日銀利上げで銀行株は追い風か 新NISA投資家が見落とす2つのリスク
2026年6月19日 14:14
日本銀行は16日の金融政策決定会合で、無担保コールレート翌日物を1.0%程度で推移するよう促す方針を決めた。補完当座預金制度の適用利率は1.0%、基準貸付利率は1.25%とされた。利上げ局面では銀行株が注目されやすい。
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新NISAの成長投資枠で国内個別株を買う投資家にとって、金融株は身近な投資先になりつつある。だが、金利上昇は銀行にとって追い風だけではない。
■銀行株が利上げで注目される理由
銀行は、預金で集めた資金を企業や個人に貸し出し、その金利差を収益源の一つにしている。利上げで貸出金利が上がれば、銀行の利ざや改善が期待される。利ざやとは、貸出金利と預金金利などの差から生まれる利益のことだ。
金利のある世界に戻るほど、銀行の本業である貸し出しの収益性に市場の関心が向きやすい。金融機関は、政策金利や市場金利の変化を踏まえながら、貸出金利や預金金利を設定するのが一般的だ。
■新NISAでは配当利回りだけで判断しにくい
新NISAでは、株式や投資信託の売却益、配当・分配金が非課税になる。
2024年からは、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能となり、成長投資枠では個別株への投資もしやすくなった。配当を目的に銀行株を検討する人もいるだろう。
ただし、NISAは利益を非課税にする制度であり、損失を補填する制度ではない。配当利回りが高く見えても、株価が大きく下がれば含み損を抱える。
銀行株は景気や金利、金融政策の見通しに左右されやすい。初心者ほど「配当が高いから安心」と考えず、株価変動も含めて判断する必要がある。
■金利上昇には債券評価損や景気悪化のリスクも
銀行にとって利上げは貸出収益の改善につながる一方、保有する債券の価格下落を招く可能性がある。債券は金利が上がると価格が下がりやすい性質があるためだ。
また、金利上昇で企業や家計の借入負担が増えれば、融資先の返済能力が落ちるリスクもある。
日銀は、日本経済は緩やかに回復しているとの見方を示している一方、中東情勢や原油価格上昇が物価や企業活動に与える影響にも注意を促している。
銀行株を見る際は、利上げだけでなく、景気や企業業績、貸出先の信用リスクまで確認したい。
■金融株は「分散先」として見る視点も必要
新NISAで金融株を買うなら、銀行株だけに集中するのではなく、資産全体の中でどの程度持つかを考えることが重要である。全世界株やS&P500などの投資信託を土台にし、金融株を上乗せとして持つ方法もある。
利上げは銀行株の材料になりやすいが、すでに株価が期待を織り込んでいる場合もある。今後は日銀の追加利上げのペース、企業倒産や不良債権の動き、銀行各社の決算内容が焦点となるだろう。
新NISA投資家は「金利上昇=銀行株は必ず上がる」と単純に考えず、追い風とリスクの両面を見て判断すべき局面だ。