Google、8月12日に「Pixel 11」発表イベント開催へ:2nmのTensor G6搭載、価格は900ドルからとの予測
2026年7月10日 14:37
Googleは米国時間2026年8月12日(水)に、次世代スマートフォン「Pixel 11」シリーズと「Pixel Watch 5」を披露するライブイベントをニューヨーク市で開催することを発表した。今回のイベントは東部時間午後6時(日本時間8月13日午前7時)という、同社としては異例の夕方・夜間時間帯にスタートする。Appleの新型iPhone発表に先駆けて開催されるこのイベントでは、最先端の2nmプロセスを採用した「Tensor G6」チップの搭載や、ベースモデルの価格改定などが注目されている。
■Appleに先んじる8月12日開催、初の「2nm」世代へ
Googleが送付した招待状は、BloombergのMark Gurman氏が最初に公開し、9to5Google、Android Central、gHacks Tech Newsなどのメディアが確認したものだ。招待状には「次世代のPixelが登場する夜(the night the next generation of Pixel arrives)」というフレーズとともに、ゴールドの金属製フレームとピル型の水平カメラバイザーを示すアニメーションが添えられており、今春から流出していたレンダリング画像と一致している。これはほぼ間違いなく「Pixel 11 Pro」のデザインとみられる。
8月12日という日程は、昨年のPixel 10発表よりも1週間早く、Appleが9月に発表すると予想される「iPhone 18」シリーズよりも約4〜6週間早い。これによりGoogleは、Appleのハードウェア発表イベントがメディアを席巻する前に、Androidの話題を長期間維持する狙いがあるとみられる。
このタイミングは、今年の発表内容において極めて重要だ。搭載が予想される「Tensor G6」プロセッサ(開発コード名:Malibu)は、TSMCのN2製造ノード(商業用2nmプロセス)で製造される。Appleが今秋のiPhone 18シリーズに搭載するとみられる「A20」チップもTSMCのN2を採用すると予想されており、Googleは初めてAppleのチップ製造世代に遅れをとることなく、同じ暦年内に同世代のシリコンを出荷できる見通しだ。
■Tensor G6:2nm GAAアーキテクチャの仕組みとメリット
Tensor G6は、Pixel向けチップおよび主要なAndroidフラッグシップ向けチップとして初めて「Gate-All-Around(GAA)」トランジスタアーキテクチャを採用すると、PhoneArenaなどのリーク情報から報じられている。
従来のFinFETトランジスタ(5nmや一部の3nm設計で使用)ではゲートがチャネルの3面を囲んでいたのに対し、GAAでは4面すべてを囲む。これにより電流の制御性が高まり、リーク電流が減少、より高速なスイッチングが可能になるため、消費電力を抑えつつ高クロック化を実現できる。TSMCの積層ナノシート構造により、N2ノードの密度と効率向上が可能になったという。
CPUは7コア構成(4.11 GHzのARM C1-Ultraプライムコア×1、3.38 GHzのARM C1-Proパフォーマンスコア×4、2.65 GHzのARM C1-Pro効率コア×2)になると予測されている。アナリストの予測によると、3nmプロセスだった前世代のTensor G5と比較して、電力効率は15〜20%向上する見込みだ。これにより、従来のTensorシリーズで指摘されていた発熱問題への直接的な回答になると期待されている。また、オンデバイスのGemini AI推論専用の「Santafe」TPU、カメラ用の「Metis」イメージシグナルプロセッサ、Titan M3セキュリティチップも統合される。
一方で、GPUには旧世代のアーキテクチャである「PowerVR C-Series CXTP-48-1536」が採用されるとのリーク情報があり、Tensor G5の「PowerVR DXT-48-1536」から実質的な逆戻りとなる可能性が指摘されている。高フレームレートのゲーム用途においては懸念材料となる可能性があり、ゲーム重視のユーザーは注意が必要かもしれない。
■モデムの変更:Samsung製からMediaTek製「M90」へ
Tensor G6ではサプライチェーンの大幅な変更も噂されている。これまでのTensorプロセッサはすべてSamsungのExynosモデムを採用していたが、G6では「MediaTek M90(モデル名:MT6986D)」とペアリングされると報じられている。これによりSamsungへの依存を脱却し、最新の5Gバンドや衛星通信機能への対応、モデム統合における設計の自由度向上が期待されている。
■4モデル展開と価格上昇の予測
リークされた仕様と価格情報によると、Pixel 11シリーズは「Pixel 11」「Pixel 11 Pro」「Pixel 11 Pro XL」「Pixel 11 Pro Fold」の4モデル構成になるとみられる。
標準モデルのPixel 11は、6.3インチの120Hz OLEDディスプレイ(ピーク輝度2,200nits)、新しい50MPメインカメラ、4,840mAhバッテリーを搭載し、カラーはブラック、グリーン、ピンク、パープルが用意されると噂されている。
価格面では、128GBの最小ストレージ容量が廃止され、256GBがベースになると報じられている。メモリ部品のコスト上昇も重なり、全体で約115ドルの値上げが予測されている。リークされた未確認の価格情報によると、256GBのベースモデルは、Pixel 11が900ドル(約14万5,800円)、Pixel 11 Proが1,100ドル(約17万8,200円)、Pixel 11 Pro XLが1,300ドル(約21万600円)、最上位の1TB Pixel 11 Pro Foldが2,150ドル(約34万8,300円)になる見込みだ(1ドル=162円換算)。
なお、折りたたみモデルの「Pixel 11 Pro Fold」は、8月12日に発表されるものの、出荷は2026年10月までずれ込み、他の3モデルから6〜8週間遅れると予想されている。
また、標準モデルのRAM容量について、一部のリーク(Mystic Leaks)ではPixel 10の12GBから8GBへとダウングレードされると主張されている一方、全ラインナップで12GBを維持するという競合するリーク情報もあり、詳細は8月12日の正式発表を待つ必要がある。
■新機能「Pixel Glow」:温度センサーに代わるRGB LED
Pixel 11 Proモデルでは、Pixel 8 Proから搭載されていた背面の温度センサーが廃止され、新たに「Pixel Glow」と呼ばれるアンビエント照明機能が搭載されると報じられている。これはカメラバーに統合されたRGB LEDアレイで、通知ライトやAIのステータスインジケーター、充電インジケーターとして機能する。Nothingスマートフォンの「Glyphインターフェース」に似たコンセプトだ。
Android AuthorityによるAndroid 17ベータ版のコード解析から、開発コード名「Orbit」としてこの機能の存在が浮上している。Googleはすでに今年発売したGooglebookやGoogle Homeスピーカーで同様の機能を導入している。
■Pixel Watch 5:独自チップ「NPT」か、Qualcomm製「Wear Elite」か
イベントでは「Pixel Watch 5」も同時に発表される予定だ。OSには「Wear OS 7」が搭載され、再設計されたウィジェットシステムやリアルタイムの「ライブアップデート」機能、ソフトウェア最適化による10%のバッテリー寿命向上がもたらされる。
最大の注目点は、搭載されるプロセッサだ。これまでのPixel WatchはQualcommのSnapdragonチップを採用しており、ローカルで大規模言語モデル(LLM)を処理するための専用NPUを搭載していなかった。そのため、Geminiの高度な機能を時計単体で動作させるにはハードウェアのアップグレードが必要となる。
Android Authorityの報道によると、Googleの社内ロードマップには「NPT」と呼ばれるカスタムウェアラブルチップ(ARM Cortex-A78×1、Cortex-A55×2)が存在し、これがWatch 5に搭載されれば初の独自シリコン採用となる。ただし、このNPTチップに専用NPUが含まれているかどうかは未確認だ。
もう一つの可能性として、今年3月に発表されたQualcommの「Snapdragon Wear Elite」の採用も噂されている。これには専用のHexagon NPUが搭載されており、Samsungは「Galaxy Watch Ultra 2」への採用を認めている。Googleがこれに追随すれば、時計単体でのGemini動作が保証されるが、NPU非搭載のNPTチップが採用された場合は、従来通りスマートフォンとの接続やクラウド連携が必要になる。
■プライムタイムのイベント演出
東部時間午後6時という開始時間は、従来のメディア向け日中イベントからの大きな転換だ。ニューヨーク市でのプライムタイム開催は、昨年のPixel 10発表イベント(ジミー・ファロン氏がホストを務め、著名人が登場した)と同様に、一般消費者やSNS、ストリーミング視聴者を強く意識した演出になるとみられる。
例年のパターン通りであれば、イベント当日の夜に予約受付が開始され、Pixel 11、11 Pro、11 Pro XLは1〜2週間後に出荷、Pixel Watch 5は10月に出荷される見通しだ。
■注目ポイントQ&A
●Made by Google 2026イベントはいつ開催され、どのように視聴できますか?
米国時間2026年8月12日(水)午後6時(日本時間8月13日午前7時)からニューヨーク市で開催されます。通常、Googleの公式YouTubeチャンネルやイベント公式サイトでライブ配信されます。イベント当日の夜から予約受付が開始される見込みです。
●Tensor G6の「Gate-All-Around(GAA)」アーキテクチャとは何ですか?
トランジスタのチャネルの4面すべてをゲートが囲む設計です。従来の3面を囲むFinFET構造に比べ、電流の制御性が高まり、電力漏れを抑えながら高速な処理が可能になります。これにより、Tensor G6は2nmプロセスの電力枠内で高いクロック速度を実現し、前世代比で15〜20%の電力効率向上や発熱の抑制、オンデバイスAI処理の高速化が期待されています。
●Pixel Watch 5はスマートフォンなしでオンデバイスGemini AIを利用できますか?
搭載されるチップに依存します。専用のNPU(ニューラル処理ユニット)を搭載したQualcommの「Snapdragon Wear Elite」が採用されれば、スマートフォンなしでの動作が可能になります。一方、Googleの噂のカスタムチップ「NPT」が採用された場合、NPUが搭載されているかどうかは現時点で未確認のため、スマートフォンやクラウドへの接続が必要になる可能性があります。
●Pixel 11の予想価格はPixel 10と比べてどうですか?
リーク情報によると、Pixel 11のベースモデル(256GB)は900ドル(約14万5,800円)からと予想されており、前世代の同容量構成と比べて約115ドルの値上げになる見通しです。これは128GBモデルの廃止や、業界全体でのメモリ部品コストの上昇が影響しているとみられます。なお、これらの価格はすべて8月12日の正式発表まで未確定です。
元記事: Pixel 11 Event Locked for August 12: 2nm Tensor G6 and $900 Base Price Expected