『デルタルーン』チャプター5が配信開始!開発ペース加速で完結へ前進、トビー・フォックス氏「10年前に考えたもの」

2026年6月26日 01:09

人気インディーRPG『デルタルーン(Deltarune)』の最新作「チャプター5」が、米国東部時間2026年6月25日午前11時(日本時間6月26日午前0時)に配信開始された。本作は既存の購入者向けに無料アップデートとして提供され、開発者のトビー・フォックス氏は10年越しの構想の実現に喜びを語っている。全7チャプターのうち5作目までが揃い、かつて懸念された開発遅延を乗り越え、シリーズは完結に向けて着実に加速している。

■「チャプター5」がもたらす変化と配信プラットフォーム

『デルタルーン』のチャプター5(サブタイトル:The Field of Pink and Gold / ピンクとゴールドの野原)が、米国東部時間6月25日午前11時(日本時間6月26日午前0時)に配信開始された。本作は、24.99ドル(約4,050円、1ドル=162円換算)の有料版を所有しているすべてのプレイヤー向けに、無料の自動アップデートとして提供される。対応プラットフォームは、Nintendo Switch、Nintendo Switch 2、PlayStation 4、PlayStation 5、PC、Macで、世界同時にリリースされた。

開発者のトビー・フォックス氏は、リリース当日に配信したニュースレターでファンに向けて直接メッセージを送り、プレイヤーを長く待たせなかった開発チームへの誇りを表明した。そして、約10年間にわたり温めてきた構想について、「10年前に私が考えた、このクレイジーなものを楽しんでください! 私たちは次のチャプターに進みます」と語った。

2018年に無料のサプライズダウンロードとして始まった『デルタルーン』は、2025年に有料のエピソード形式シリーズへと移行した。そして今回、チャプター4のリリースからわずか1年強という短期間でチャプター5が届けられた。かつては「本当に完結するのか」という懸念の声もあったプロジェクトだが、全7チャプターの折り返し地点を過ぎ、開発ペースは確実に加速している。

■『デルタルーン』の魅力と独自の戦闘システム

『デルタルーン』は、トビー・フォックス氏が「GameMaker Studio 2」を用いて開発しているエピソード型のロールプレイングゲームだ。2015年に世界的な大ヒットを記録した『アンダーテール(Undertale)』のパラレルワールドを舞台にしている。両作はキャラクターや世界観を共有しているが、ストーリー自体は完全に独立した別個のタイムラインとして描かれている(タイトルの「Deltarune」は「Undertale」のアナグラムである)。

1人のキャラクターでランダムエンカウントの戦闘を行っていた『アンダーテール』に対し、『デルタルーン』では3人パーティー制(クリス、スージィ、ラルセイ)へと拡張され、戦闘エンジンも構造的に進化している。

この戦闘システムは、3つのレイヤーが同時に機能する。プレイヤーがキャラクターの行動(たたかう、こうどう、アイテム、にがす、ぼうぎょ)を選択する「コマンドフェーズ」、ハート型のソウルを操作して敵の弾幕を避ける「防御フェーズ」、そして敵の攻撃をギリギリでかすめる(グレイズする)ことでポイントを溜め、特殊能力を解放する「TP(テンションポイント)システム」だ。この奥深いシステムは高く評価され、2025年のゴールデンジョイスティックアワードにおいて「最優秀サウンドトラック賞」と「最優秀インディーゲーム賞」にノミネートされた。

現在、ゲーム本編は24.99ドル(約4,050円、1ドル=162円換算)で販売されており、この1回の購入で配信済みの全5チャプターをすべてプレイできる。フォックス氏は、今後開発されるチャプター6と7についても、完成時に無料アップデートとして既存の購入者に提供することを約束している。

■ストア手数料を回避するアップデートの仕組み

『デルタルーン』の新しいチャプターは、GameMakerの「game_change()」という機能を通じて配信されている。フォックス氏の開発チームは、2024年11月のベータ版でこの機能を公開テストしていた。この機能により、各チャプターは独立したデータファイルとしてパッケージ化されつつ、プレイヤーは共通のチャプター選択画面からすべてのチャプターにアクセスできるようになる。

そのため、今回のチャプター5の配信もゲームのパッチ(アップデート)と同様に行われ、ストアでの個別購入やライブラリへの新規追加は不要となっている。また、Nintendo SwitchやPlayStationのプレイヤー向けには、フォックス氏が交渉したクロスバイ契約が適用されており、1回の購入で現行世代と前世代の両方のハードウェアでプレイ可能だ。

この配信パイプラインこそが、小規模なインディー開発スタジオにとって無料アップデートモデルを経済的に維持できる理由となっている。段階的なチャプターファイルの追加は、新しいタイトルを個別にリリースするよりも配信コストを削減でき、24.99ドル(約4,050円、1ドル=162円換算)という単一の価格設定でシリーズ全体をカバーできる。フォックス氏は2025年4月にチャプター3と4をNintendo Switch 2向けにリリースした際、この価格構造を確立し、「すでに完成したコンテンツに対してのみ課金し、残りのコンテンツは既存の所有者に無償で提供する」と公言していた。

■完結編(最終幕)に向けたチャプター5の位置づけ

チャプター5の舞台は「街のフェスティバル(Hometown Festival)」だ。これは、ややダークで心理的な描写が目立ったチャプター4から、意図的にトーンを変化させたものだ。フォックス氏は6月9日のニュースレターの中で、本作を「完全に日が沈む前に、振り返って太陽を見るようなもの」と表現しており、温かさに焦点を当てた軌道修正のチャプターであると説明している。

今回のリリースは、2025年6月にチャプター3と4が同時ローンチされてからわずか1年強での配信となった。これは2012年のプロジェクト開始以来、最も短い開発間隔だ。この開発ペースの向上は偶然ではない。フォックス氏は2024年初頭にプロデューサーのロバート・セファゾン氏を起用し、それまで不足していた開発チーム内のスケジュール管理体制を構築した。チャプター3と4の制作を終えたスタッフが、休止期間を挟まずにそのままチャプター5の制作へと移行したことで、2025年8月から本格的なフルタイム開発がスタートしていた。

この開発の加速は、今後のチャプターにも好影響を与えている。フォックス氏は6月9日のニュースレターで、チャプター6の開発が「順調に進んでいる」とし、これまでのチャプターよりも制作が容易になっていると明かした。フィールドの仕組みはすでに構築され、通常の敵との遭遇戦もほぼ完成しており、現在はラスボスの攻撃パターンの調整を行っているという。さらにフォックス氏は、慎重な言い回しをしながらも、「2026年末までに一部の開発メンバーがチャプター7の制作に着手できる可能性は非現実的ではない」と言及した。

チャプター2と3の間に約4年もの歳月を要したプロジェクトにとって、この開発ペースの劇的な向上は、エピソード型ゲームの歴史においても極めて稀なケースだ。過去の有名なエピソード型ゲームの中には、『ハーフライフ2(Half-Life 2)』の幻の「エピソード3」や、Telltale Gamesのいくつかのシリーズのように、完結を迎えられなかった作品も少なくない。しかし、全7チャプターのうち5作目までをリリースし、開発ペースをほぼ年刊のペースへと縮めている『デルタルーン』は、多くのエピソード型ゲームが到達できなかった完結というゴールに向けて着実に進んでいる。

■トビー・フォックス氏のメッセージと今後の展望

フォックス氏のリリース日のニュースレターは、簡潔かつ的確な内容だった。プレイヤーに対して、クラッシュやバグが発生した場合は公式のFAQページから報告するよう求めている。また、チャプター5のサウンドトラックの曲名にはネタバレが含まれる可能性があるため、チャプターをクリアするまでは見ないことを推奨している。クレジットにはフォックス氏以外の共同制作者の名前も多数記載されており、プレイヤーには音楽とその制作者たちを同時に発見してほしいという意図があるようだ。

そしてメッセージは、2018年以来すべての『デルタルーン』ニュースレターを締めくくってきたお馴染みの言葉で結ばれている。「お待たせしてすみません(Sorry to keep you waiting.)」

なお、TechTimesでは今週後半に『デルタルーン』チャプター5のフルレビューを掲載する予定だ。

■注目ポイントQ&A

●『デルタルーン』チャプター5は無料ですか?

すでに有料版(24.99ドル、約4,050円)を購入している方は、無料の自動アップデートとして受け取ることができます。追加の購入は必要ありません。新規に購入する場合も、同じ24.99ドル(約4,050円)でチャプター1から5までをすべてプレイ可能です。チャプター6と7についても、完成時に同様の無料アップデートモデルで提供される予定です。

●『デルタルーン』は全部で何チャプターありますか?

全7チャプターで構成される予定です。現在はチャプター5までが配信されています。トビー・フォックス氏のニュースレターによると、チャプター6は現在順調に開発中で、2026年末までに一部のメンバーがチャプター7の開発に着手できる可能性もあるとされていますが、残りのチャプターの具体的なリリース日はまだ発表されていません。

●チャプター5を遊ぶ前に『アンダーテール』をプレイする必要がありますか?

本作は『アンダーテール』のパラレルワールドを描いた作品であり、直接の続編ではありません。世界観やキャラクターを共有しているため、『アンダーテール』をプレイしているとより楽しめますが、未プレイでもストーリーを理解して楽しむことができます。

●チャプター5はシリーズの終盤の始まりを意味していますか?

全7チャプターのうちの5作目であり、最終3分の1の始まりに位置します。トビー・フォックス氏は、残りの2つのチャプターがもたらす展開の前に、温かさを感じられる瞬間として本作を位置づけています。また、マルチエンディングだった『アンダーテール』とは異なり、本作は1つの結末に向かって進むことが計画されています。

元記事: Deltarune Chapter 5 Out Now: Fox Says Field of Pink and Gold Took 10 Years

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