マーチャント・バンカーズ、26年10月期は大幅営業増益予想、投資案件とM&Aを強化

2026年7月8日 07:34

 マーチャント・バンカーズ<3121>(東証スタンダード)は、マーチャント・バンキング事業として不動産・企業投資関連事業を展開している。26年6月にはグループ中期目標「MBKグループ中期ビジョン2029」を発表した。具体的な取り組みとして不動産ビジネス偏重の是正、金融ビジネスの多様化、AIビジネスへの投資、人的資本投資の強化、IR機能の強化を掲げ、目標とする経営指標については中期経営計画策定時(26年10月期中)に公表するとしている。26年10月期は大幅営業増益(経常・最終利益は黒字転換)予想としている。所有する不動産物件の売却に加え、収益性の高い投資案件やM&Aへの取り組みを強化する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■マーチャント・バンキング事業を展開

 マーチャント・バンキング事業として国内外における不動産・企業投資関連事業を展開している。グループは同社および連結子会社5社の合計6社(24年10月期末時点)で構成されている。

 同社は国内不動産投資、国内企業投資、海外企業投資を展開し、連結子会社のMBKプロパティ(東京都)は不動産管理運営業務、エストニアン・ジャパン・トレーディング・カンパニー・ホールディングス(東京都)はエストニア共和国での事業展開に関する統括業務、Estonian Japan Trading Company AS(エストニア、以下:EJTC社)はエストニア共和国での事業展開に関する統括業務、エストニアン・ジャパン・トレーディング・カンパニー日本(東京都)は国内および海外への不動産投資、O’Pen Eesti OU(エストニア)は海外展開に関するコンサルティング業務を展開している。25年10月には、特定卸供給事業者(アグリゲーター)のライセンスを持つエネルギーポイント社を持分法適用関連会社化(20%出資)した。

 なお廃棄衣類の再生・循環事業および「和紙」を活用した繊維事業を展開するLife Innovation Holdings(以下、Life Innovation社)を持分法適用関連会社化する件については、株式取得方法を一部変更し、26年1月30日付で1億16百万円を出資して14.5%を取得した。また26年3月13日付で19.7%の株式を現物出資で受け入れ、出資比率34.2%の持分法適用関連会社とした。さらにLife Innovation社の事業計画の6カ月間(26年2月~26年8月)程度における進捗を前提として、17%の追加出資によりLife Innovation社を連結子会社化することについても合意している。

 また26年6月1日にTIGEREYE社の株式取得(持分法適用関連会社化)に関する譲渡予約契約締結をリリースした。26年7月(予定)で21.0%を取得(持分法適用関連会社化のスキームについては6月23日付で変更を発表)する。TIGEREYE社は、視覚・音声・言語を融合した高精度なAI制御技術を軸に、画像解析やLLMなどのプラットフォーマーとして、顔認証システムや対話型アバターなどのサービスを提供している。

 不動産投資関連は、主にネット利回り5%以上を期待できる大都市圏の賃貸用マンションを中心に、安定的収益源となる資産性の高い収益不動産の取得を推進するとともに、保有物件売却による売上利益の積み上げも推進している。

 企業投資関連は、投資先とともに企業価値を創造するハンズオン型の投資を行い、バリューアップによるエグジットを目指す。投資実績としては、ブロックチェーンプラットフォーム開発のアーリーワークス、デジタルマーケティング支援のポイントスリー、ブライダル・ホテル運営のホロニック、見守り型介護ロボット開発のIVホールディングスなどがある。

 23年3月にはセキュリティチップ開発・製造のEnova Technology社(台湾)に資本参加した。24年10月にはアジア市場中心にゲームソフト販売等を展開するGCL Global Limited(GCL社)が発行した転換社債200千米ドルを取得した。この転換社債の権利行使を行う際はGCL社のグループ会社であるGCL Global Holdings(GCLGH社)が発行する株式を取得することになる。

 24年11月には、ColorsJapan社と、貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)による資金を活用し、地方創生型のM&Aに取り組むと発表した。第1号案件として伊香保温泉「明野屋」など、ColorsJapan社のホテル・旅館プロジェクトのクラウドファンディングに着手した。

 25年9月にはビットコインによる不動産売買決済サービスを開始した。またビットコインによる不動産売買決済サービスについて、暗号資産交換所「Coin Estate」を運営するFINX JCrypto社と協業した。さらに、長期化する円安やインフレに対する資産保全策も兼ねて3億円分のビットコインを購入した。

■MBKグループ中期ビジョン2029

 26年6月15日付で中期目標「MBKグループ中期ビジョン2029」(26年6月~29年10月)をリリースした。具体的な取り組みとして不動産ビジネス偏重の是正、金融ビジネスの多様化、AIビジネスへの投資、人的資本投資の強化、IR機能の強化を掲げ、目標とする経営指標については中期経営計画策定時(26年10月期中)に公表するとしている。

 なお25年5月に今後の投資方針を公表し、27年10月期末を目標に全体の投資金額の3分の1程度ずつを融資、エクイティ、不動産に投資するポートフォリオの構築を目指すとしている。

 具体的施策として、融資では上場株式担保融資(25年1月に株式担保融資事業の取組開始をリリース)を中心に、売掛金や不動産などを担保とした融資事業に取り組む。25年4月には株式担保融資事業で財全GROUP社と業務提携した。エクイティのM&Aでは、24年6月に業務提携したColorsJapan社をはじめとする協力先からの紹介・提案案件活用する。企業・案件への投資では、業務提携等も活用しながら再生エネルギーや系統系電池などの分野への投資を継続する。また不動産では、これまで注力してきた投資用マンション等の物件に加え、仲介事業にも注力して収益性を強化する。

 25年7月にはHTソーラー社並びにREIT社と、Non-Fit太陽光発電所(電力会社による固定買い取り制度を適用しない太陽光発電所)開発事業への投資に共同で取り組むことを目的に業務提携基本合意書を締結した。25年8月には第1弾のプロジェクトとして、耕作放棄地や遊休地20件をNon-Fit太陽光発電所に転用する事業に着手した。またREIT社と系統用蓄電池開発事業に関して業務提携した。

 25年9月には台湾EUKA Power社と、九州を中心とした日本国内における系統用蓄電池開発プロジェクトを協業して取り組むことについて、正式契約締結に向けての協議を行う旨の基本合意書を締結した。最初のプロジェクトは日本最大級の蓄電容量の大規模蓄電発電所であり、25年10月に第1号案件の建設地が熊本県内に決定した。25年12月着工予定で、26年6月~8月に系統連系・発電開始を予定している。同社は特別目的会社のアセットマネージャーとして毎年、投資金額の一定割合の管理報酬を安定的に受領する。さらに本プロジェクトに対する海外投資家のニーズに応じ、暗号資産をベースにした管理運営を採用すると発表した。なお25年11月には本プロジェクトにおいて出資者(2社)の決定を発表した。

 25年10月にはエネルギーポイント社を持分法適用関連会社化するとともに、資本業務提携して系統用蓄電池事業への本格的な投資を開始した。26年2月には心臓病分野のヘルスケア企業であるココロミルと資本業務提携(出資比率1.2%)した。

■26年10月期大幅営業増益予想

 26年10月期の連結業績予想については、売上高が前期比33.0%増の45億円、営業利益が103.3%増の5億80百万円、経常利益が3億円(前期は31百万円の損失)、親会社株主帰属当期純利益が2億40百万円(同85百万円の損失)としている。配当予想は前期と同額の2円(期末一括)としている。

 昨今の不動産価格と金利の上昇傾向を踏まえ、保有する不動産物件の売却を積極的に行う。また売上利益とキャッシュ・フローの確保を行いながら、貸金や再生可能エネルギー案件など不動産投資より収益性の高い投資案件やM&Aへの取り組みを強化する。

 中間期の連結業績は売上高が前年同期比2.2%減の16億28百万円、営業利益が93.4%増の2億53百万円、経常利益が24百万円(前年同期は2百万円)、親会社株主帰属中間純利益が29百万円(同1百万円の損失)だった。

 販売用不動産1物件の売却に加え、海外投資先からの配当により大幅増益と順調だった。なお営業外費用ではビットコイン価格の下落に伴って暗号資産評価損94百万円を計上した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が4億06百万円で営業利益が1億64百万円、第2四半期は売上高が12億22百万円で営業利益が89百万円だった。

 なお6月23日付でCN Innovations Holdings Limited(CNI社)から特別配当金90百万円の受領を発表した。第3四半期の売上高および利益に計上する。今後のCNI社からの特別配当金の受領が不明のため、通期連結業績予想は前回予想(25年12月12日付の期初公表値)を据え置いたが、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は下値固め完了して反発の動き

 26年5月18日発表の自己株式取得(25年12月12日に発表した自己株式取得の枠を拡大、上限410万株または8億20百万円、取得期間26年1月30日~26年12月11日)については、26年7月1日時点で累計取得株式数が351万4700株となっている。

 株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。7月7日の終値は215円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS8円12銭で算出)は約26倍、今期予想配当利回り(会社予想の2円で算出)は約0.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS149円67銭で算出)は約1.4倍、そして時価総額は約71億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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