クリナップ、27年3月期大幅営業・経常増益予想、新商品拡販と原価低減で収益拡大基調

2026年6月30日 07:48

 クリナップ<7955>(東証プライム)はシステムキッチンの大手でシステムバスルームや洗面化粧台も展開している。成長に向けた重点施策として既存事業の需要開拓と低収益からの転換、新規事業による新たな顧客の創造、ESG/SDGs視点での経営基盤強化を推進している。6月25日には江戸散策第143回「庶民も旅をするようになった江戸時代。」を公開した。27年3月期も大幅営業・経常増益予想としている。新設住宅着工戸数の低迷など引き続き厳しい事業環境が見込まれるが、新商品拡販や原価低減などを推進する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発力の鈍い形だが下値固め完了感を強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、出直りを期待したい。

■システムキッチンの大手、システムバスルームも展開

 厨房部門(システムキッチン)および浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)を展開している。

 26年3月期の連結売上高1344億87百万円の部門別売上高構成比は厨房部門が81.0%、浴槽・洗面部門が11.0%、その他が8.0%、新築・リフォーム別売上高構成比は新築が44.3%、リフォームが50.8%、その他が4.9%だった。同社調べによる市場シェアは、システムキッチンが21.5%、システムバスルームが3.1%、洗面化粧台が4.8%である。

 中高級品に強みを持ち、厨房部門は最高級ステンレスキッチンCENTRO(セントロ)、中高級価格帯のステンレスキャビネットキッチンSTEDIA(ステディア)、普及価格帯システムキッチンrakuera(ラクエラ)、コンパクトキッチンcolty(コルティ)、浴槽・洗面部門はバスルームAQULIA-BATH(アクリアバス)、yuasis(ユアシス)、洗面化粧台TIARIS(ティアリス)などを主力製品としている。

 25年9月にはシステムキッチンSTEDIAのリニューアル(意匠性と機能性を向上)を行い受注開始した。26年6月にはベッセル型洗面化粧台「ELVITA」をリニューアルして受注開始した。

 競争力強化に向けてショールーム戦略も強化している。20年6月にKITCHEN TOWN YOKOHAMA(横浜市みなとみらい)をオープンし、旗艦ショールーム全国4拠点(東京、横浜、名古屋、大阪)体制とした。また直近では26年3月に柏ショールーム(千葉県柏市)をリニューアルオープンした。販売ルートは工務店の会員登録制組織「水まわり工房」加盟店を主力としている。物流面では首都圏の物流強化の一環として24年4月に相模原プラットフォームをリニューアルして本格稼働した。

■サステナブルビジョンは「人と暮らしの未来を拓く」

 長期ビジョンの「クリナップサステナブルビジョン2030(CSV30)」では、30年度の目標として財務目標(連結)では売上高1500億円、営業利益95億円、ROE8.5%、非財務目標では13年度比温室効果ガス50%削減、女性管理職比率15%、男性育児休暇取得率100%、有給休暇取得率60%を掲げている。

 既存事業に関しては、水回り3品(キッチン、浴室、洗面)事業での安定した収益確保を目的として中高級品の販売力強化、システムバス販売の底上げ、リフォーム需要獲得、水回り3品で培ったノウハウを活かしたサービス・物流分野での外販ビジネスの拡大、生産変革による原価低減、間接業務の効率化などで利益改善を推進する。

 なお福島県いわき市に生産拠点を構えている。東日本大震災の翌年の12年12月に公益財団法人クリナップ財団を設立し、福島県の復興支援を目的として活動している。そして25年7月には、クリナップ財団の25年度の奨学生50名を決定した。13年度に開始した奨学支援事業は震災復興支援に有用な人材育成を目指し、13年間で累計奨学生は560名となった。

 23年2月にはCSV30の実現に向けて未来キッチンプロジェクトを始動した。武蔵野美術大学との産学共同で社会課題へ取り組む未来キッチンラボの創設、過去に販売したキッチンキャビリサイクルプログラムの開始、未来を担う子供達からアイデアを公募する未来キッチン・イラストコンテストの開始、という3つのアクションを通じて、2030年までにシステムキッチンの枠を超えた新しいキッチンの事業化、より心豊かな食文化の創造を目指す方針としている。また未来キッチンプロジェクトの一環として、会員制リフォームネットワーク「水回り工房」にて、23年4月よりキッチンキャビリサイクルプログラムを開始した。

 24年3月には未来キッチンプロジェクトを通じて研究している次世代キッチンの1つとしてモビリティキッチンのプロトタイプを発表した。24年12月にはMUJI HOUSEのインフラゼロハウスの実証実験にモビリティキッチンのプロトタイプを提供した。25年1月には練馬区豊玉地区の防災イベントにおいてモビリティキッチンのプロトタイプと、ろ過循環装置の実証実験を実施した。25年11月には、未来キッチンプロジェクトの活動を伝えるため、専用サイトに新コンテンツを追加した。

 26年1月には、キッチン購入意向層の認知度向上を目的に、公式YouTubeチャンネルにて新企画「Café.はじまりリフォーム~プロと見据える第二の人生~」を公開した。26年2月には一般社団法人リビングアメニティ協会の「ALIAこども応援プロジェクト」を通じて、岩手県北上市のこども食堂「わらすば」にシステムキッチンSTEDIAを寄贈した。また福島県いわき市で開催された「第17回いわきサンシャインマラソン」にゴールドパートナーとして協賛した。

■27年3月期も大幅営業・経常増益予想

 27年3月期の連結業績予想は売上高が前期比5.6%増の1420億円、営業利益が24.1%増の49億円、経常利益が20.1%増の53億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.1%増の35億50百万円としている。親会社株主帰属当期純利益については前期計上の特別利益が一巡するため小幅増益予想としている。配当予想については前期と同額の33円(第2四半期末13円、期末20円)としている。予想配当性向は32.8%となる。

 新設住宅着工戸数の低迷など引き続き厳しい事業環境が見込まれるが、新商品拡販や原価低減などを推進する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力の鈍い形だが下値固め完了感を強めている。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、出直りを期待したい。6月29日の終値は891円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS100円67銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の33円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1714円01銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約325億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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