日経平均7万円時代、利上げで再評価されるMUFGと新NISAマネーの行方

2026年6月18日 17:12

■利上げでも株高、市場が見ているのはその先

 日銀が政策金利を1.0%へ引き上げた6月16日、東京市場は意外な反応を見せた。政策金利が1%に達するのは1995年以来、約31年ぶりとなる。

【こちらも】三菱UFJ・三井住友・みずほ、メガバンク株はまだ上がる余地あるか

 一般的に利上げは株式市場に逆風とされる。しかし今回、日経平均株価は史上初めて7万円台に到達した。市場が評価したのは利上げそのものではなく、日本経済が長く続いた超低金利時代から正常化へ向かっている点だ。

 その変化のなかで存在感を高めているのが、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)である。

■「金利ある世界」の恩恵を受ける代表銘柄

 銀行の収益は貸出金利と預金金利の差、いわゆる利ざやに左右される。超低金利環境では収益拡大が難しかったが、金利正常化は銀行業界にとって追い風となる。

 MUFGの2026年3月期純利益は、2兆4,272億円と過去最高を更新した。さらに2027年3月期は2兆7,000億円を見込んでいる。国内最大の金融グループであることに加え、海外事業の比率も高く、日本の利上げと海外金利の高止まりという二つの恩恵を受けやすい構造を持つ。

市場では、「金利ある世界」を象徴する銘柄として注目度が高まっている。

■新NISA投資家との相性

 新NISA開始以降、資金はオルカンやS&P500などのインデックスファンドへ流入してきた。一方で、制度開始から2年以上が経過し、個別株や高配当株へ関心を広げる投資家も増えている。

そのなかでMUFGが評価される理由の一つが株主還元だ。同社は2026年3月期の年間配当を86円とし、2027年3月期は96円配当を計画している。自社株買いも継続しており、利益成長と株主還元を両立する姿勢を鮮明にしている。

成長投資枠では配当金も非課税となるため、配当収入を重視する投資家にとっても魅力的な存在と言えそうだ。

■AI一強相場に変化の兆し

もちろん、生成AIや半導体関連銘柄が市場の主役であることに変わりはない。ただ、利上げという新たな環境変化を受け、市場の物色対象は徐々に広がり始めている。

AI関連銘柄に集中していた資金の一部が、高配当株や金融株へ向かう動きも見られる。市場では「AIか金融か」ではなく、「AIに加えて金融を持つ」という発想が広がりつつある。

一方で、利上げペースが市場予想を下回れば銀行株への期待も後退する可能性がある。それでも、政策金利1%という歴史的な転換点が市場の視線を変え始めていることは確かだ。

新NISAマネーの次の流れを占ううえで、MUFGはその変化を映す象徴的な銘柄の一つとして注目を集めそうだ。

関連記事

最新記事