上高が6.9%増の21億76百万円、営業利益が29.1%増の2億31百万円だった。企業や官公庁等のプロモーション需要が高水準に推移した。25年10月にクオンと共同で立ち上げたAI駆動型ファンコミュニティモール「りろかる」は10自治体、5団体および複数の企業が導入を決定した。

 メディカル&ヘルスケアは売上高が15.7%増の22億43百万円、営業利益が28.9%増の10億38百万円だった。医師紹介事業が順調に伸長して過去最高の業績となった。

 AI/DX・ITは売上高が10.1%増の8億35百万円、営業利益が48百万円(前年同期は19百万円の損失)だった。生成AIコンサルティング事業が順調に拡大した。ツールベンダー支援サービス「DXの森」では提携パートナーが順調に拡大した。なお資本提携先のAI企業Intumit社(台湾)は25年7月にTPEx(タイペイ・エクスチェンジ)に上場した。

 プロフェッショナル・エージェンシーは売上高が1.4%増の6億18百万円、営業利益が5.7%減の46百万円だった。会計関連は復調傾向だが、法曹関連(弁護士)の人材紹介が低調だった。

 Quality of Lifeは売上高が7.1%増の7億01百万円、営業利益が56.3%増の35百万円だった。建築分野の収益が改善した。

 インキュベーション&デベロップメントは売上高が3.6倍の21億25百万円、営業利益が2億97百万円(前年同期は62百万円の損失)だった。高橋書店グループ(前年同期はBSのみ連結)が寄与した。高橋書店グループ以外は先行投資段階である。なお高橋書店グループの業績は、第2四半期(4~6月分を連結)が出版業界特有の商慣習によって出荷した商品の返品が集中する時期となるため営業損益が一時的に赤字となるが、第3四半期(7~9月分を連結)は手帳・カレンダーの出荷が本格化して売上高・営業利益とも大幅に増加する。

 報告セグメント別(決算短信ベース)で見ると、日本クリエイティブ分野は売上高が14.2%増の105億64百万円で営業利益(全社費用等調整前)が23.1%増の8億18百万円、韓国クリエイティブ分野は売上高が5.2%増の8億02百万円で営業利益が18百万円の損失(前年同期は5百万円の損失)、医療分野は売上高が15.6%増の22億39百万円で営業利益が28.9%増の10億38百万円、会計・法曹分野は売上高が1.1%増の6億12百万円で営業利益が5.7%減の45百万円、CRES分野は売上高が17億45百万円(同12百万円)で営業利益が3億10百万円(同8百万円の損失)、その他の事業は売上高が15.9%減の10億69百万円で営業利益が10百万円(同40百万円の損失)だった。

 27年2月期は各事業が順調に成長し、クリエイティブスタジオ移転・拡張に伴うコスト増加などを吸収して2桁営業・経常増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は26年2月期末より導入

 25年10月に株主優待制度導入を発表した。毎年2月末日時点で1単元(100株)以上保有株主に対して、同社の子会社である高橋書店の商品(カレンダー、手帳等の選択制)を贈呈する。26年2月28日対象より実施した。

■株価は急伸

 株価は6月の安値圏から切り返し、さらに27年2月期連結業績・配当予想の上方修正を好感して急伸している。低PERや高配当利回りも評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。7月16日の終値は1480円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS163円05銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の51円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS902円86銭で算出)は約1.6倍、時価総額は約341億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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